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詩集/日々  作者:
3/200

グミ

世界が柔らかければよかったのに。世界がぶどう味ならよかったのに。


世界の原材料がゼラチンならよかったのに。むぐむぐとして、噛みきれるから。

世界が安価に買えればよかったのに。でも最近は消費税が高いしなあ。

世界に砂糖がふんだんに含まれていればよかったのに。勉強のお供になる。

世界もパッケージが可愛かったらいいのに。でも中身が少なくなるごまかしはいや。

世界もいろんな味があればよかったのに。コーラ味とか。オレンジ味とか。

世界も期間限定とか、やればいいのに。それでライチとか、新しい好きな味の発見があるんだ。


でも食べ過ぎればお腹は緩くなるし。結構カロリーはあるし。毎日買ってると高くつくし。癖で買い続けてもマンネリ化する。


どっちがいいかしら。固く大きなこの世界。柔らかくぶどう味のそんな世界。

ベンチで、見上げて、空にかざして。ほのっと半透明な紫色が、太陽にあたって光って見えて。綺麗めで。食べよ、と口を開こうとしたところ。


「あ、なにそれ。一個ちょうだい!」


元気に、やつに見つかって、ぱたぱたと走ってくる姿は、犬っぽくて。

ああ、そっか、そういえば、と。


世界も、一個ぐらい分けられたらいいのに。そしたら、まあたぶん、近いうち。

ポッキーの一本でも、貰えるだろうから。



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