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隣の席の赤新さん  作者: トモットモ


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10/10

赤新さんはちょっと変

 図書室は閑散としていた。窓の外ではグラウンドで運動部が練習している声が響いていた。

 僕と赤新さんは図書室に入ってから奥のスペースまで歩いていく。案の定そこには誰もいなかった。

「んしょっと」

 赤新さんがバックをテーブルに置いて、僕にクルリと向き直る。

「チョロッと待ってて」

 赤新さんは、すたこらさっさと奥の方に引っ込んでいく。

 僕は、それを見送って、鞄をテーブルに置いて椅子に座り、1冊のノートを取り出す。ノートの中身は僕の書いている小説だ。

 僕はメモ帳を取り出して、アイディアを確認する。

「ああ、そっか。なるほど、ここをこうすれば……」

 僕が執筆に夢中になっていると、赤新さんが紅茶が淹れてあるティーカップとクッキーの入っている袋が乗ったお盆を手にフラフラとやってきた。

「やあ、捗っているかね?」

「あ、うん。ありがとう赤新さん。ってちょっ、ちょっ。危ない危ない!」

 フラフラしてるもんだからティーカップカタカタいってる。僕は咄嗟に席を立ち、手を伸ばす。

「「あっ……」」

 お盆を持つ赤新さんの手に僕の手が触れる。

「あっ、えと、その、お、落っこちないように」

 僕が途切れ途切れにそう言うと、赤新さんはパチクリと目を瞬かせた。

「絶望的に筋力がなくてね。一緒に運びマッスル?」

「マ、マッスル!」 

 僕は、ブンブンと首を縦に振った。

 僕と赤新さんは慎重にお盆をテーブルに置いた。まだドキドキが続いている中、一緒に椅子に座ると、ティータイムが始まった。

 赤新さんの淹れてくれた紅茶はとても美味しかった。クッキーの方は、何だか独創的な味がした。

 ふと赤新さんが僕に喋りかける。

「それが読んでほしい小説?」

 僕は、ばっとノートを抱える。

「あ、いや、これはちょっと違くて」

「ふ~ん」

 赤新さんは何か意味ありげに頷く。

「昼休みの時に先に言われちゃったから、また言うけど……」

「う、うん」

「私、吉川君の小説、読みたいな~~」

「こ、これはだめだめ!」

 僕は全力で拒否する。赤新さんにはもっと別のがあって……!

「む~。ケチャップだな~~」

 赤新さんが、僕にむ~とした視線を向ける。てゆうかケチャップ? ……あっ! もしかしてケチって言いたいの? 何だかとても可愛らしかった。

可愛らしいでござるな~。次回に続きます~(*´▽`*)

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