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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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山龍討伐一日目(幕間1)(3)

 脅迫という名の交渉が終わり、渋々ながら魔術契約の書類にサインを書いたのち、テンキさん、ラビさんにも戻ってきてもらい、精霊車の中で話をすることにしました。


「アウラちゃん、急いで戻れって言われたから戻ってきたけど、一体何があったんだい?」

「まさか・・・緊急事態・・・ですか?」

「テンキさん、ラビさん、すぐに戻ってきてくれて、ありがとうございます。

 それで用件ですが、先ほど、チシロさんとマテラちゃんが敵に捕まったそうです」


 相手ギルドとの交渉中にチシロさんが人質にされてしまったことから、現状では連絡が取れないこと。 『赤き農民(敵ギルド)』と『山龍討伐』の『魔術契約』を結んだことについて話をしました。


「そう、チシロさんが捕まったか。 ()()()()()()()ですね」

「魔術契約・・・なら、チシロさんは安全ですね」

「ええ。 まあ、チシロさんが捕まったのは想定外でしたが、仕方がないので、()()()()進めます。

 私とガストフは、敵の目を引くために山龍の調査を行いますので、その間にテンキさんとラビさんは、チシロさんとマテラちゃんの情報を集めてください」

「いやぁ、それにしても、『山龍討伐』なんていう、いかにも地雷なクエストを受けるって、初めに聞いた時は『何考えてんだ?』って思ったけど、真の目的は『裏ギルド討伐』だったとはね」

「はい。 まあ、当初の予定では人質役は私がやって、マテラちゃんに華麗に助けてもらうつもりだったんですけどね。

 こうなってしまっては仕方ありません! 逆に、私がマテラちゃんを華麗に・・・」


 そして、チシロさんとマテラちゃんの身柄を確保さえしてしまえば、逆に契約違反をしているのは『赤き農民』の側になります。

 そうすれば、『魔術契約』を逆に利用して無効を脅迫なり何なり好きに出来るわけですが・・・。


「いい気分になっとるとこわりぃが、言ってそんなに猶予はないんやで!

 タイムリミットは、契約期間の10日間しかないんや。 いくらラビさんが『捜索魔術の達人』とは言っても向こうも馬鹿じゃないんだから、人質を隠す努力はしとるはずや。

 最悪、見つからんかった時のことも想定しなあかんかも・・・」


 ガストフさんの言うことにも一理あります。

 山に入っての山龍討伐は、国際法で禁止されており、違反すると『ギルドランクの降格』もありえます。

 まあ実は、それははそこまで問題になりません。

 何しろ、たった3人のギルドにゴールドランクはあまりに持て余しています。


 それよりも最悪の事態は、チシロさんを奪回できず、山龍討伐もできなかった場合で、この場合はチシロさんを人質に、さらなる要求をされる可能性もあります。


 なので、山龍の調査の方も手を抜くことはできず、最低でも「この山に山龍がどの程度生息するのか」の調査を終える必要があり、そうなると私とガストフの二人で調査をしても、期限はギリギリだったりします。


「そういうことで、即時行動を開始しましょう。 テンキさんとラビさんは、チシロさんの情報収集をお願いします。

 ガストフと私は、今から山に入って調査を行います。

 予定通り、日が沈む頃にまた一度ここに集まることにしましょう」

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