山龍討伐二日目(6)
「チシロさん〜、これは~、『中型』の山龍から採取できた『逆鱗』です〜。
魔力を流すと爆発的なエネルギーを発生させるので、気をつけてください〜」
「え、そんなもの渡されても・・・。
マテラ、これってフードの中に入れても大丈夫そう?」
「大丈夫です、チシロさま!
こんな時のために、魔力を一切通さない部屋も用意しておきました!
さらに、念のために魔力を遮断する容器に入れて保管しておきますね!」
「あ、ああ。 よろしく!」
「チシロ! これは、『小型』の山龍からたまたま取れた『炎玉』なんだぞ☆
強い衝撃を与えると爆発するから、気をつけるんだぞ☆」
「え、だから、そんなもの渡されても・・・
って、投げないでください! 落としてたらどうするつもりだったんですか!?」
「確かに、落としてたら爆発してたんだぞ☆ 危なかったんだぞ☆
それはそうと、保管するときには気をつけて保管するんだぞ☆」
「チシロよ、倉庫の中は基本的に無振動だから、安心するがよい。
まあ、念のためマテラがものを投げ込まないよう、別の部屋に保管しておくことにするかの」
「チシロさん〜、見てください〜!
さっき山龍を倒したら〜、『龍の髭』が手に入りました〜!
何に使うのかは知りませんが〜、なんか丈夫そうなので何かに使えるかもしれません〜」
「チシロ! これはすごいのだぞ☆」
なんか、すごい勢いで双子が珍しいものを持ってくる。
山龍は、討伐すると大半が土や岩などの自然物に戻ってしまうのだが、たまに体のどこか一部がそのまま残ったり、生命力などのエネルギーが『玉』になって現れたりするらしい。
最初のうちは、いちいちリアクションを取っていたけど、もはや驚いている暇もない状態で、特に確認もせずにマテラかライアに運んでもらっている。
それにしても、山に入って狩りを始めてからもう数時間は経つけれど、一向に終わりが見えてこない。
地図を見ると、自分たちが通った道から半径数キロ圏内には赤い点はなくなっているのだが、地図の表示範囲を広げると、未だ全体の1%も進んでいないことがわかる。
このペースで行くと、一体何日・・・いや、何ヶ月かかることやら。
とりあえず、自分たちと白黒姉妹が『赤き農民』からお願いされているのは「三日間で可能な限り山龍の数を減らして欲しい」ということだった。
「なぜ三日間なのか」は説明してもらえなかったけど、もしかしたら三日後には本格的な部隊が到着するとか、そういうことなのかもしれない。
そういえば、『黄金』が受注したクエストも『山龍討伐』だったから、もしかしたら合流するのは『黄金』のメンバーなのかも知れない。
だとしたら、今度は『黄金』のメンバーとしてまた山龍狩りに参加することになるのだろうか・・・。
まあ、報酬は高め(この世界の価値観はよくわからないけど、白黒姉妹のような実力者でも納得できるぐらいの金額らしい)に設定されているし、あとは『黄金』のみんなに心配をかけていないかだけが気になるけれど、まあ、三日ぐらいなら大丈夫でしょ。




