↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
56/94

おっさん、現状の予定をまとめる。

本日更新1回目

 次の日。

 妻の作った最高に美味しい朝食を、家族三人一緒に食べると。

 おっさんは早速、仕事に行く準備を始めた。


「アンクル、もう行くの?」

「ああ。

 ソニア、リリスを頼むな」

「おとさん、いってらっしゃ~い!

 がんばって~!」


 おっさんは娘を抱っこした。

 彼の太い腕に抱えられ、リリスは楽しそうだ。


「リリス~!

 お父さん、頑張ってくるからなぁ~!」


 娘に応援されたことで、彼の心はやる気に満ち溢れていた。


「リリスの為に、山中の木を薪にしてくるからなぁ~!」

「あなた、それはやりすぎよ。

 ほどほどにね」


 大切な娘が応援してくれるなら、自分は山中の木を一晩で切り倒せるかもしれない!

 気合いの入り過ぎたおっさんを、ソニアが軽く窘(たしな)めた。


「それと、これ」


 ソニアが弁当を手渡す。

 今日もおっさんの為に用意してくれたようだ。

 娘を抱えていない方の手を伸ばして、彼はその弁当を受け取った。


「ありがとう、ソニア」

「いいえ。

 妻として当然ことをしたまでよ。

 それと――」

「うん?

 どうした――」


 完全に不意打ちだった。

 気付けばソニアの顔が近付いて、


「っ!?」


 おっさんは頬にキスをされていた。


「それじゃあ、行ってらっしゃい」

「……ああ、行ってきます」


 一瞬、呆然としてしまうおっさんだったが。

 直ぐに気を取り直して。


「おとさん、いってらっしゃ~い」


 手を振る妻と娘。

 二人の笑顔に見送られながら家を出た。




        ※




 庭に刺さった聖剣を引っこ抜き。

 おっさんは町に向かう。

 魔法(ムーブ)で移動してもよかったが。

 まだ時間もあるので周囲を軽く散策してみようと思ったのだ。


『勇者様、私は朝から胸焼けしてしまいました』


 羽をパタパタ羽ばたかせながら、げんなりするカティ。


『悪かったな……』


 おっさんだって予想外だった。

 まさか、ソニアがあんな行動を取るなんて。


『今後、食べ過ぎは控えないとですね……』


 って、そっちか。

 カティは昨日、原っぱでソニアの料理を食べて以降。

 どうやら食事をすることにハマってしまったようだ。

 朝食中、物欲しそうな顔で涎を垂らしていたので、料理を少し分けてやると。

 ちっこい身体でバクバク食べていた。

 食欲に目覚めた、腹ペコ妖精カティの誕生であった。


『それと勇者様、少し真面目な話を。

 今のうちに、今後の予定について整理した方がいいと思うのですが、どうでしょう?』『そうだな……』


 やれねばならないことは多いが、優先順位を順序立てる必要はあるだろう。

 まずは優先順位を抜きに、おっさんの現状の予定を頭に思い浮かべる。


・仕事

・人攫いの捕獲。

・ソニアが生き返った原因の発見。


 大きく分けるとこの三つだ。


『カティ、先に断っておくが。

 まずは仕事が第一だ。

 生活費の為にもな!』

『……そこはもっと勇者らしく、カッコいい発言を期待したかったです!』


 勇者らしい発言がどういうものなのか、おっさんにはわからないが。

 彼はフレイル家の大黒柱なので、仕事を一生懸命にこなさなければならないのは当然だった。

 カティは残念がっているようだが、家長としては当然の発言だろう。


「次はソニアのこと。

 その次は子供を狙う人攫いについて。

 仕事は優先するが、この二つも並行して調べていくつもりだ」

『わかりました。

 妥当な判断かと思います。

 私も可能な限り、情報収集に励みますね』

『頼む』

『はい!

 といっても情報を集められそうなのは、人攫いの方くらいだと思いますが……』


 ソニアの件は、情報を持っている者がほぼ皆無だからな。

 だからこそ手掛かりになるような物でも落ちていれば。


「昨日、ソニアが言っていたけどさ。

 家の直ぐ近くで目覚めたって言ってただろ?

 でも、やはりこの辺りには何もないか?』

『はい……。

 少なくとも魔力を発しているような物は何もありません』


 聖剣の力に呼応するような、何かが存在するなら手っ取り早いんだがな。

 都合よく、何か見つからないだろうか?

 そんなことを思うおっさんに、


『あ……――そうか。

 今、いくつか納得がいきました。

 ソニアさんが生き返った原因は、聖剣の力が何かに呼応したという推測は間違いないと思います!』

『どうしてだ?』

『ソニアさんの魔力が、普通の人間にしては高いと話したのを覚えていますよね?』


 ああ、ステータスを見た時の話だったか?


『何らかの魔法道具(マジックアイテム)が、聖剣の力に呼応することでソニアさんが生き返ったのなら、あの魔力の高さは当然かと思います。

 そうなるとソニアさんが生き返ったのは、魔力による何かが関係しているのかも』


 魔法的な知識が皆無のおっさんには、わからない話だったが。

 もしカティの言う通り、魔法道具があるのなら。

 やはりこの辺りをしっかりと探索すべきだろう。


『本格的な探索は、次の休日にでもするか』

『はい。

 魔力を感じる取ることが出来ない以上。

 地道に探すしかなさそうなのが辛いところですが……』


 こんな感じで会話を進めながら。

 町に到着するまで、おっさんとカティは今後の行動予定について話し合うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作公開しました。
『フライパン無双~とある呪いを解く為に、冒険者になりました~』
もしよろしければ、ご一読ください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。