101/200
渡り鳥
飛翔する鳥のいく先を誰も知らず。飛び立つは生の果てか、死への旅路か。
晴天の空は秋の下にあって清々しくも寒い。からからとしている。羽毛の先もまたぱさぱさしている。
それでも飛ばねばならぬは、冬に足を囚われないため。羽毛短ければ、生も短し、羽ばたけよ雌鳥。
孕めるか、出会えうるか、渡りうるか。春遠し。若き鳥は、ただ海の向こうに暖かな夢を見る。
羽を目いっぱいに、肺腑に空気をいっぱいに。秋空晴天。飛び立つならば、今日なれば。
羽毛短ければ、生も短し、羽ばたけよ雌鳥。春は遠し、死は近し。春に渡れ雌鳥。




