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旋律/口外
旋律
樹々は揺らめいて、静寂の中にざわめき。
川に魚の撥ねて、静寂の中に水遊び。
風に蝶の流されて、静寂の中の旅路。
言の葉は無し、しかし音の鳴る。
耳を澄ますものの無し、しかし歌は朗々と。
聞きつけるものの無し。だから旋律は悠々と、自由の中に。
口外
口外するべからず。君の見たその景色を。
口外するべからず。君の聴いたその歌を。
口外するべからず。君の描いたその夢を。
頭の中の真空に、ただ君しか持たない元素の眠る。酸化して、ありきたりな錆になる前に。
口外するべからず。君がつかめるほどに、なるまでは。




