フードの中(3)
部屋の奥にある扉を開けると、地下に向かう階段が現れた。
階段を降りるとさらに二重扉があり、温度管理が徹底されているのがよくわかる。
「この中って、気軽に入っても大丈夫なの?」
「ええ。 はい。
中で作業をするときは『気流操作』の魔法を使っているので大丈夫です。
早速中を案内しますね。 ついてきてください」
マテラに案内されて中を歩くと、それはもうたくさんのポーションが置いてある。
瓶に入ったもの、樽に入ったもの、氷結魔法で凍らされた状態のもの。
色々と試している段階なのだろう。 保存形態も様々だ。
「マテラ、ふと気になったんだけど、そもそもポーションって、ここまで厳重に管理するものなの?」
お店とかでは常温で陳列されてそうなイメージだけど・・・。
「そうですね。 普通のポーションは作成後に『魔力加工』が行われるので、長期間品質を保つことができるます。
ですが、余計な魔力がこもる分、効果は落ちますし、それに、加工を行わずに熟成させることで・・・例えばこのポーションをみてください」
マテラは、棚から一升瓶のようなものを取り出して言う。
「例えばこのポーションなんて、面白いですよ?
熟成させることで回復成分が発酵して、旨みとアルコールになってるんです!」
へー。 回復成分って発酵するとアルコールになるんだー。
てか、お酒じゃん、これ。
ちなみに、この世界にはお酒はあるけど酒造法のようなものはないらしく、個人的にお酒を作ることも、そのお酒を販売することも可能らしい。
酒造り以外にも、例えば熟成させることで回復力が上がったり、性質が変化するものもあり、色々と実験しているところなのだという。
「ですが、この回復薬はまだ熟成途中でして・・・。
あと数ヶ月かければ完全なお酒になると思われるのですが、現時点では旨みも弱く回復成分も薄い、中途半端な状態なのです・・・」
他のポーション類も熟成を始めたばかりの物が多く、成果が出るにはまだまだ時間がかかりそうだった。
その後、30分ほど地下室を見て回り、今度は地上の2階から上の階をライアが案内することになった。




