山龍討伐一日目(7)
もともとステータスが不明だったためか、名称が変化した以外のアナウンスが流れることはないようだ。
龍王種の方は、強い光を放ちながら、変形しているようだ。
目を開けるのも辛いぐらいの光のせいで詳細はわからないのだが、羽とか角とかが生えて、サイズもどんどん大きくなっているっぽい。
「マテラ、マテラにはやっぱり何も見えないの?」
「はい。 ですが、何かすごい強いエネルギーを感じます。 これは、魔力とは違うエネルギーのようですが・・・」
<<うむ。 我自身にも、我等の使う力の詳細は不明でな。 この『進化』によって、謎が解けるかと思ったのだが>>
「あ、チシロさま、今の声、私にも聞こえました! なんか、チシロさまの使う『想力』と似た感じのエネルギーですね。 詳細は違うようですが」
「え、似てる?かなぁ。 てか、その状態で喋れるんですか? ものっすごい光ってますけど・・・」
<<体は動かぬが、会話はできるようである。 ・・・おお、もうじき変化も終わりそうである。 もうしばし待たれよ>>
のんびりとした会話をしつつも、光はどんどん強くなっていく。
もはや目を開けているのも辛いので、完全に目をつぶった上に光に背中を向けているのだが、それでも光がどんどん強くなっていくのがわかる。
そして、最後にひときわ強い光を放った直後、森の薄暗さが戻ったのを感じる。
「終わったようであるぞ。 もう、こちらに目を向けても大丈夫である」
「とは言われても、目が慣れるまでは何も見えない・・・ん? あれ? どこ行きました?」
今まで龍が飛んでいた辺りを見回しても姿が一切見えない。
というか、今、「声」がやたらと低い位置から聞こえたような・・・。
「ここ、ここである! もうちょい視線を上に向けよ!」
「ここって、どこよ。 って、え?」
言われた通りに視線を上げると、マテラサイズの妖精が空中から、腕をくみながらこちらを見下ろしていた。
「うむ。 なかなかに面白いことになったのう! やはり試してみて正解であったか。
チシロ、それにマテラであったか。 大儀である!
そして、これからしばらくの間、よろしくの!」




