フードの中(2)
マテラが小屋の扉を開けると、小さな小屋にしか見えない外見からは想像できないぐらいに広い空間が広がっている。
この小屋が建っている空間自体が『空間拡張』の魔術で作られているのだが、この小屋にもさらに『空間拡張』が行われているらしい。
中を見渡すと、おやっさんの宿で見たようないろいろな機材が所狭しと置いてある。
マテラがことあるごとにフードに潜っていたのは、ただ休憩していただけじゃなく、ポーションを作ったり魔術を研究していたのだろう。
「チシロさま、ここ、地上1階に置いてある機材は、ガストフ先生から借りているものです。
先生の宿に置いてあった機材のうちから扱いが簡単そうなものをいくつかお借りしているのですが、未だ半分も使いこなせていません」
「うむ。 我も手伝ってはいるのだが、そもそも特定の素材専用の機械もあるゆえ、試そうにも試せぬのだ」
ちょうど、その時「ピピピッ」という音が機材からなり、なんか複雑そうな図形と数式が表示される。
マテラとライアはそれを見て「ふむふむ」とか「なるほど」とか言ってるけど、自分が見ても何が何やら。
「ま、まあ、こういう難しそうなことは二人に任せることにするよ。
ところで、ここが『地上1階』ということは、地上2階とか、地下とかもあるの?」
「は、はい。 地下には出来上がったポーションを熟成する施設があります。
2階から上は、ライアが勝手に作った場所なので何があるのかは知りません!」
「知らぬて・・・マテラよ。 一度説明したではないか。
チシロ、2階と3階は倉庫として使っておる。
何せ、初めてここに来た時には草やら花やらが無造作に散らかっておったのでな」
「あ、あれは、チシロさまが何でもかんでも『面白そう』と思ったものをフードの中に放り込むからでして・・・。
私が、片付けが出来ないとか、そういうことじゃないんですよ?」
「あ、なんかごめん」
「チシロよ、謝る必要などない!
マテラ、我は見ておったぞ!
お主が外から採集してきた薬草類をそのまま入り口から室内に放り投げるのを!」
「あ、あの時は少し急いでいただけで・・・。
チシロさまの前でそこまで言わなくてもいいじゃないですか。
って、もうこの話はやめ。 やめにして、次は、地下室を案内しますね。
完成したポーション類はすべて温度や湿度が一定に保たれた地下室に保存してあるんです!」




