第12話「使命の終わり」
凱旋から、一ヶ月が経った。
学院は、平和な日々を送っていた。
「今日も、いい天気だな」
「ええ」
ルークは、窓の外を見ていた。
「何を考えているの」
「......」
「俺の使命は、終わったのかな」
「使命?」
「俺は、転生者だ」
「この世界に来た意味が、あったはずだ」
「カイを救うこと」
「深淵を倒すこと」
「それは、もう達成した」
「なら、俺の使命は終わったのか」
「......」
「終わってないわ」
「え?」
「あなたの使命は、まだ続いている」
「学院を守ること」
「若い世代を育てること」
「それも、あなたの使命よ」
「そうか......」
「そうだな」
「使命は、一つじゃない」
「終わっても、また新しい使命が生まれる」
「そう」
「だから、まだ終わりじゃないわ」
「ありがとう、サラ」
「お前と話すと、いつも気持ちが楽になる」
「それは、良かったわ」
その日の午後。
カイが、ルークの元を訪れた。
「ルーク、お話があります」
「何だ」
「僕も、考えていたんです」
「これからのことを」
「これから?」
「はい」
「深淵を倒して、世界は平和になりました」
「僕の役割は、何だろうと」
「お前も、考えていたのか」
「はい」
「そして、答えが出ました」
「何だ」
「僕は、教師として生きます」
「この学院で、若い世代を育てます」
「それが、僕の新しい使命です」
「......」
「いい答えだ」
「ルークに、教わりました」
「使命は、自分で見つけるものだと」
「だから、自分で見つけました」
「......」
「俺は、そんなこと教えたか」
「言葉では、教えていません」
「でも、ルークの生き方を見て」
「学びました」
「そうか......」
「なら、俺も負けていられないな」
「ルークの新しい使命は、何ですか」
「......」
「学院を、世界一にすること」
「世界中から、生徒が集まる学院に」
「それが、俺の新しい使命だ」
「素敵な使命ですね」
「一緒に、頑張りましょう」
「ああ、頼りにしているぞ」
数日後。
ルークは、教官たちを集めた。
「みんな、聞いてくれ」
「俺は、学院を世界一にしたい」
「世界中から、生徒が集まる」
「誰もが憧れる学院に」
「そのために、力を貸してくれ」
「もちろんです」
「私たちも、そう思っていました」
「ルーク様の理想、実現しましょう」
「ありがとう」
「まず、何を始めますか」
「カリキュラムの改革だ」
「剣術だけでなく」
「魔法、外交、医療」
「様々な分野を学べるようにする」
「総合的な人材を育てる」
「なるほど」
「多角的な教育ですね」
「そうだ」
「世界に貢献できる人材を」
「俺たちの手で、育てる」
改革が、始まった。
新しいカリキュラムの作成。
新しい教官の採用。
「忙しくなりそうね」
「ああ。だが、やりがいがある」
「この学院を、変えていく」
「より良い場所に」
「素敵ね」
「あなたらしいわ」
「サラ、お前も手伝ってくれ」
「もちろん」
「外交の授業は、私が担当するわ」
「頼りにしている」
数ヶ月後。
新しいカリキュラムが、完成した。
「これで、準備は整った」
「来年から、実施する」
「生徒たちの反応が、楽しみですね」
「ああ」
「俺の新しい使命」
「始まったばかりだ」
使命は、終わらない。
一つが終われば、また新しい使命が生まれる。
それが、生きるということ。
ルークは、前を向いて歩き続ける。
次回予告
学院の改革が進む。
そして、新しい生徒たちが。
未来への希望──
第13話「新しい世代」
「彼らが、未来を作る」
「俺たちは、それを見守る」
希望の芽──




