WSS/1 ダイヅツロ
【ダイヅツロ】
アミネ科目。
言わずと知れた世界5凶獣の一角で、この生物の代名詞でもある。
大きいもので全長5m体重5tという、
歩く大巌のような質量に、
一本の直径が2ミリもある剛性の強い黒い体毛
下半身に足は無く、高面積の軟体が接地面にあり
芋虫のようにうねらせて移動するが
なんと最高時速60kmという速度で動き獲物を追い詰める。
性格は、比較的温厚で知性も高いが
テリトリーに入った生物は、たとえそれが無害な小動物であっても
容赦せず、捕食外の殺生を行う事もある。
両腕は異様に大きく先端には5本の長い爪があり、
この爪は弾性に優れ鋭利、脊椎動物でも胴体を一振りで切断する。
だが、ダイヅツロの凶悪性はそのボディでは無く毒にあり
ダイヅツロが保有する毒は、異界の中で二番目に危険な猛毒である。
さらに、この猛毒は口内の粘膜、牙、爪の全てから分泌する事ができるので、
一瞬の交戦でもこの毒の被害を受ける。
この毒はデエトロチルトキシノーゼがおおよその構成物質だが、
デエトロチルトキシノーゼ自体に毒性はなく、いわば培養液に近い
デエトロチルトキシノーゼは、細菌増殖環境を最適に整える効果を持ち浸透圧が塩分の5倍近くある。
結果、生物の体内に浸透し、細菌増殖環境を整える事で
あらゆる種類の細菌が異常な速度で増殖し、生物の肉体を壊死させる。
ダイツヅロのこの毒は、従来の毒とは異なり、
細菌の増殖から引き起こる体組織の壊死が実害へのプロセスとなるので
解毒剤が存在しない。
また抗生物質などの投与もデエトロチルトキシノーゼの効果に相乗し
アナフィラキシーの引き金になるので投与できない。
繁殖し有害となる細菌種類が多すぎて個別に対応できない、
負傷時の環境や、その土地によって細菌の種類が異なる、
などの理由から、致死率100%の猛毒である。
ただし、分類的には毒には該当せず、概念的に毒とされている。
仮に、右腕に爪などでわずかな切り傷を負った場合、
約6時間で右腕は骨まで壊死し、右肩の付け根まで壊疽を引き起こす。
さらにそこから2時間ほどで血液を介し全身に回り、全身が壊死し始め、
そこから4時間後、毒の被害にあった12時間後には、壊疽した肉片のみが残る。
ダイヅツロは、岩肌の多い深い森に住み、
水場に近く大樹の多い場所に住み着く事が多い。
個体数も多く、分布も広い事から討伐報酬も良い。
このダイヅツロの毒を武器や兵器として使用する事を
異界管理局は固く禁じており
もしそれを意図して人体に使用する事は断罪録でも高位の罪代が設定されている。
これは、全種族会議の時代に可決したアークス3条約にて決められており、
先の アマテオ帝国においてすら実験すらされなかった。
【余談】
ダイヅツロは、自分の毒で死んでしまう。
【その他】
押入れを片付けた時に出てきた
中学生の時に描いた痛いノート。
そこに下手くそな絵で描いてあったモンスターである。
設定に違わず、実に即効性のある猛毒で俺を苦しめたのは言うまでもない。