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Magical Reve  作者: 柏木桜
Chapter1 Magic book
29/151

二十九話 占い館ファルス

サーニャとミーナは食事を済ませウェイトレスに勧められた魔法使いの店へ向かう。


「えーっと…大通りを歩いて四つ目の路地…だよね?」


「はい、確かそう言ってました」


二人は大通りを歩き四つ目の路地にたどり着いたがその先は道が二手に分かれてありどっちに歩けばいいのかわからなかった。


「とりあえず右行ってみようか」


「はい」


二人は右側の道を歩く。大通りから少しずつ離れていくにつれ人の声が聞こえなくなっていき人気がなくなっている。店も閉まっているものばかりだ。

二人の間に不安感が立ち込める。道は一本道で少しずつ左に曲がっているがウェイトレスの言った魔法使いの店は見当たらない。そして歩いていくにつれ人の声が聞こえ始めた。周りを気にしながら歩いているとサーニャは足を止めた。


「ミーナちゃん、ここってさっきのところじゃない?」


「え?」


ミーナは思わず後ろを振り返る。そこには見覚えのある二手に分かれた道だ。


「じゃあこの道は繋がっていたって言うわけですか?」


「そういう事だね…もう一周して探してみようか」


「そうですね…」


二人は来た道を戻った。同じく少しずつ人の声が聞こえなくなっていき道は右に曲がっていってる。

人の声が聞こえなくなったところでミーナがあるものに気づいた。


「サーニャさん、あそこに階段なんてありましたっけ…」


「階段…?あったっけ…」


ミーナの指差す方向には建物の死角になる場所に下り階段があった。

階段の先は暗くてよくわからない。


「…行ってみる…?」


「…はい…」


二人は恐る恐る階段を下りた。少しずつ暗くなっていき階段を下り終える時には真っ暗になっていた。通路の先を見ると小さな光が見え微かにだが扉が見える。

二人は扉の前に立ち扉に掛けられている看板を読んだ。


「魔法使いの…店…」


「ここなんですね…」


「わかりにくい場所にあるね…入ってみようか…」


「はい…」


サーニャは扉をゆっくり開けた。扉は思った以上に重く金具が錆びついているのかギィーッと音が響く。

店の中に入ると中は薄暗く無数に並んでいる瓶の中の液体が赤、緑、紫と光っており隣には蛇の皮などが垂れ下がっている。カウンターにはランタンが置かれているが意味をなしているようには思えないぐらい光が弱い。カウンターの近くだけを照らすだけで十分と言わんばかりの明るさだ。だが店員の姿がない。


「…すっ…すみませーん…」


サーニャは恐る恐る店員を呼んでみたが反応がない。ミーナは売り物に少し興味があったが店の雰囲気が暗く恐怖心の方が勝っていた。

二人が諦めかけていたその時カウンターの後ろにある紫色のカーテンの奥から物音が聞こえた。

カーテンがゆっくりと開くと気だるそうな店員らしき人物が現れる。


「ふあぁ…何?お客さん…?」


丸眼鏡を掛けた女性だが服がダランとしていてだらしない。


「あの…ここって…」


「ん…?私の店だけど…気分でやってるから営業日はバラバラだけど…」


サーニャは質問した。店主は頭をぽりぽりかきながら質問に答えた。


「それで…何しにきたの?」


「占いをやってもらいたくて…」


「占い…か…ふあぁ…分かった…そこの椅子に座ってて…」


サーニャとミーナはカウンターの側にある椅子に座った。店主はカーテンの奥へとぶつぶつ独り言を言いながら消えていった。


「あの…大丈夫なんですか…?」


「うん…大丈夫だと思う…多分…」


二人は不安でいっぱいだった。

店主がカーテンから水晶玉を両手で抱えながら出てきてカウンターの上にある小さな座布団の上に置きぶつぶつ独り言言いながら椅子に座った。


「それじゃあ…始める前に…私はファルス…あなた達はサーニャとミーナ…ね…」


「はい…そうです…」


店主のファルスは名前を聞かずに二人の名前を当ててみせた。二人は少し驚き不安感が少し薄まる。


「うーんじゃあ…やるね……」


ファルスはめんどくさそうではあるが水晶玉の上に手をかざす。すると水晶玉の色が透明だったのが少しずつ紫色に変わり始める。


「ふーん…なるほどね…見えたよ…お二人さん…簡単に説明するとこの後面倒な事になるかもね…」


ファルスはかざすのをやめ水晶玉から見えたものを説明した。


「面倒な事…それってなんですか?」


サーニャは疑問に思い質問した。


「えー…それも説明しなきゃいけない?…わかった…見つけた探し物が無くなるのと誰かに狙われる…これぐらいかな…それじゃあ…今日は店じまい…また来ていいけどやってなかったらごめんね…ふあぁ…ねっむ…」


ファルスはめんどくさげに説明をした後またカーテンの奥へと消えていった。


「「……」」


二人はポカーンとした。占いの雑っぷりもそうだが内容だ。


「見つけた探し物が無くなる…もしかして…」


「サーニャさん…私も嫌な予感がするんですけど…」


二人は慌てて店を出てホテルへと戻った。



その頃ホテルの中ではロゼッタとマーガレットが目を覚ましていた。


「うぅ…さっきよりマシになった…マーガレット…昨日はごめんね…」


「いや…あれはこっちが悪いんだし…いいよ…」


マーガレットは少し痛い頭をぽりぽりかきながらロゼッタと会話した。ロゼッタも二日酔いが抜けきっていないが朝よりはマシになっていた。


「マーガレットごめん…魔導書の確認手伝って貰っていい…?」


「ああ…いいよ…」


マーガレットはコップ一杯の水を飲む。ロゼッタはバッグを取り出し魔導書を探す。


「ん?」


ロゼッタは不思議そうにバッグの中を必死に探す。


「ロゼッタ?どうした?」


マーガレットはロゼッタの異変に気付き質問をする。


「…い…」


「おい、ロゼッタどうしたんだよ」


「ないー!」


ロゼッタは突然大声を出しバッグの中の物を出す。

小物、衣類などがポンポン出てくる中魔導書が一向に出てこない。マーガレットもただ事じゃないと察し探すのを手伝った。


五分後

サーニャのバッグとマーガレットのバッグの中身を全て出したが魔導書が二冊しか出てこなかった。

本来ならバッグの中に魔導書が七冊入っているはずだ。二人は昨晩の記憶を思い出す。だが酒を飲んで寝てしまったという記憶しか出てこない。


「はあぁー…どうしよう…マーガレット…」


「どうしようって言われてもよ…」


二人は焦りを隠せなかった。

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