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登校準備

 今朝は、目玉焼きとベーコン、アスパラを炒め、わかめと豆腐の味噌汁で済ます。

 少し寂しい気がしたので、ソーセージを追加で焼いておく。

 今日はプリーツスカートにブルーグレイのブラウスを着せる。


 浅葱市立第三小学校。

 これがギンタの通うことになる学校だ。

 人間でないことも公になっているので、成長しなくても、気にせず学校に通えるのは気が楽だ。

 通された相談室に女性が入ってくる。

 グレーのスーツに白のTシャツ姿はOLっぽい。

「どうも、初めまして。私が担任をさせて頂く、稲葉と申します。」

「あ、どうも初めまして。鈴木です。この度は娘がお世話になります。」

「オハヨウゴザイマス。」

「日本語が出来ないと伺っていますが。」

「そうですね。二週間前に彼女を引き取ったばかりで、日本にも先週着いたところです。」

「話せるのが、トリヴォニア語、グロニスク語、トルコ語ですか。」

「ええ、ギンタとはトリヴォニア語で会話しています。」

 ギンタの状況をあれこれ聞かれ、説明する。

「丁度、短縮授業に入りますし、学校生活に慣れるためにも、明日からでも通学しましょうか。」

「はい。宜しくお願いします。二学期から日本語指導は予定していますが、ご家庭での指導もしっかりお願いします。」

「はい。」

 日本語指導があるのは週二回だがトリヴォニア語が出来る講師はいないし、グロニスク語の講師も少ないため、なかなか調整がつかないらしい。

 既に三カ国語を覚えているギンタは、意外と早く日本語を覚えられるかも知れない。

 話せるようになっても、まだ、読み書きは必要だし、日本語指導も全25回と限りもある。

 日本語の読み書きもドリルなりを使っての学習も考えなければならないな。


 学校からもらったプリントを見ながら必要な物を買い揃えていく。

『これが『鉛筆』。トリヴォニア語でどう言うか分からんな。』

 俺がトリヴォニアにいた頃はそんなものは無かったためだ。

『ペンみたいな物か?』

『そうだな。紙に書いて消せるんだ。』

『消せるのか?』

 半信半疑のようなので、後で見せてやることにしよう。

『今日から、日本語を覚えないといけないから、日本語で話しかけるぞ。』

『分かった。』

 文房具はデザインもあるから、ギンタに選ばせる。

 やはり、女の子らしいデザインの物で統一されていく。

 男の子はあまり気にしないので、先に買って準備したりしてたが、そうしなくて良かった。


 ついでに夕食の買い物も済ませ、家に帰る。

 少し遅くなっているので、手早く作れる焼きそばにする。

 先に豚肉とイカを出汁で炒めてしっかり味をだしてから作る。

 少し醤油を足し、ウスターソース、とんかつソースとケチャップを入れ、しっかり炒める。

『これは日本の『焼きそば』って言う料理だ。』

『いつもあちこちの国の料理が出て来るから、もうどこの国でもいい。』

 日本の料理にしてはこってりしているみたいな感想を期待していたのだが。


 夕食まで、ゆっくりと日本語を教えながら、日本についての話をする。


 夕食はカレーライスだ。

 ルーは市販ではあるが、すじ肉は下茹でしてから圧力鍋で柔らかくして、出来上がりには崩れるくらいになっている。

 仕上げにカレー用の肉を塩コショウで炒めて絡める。

 食べる直前に入れると、肉の香りがカレーに負けない。

 明日の朝にはカレーに取り込まれているが。

 カレーだけだと寂しいので、キャベツと人参の千切りサラダを付けておく。

『少し辛いけど、大丈夫みたいだな。』

『もっと辛くても平気。肉もあるし美味しい。』

 食べて出た笑顔は、肉だけが原因だとは思いたくないので、それ以上感想は聞かないでおこう。

今日のご飯

○朝食

・白米

・目玉焼き

・ベーコン、アスパラ炒め

・ソーセージ

・わかめと豆腐の味噌汁

○昼食

・ソース焼きそば

○夕食

・ビーフカレー

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