七十二話 レストラン
ある雨の降りしきるアレゲニー町。
「パパ!ねぇパパ!」
幼い頃のマーガレットが買い物から戻り玄関を開け父親のいるリビングへ走る。
「あのね!お肉屋さんのおじさんがおまけしてくれたの!ねぇパパ?…パパ?」
マーガレットはリビングの扉を開けるとそこには首から血を流し倒れている父親がいた。
ドサっと買ってきた肉を落としマーガレットは父親の元へと走った。
「パパ!パパ…!ねぇ!パパ!……」
「…っ!…っち…またあの夢か…」
「…ん?どうした?」
「いや…なんでもない…」
マーガレットは仮眠から目を覚まし再び車のエンジンをかける。
車を走らせ続け、グレッタが脱獄した刑務所の近くのファゴリア町へ到着した。
サーニャ、ロゼッタ、ミーナと旅した時以来だが町並みはあまり変わっておらず、キラーとローズとの戦闘で半壊になった大聖堂は綺麗に修復されていた。
マーガレットは情報収集のため、過去に訪れたレストランへ入った。
レストラン内は人で賑わっておりなかなか席が空きそうになかった。
「いらっしゃいませー!…ってマーガレットさん!?お久しぶりです!!」
「よっ、久しぶり。タニーシャ」
元気な店員「タニーシャ」はマーガレットのことを見て驚いた。
タニーシャはホームレスだった頃、男に襲われていたところをマーガレットに助けられこのレストランで働くように勧められ現在に至る。
タニーシャはちょうどいいタイミングで空いたテーブルにマーガレット達を案内し他の客の接客にあたった。
「なあ、マーガレット。あいつと知り合いか?」
「まあ、前に色々あってな」
「へー」
「ご注文決まりました?」
マーガレットとジャックが二人で話しているとタニーシャが接客にあたった。
「えーっと…じゃあ…」
「これとこれとこれとこれとこれ!!!!全部大盛り!!!」
モーガンが真っ先にパスタやピザ、ハンバーグを注文したがマーガレットとタニーシャはそれを聞いて唖然とした。
「あっ…あのー…それだとかなりの量になりますが…」
「あー気にしないでー…私はチーズパスタ普通盛りで。マーガレットは?」
「…おっおう…同じのでいいや…」
「わかりました…少々お待ち下さい…
タニーシャは注文されたメニューをメモし厨房へ消えた。
「なっ…なぁ…ジャック…こいつ、そんな食えんのか?」
マーガレットは不安になりジャックに聞いた。
「ん?大丈夫だよ。こいつ、ゾンビだからいくら食ってもすぐ腹減るし食うことしか考えてないし」
「おう…それもそうだけど金は大丈夫なのか…?」
ジャックはマーガレットの一言を聞き飲んでいたコップをピタッと止めた。
そしてコップを置き財布の中身を確認した。
(あっ…そこまで考えてなかったのか…)
「…んー…足りなかったら…その時よろしくな?」
「…嘘だろおい」
ジャックはマーガレットの顔を見てにっこり笑いマーガレットはため息をついた。
「お待たせいたしました…」
タニーシャはモーガンが注文した食事をテーブルの上に次々と置いていった。
モーガンは目をキラキラさせ無我夢中で食い始める。
「すみません…マーガレットさん達のはもう少し待ってて下さい…」
「あー…いいよ、ゆっくりで…」
その後マーガレットとジャックの料理も到着し食べ終えると町の探索をした。
だが「グレッタ」の知る手掛かりは一切なく、自分達でどうにかして探すしかなかったがその方法も分からない。
「で?どうする?」
マーガレットはタバコを吸いながら車に寄りかかり、ジャックは近くの手すりの上でトランプをシャッフルし、モーガンは車の中で幸せそうに寝ていた。
「どうするって言われてもねー…あっ、あそこ行ってみれば分かるかな」
ジャックはふとある事を思い出し提案した。
「私がヴィランズコーストにいた時取引してたマフィアの事務所。そこならこの町の裏の情報も知ってるだろうし」
「ほー…じゃあ行ってみるか」




