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第十八話:転生先で貴族令嬢として日常を遊び倒す・後篇


:::第三話・日常を楽しむ!!!の巻。



――ある日・ラト公爵家・キョウコ私室



「…………」


 リズエルは、さっきからずっと止まっていて、俯き気味になっている。


 リズエルは3人の中では一番真面目でコツコツタイプだ。


 侍女達も仕事のスタンスはまるで違う。要領のいいトオシアすぐに終わらせて休憩を取る主義、マイペースなラニは自由なペースで時間ギリギリに終わらせたり、余裕を持って終わらせたりしている。


 リズエルが、長時間止まったまま、とまあそんな分析をするまでもなく落ち込んでいる。


「リズエル」


 私の声に我に返ったのだろう、手をワチャワチャさせる。


「す、すみません! お嬢様! まだ、今日の日誌は、全然……」


「いいのよ、そんなのは適当で、落ち込んでいるみたいだから、どうしたのかなって思って声をかけたの」


 私の言葉にギュッと口をつぐんでいたが、決心したのが口を開いてくれた。


「……彼氏と喧嘩、したんです」


「…………」


「まあ、それは、今までに何度もありましたし、その分だけ仲直りして、仲良くなって、私は、そう思っていたんです、だけど、昨日、きっかけは、思い出せないぐらいの些細な事だったんですけど、その時に、彼氏が……」



――「どうせ浮気しているんだろう!? 俺以外の男に良い顔をしてるからな!!」



「あらら~」


「喧嘩はしても、愛を疑われたことはないと、信じてくれていると、そう、思っていたのに……」


「そうね、その言葉は傷つくよね、だけど……」


「?」


「んーーー」


「お嬢様?」


「あ、もちろん私は貴方の味方よ、だから一つお願いがあるの」


「お願い?」


「彼氏さんに会わせてもらっていい?」


「……え?」


「彼氏さんに会いたいなって思うの」


「ど、どうして、ですか?」


「どうしてそんなひどいことを言ったのか、その理由が分かるから」


「え!?」


「ふふん、まあこう見えて色々分かるのよ、彼氏さんには借りがあるからね、その前に一つだけ確認!」


「は、はい!」


「彼氏と仲直り、したい?」


 私の言葉にリズエルは少し考えて。



「仲直り、したいです」



 弱々しくもしっかりと答えてくれた。



――



 リズエルの彼氏、名前はフォント。


 以前に合コンを開いた時に一度だけあったことがある。


 思えばあの時、イケメン集めて合コン開けなんて無理難題をリズエルの為にもなると笑顔で開いてくれる時点で相当にいい人だ。


 実際に合コンの時、2人でいるところを見たけど、とてもいいカップルなのが分かったし、雇い主として親友として仲間として安心したものだ。


 ちなみにリズエルの彼氏は、日本で例えると地方裁判所の判事だ。弟の同僚だというのだから結構すごいルートで出会って付き合っている。


 元は庶民だったが、トオシアと一緒のヴァフォルア大学の法学部を出た優秀な人材。


 彼は今、地方裁判所で仕事をしているということで、ちょっと強引に訪れたが。



「………………」



 執務室で死にそうな顔をして落ち込んでいた。



「こんにちは」


「…………」


「こんにちは」


「…………」


「もしもーし!」


「はっ!! キョ、キョウコお嬢様!! しし、失礼しました!! その、あの、この度は、その……」


 ここで黙って再び俯いてしまい黙ってしまう。


「聞いたよ、喧嘩したって」


「はい、俺、俺……リズエルに、ひどいことを……」


「そうね、女ってね、自分への気持ちを疑われるのは、とても悲しいし傷つくことよ」


「…………」


「だけど、私は貴方の気持ちも分かるのよね」


「……え?」


「モテるのよね、リズエル」


「う……」


 そう、ほどほどの容姿に愛嬌があって人柄がよくて料理まで出来るとあれば男が放っておくが訳がない。


 これは男女共通していて、女側だって、そりゃイケメンは強いけど、何気にフツメン最強だったりする。


 しかもリズエルは貴族令嬢であるから……。


「言い寄ってくる男の人も、レベル高いものね」


 そう、やり手の実業家なんかにも交際を申し込まれているのが彼女だ。


 その言葉を受けて、しばらく黙っていたが、ぽつりぽつりと語り始める。


「だって、女の人って、美男子とか、金持ちとか、好きじゃないですか、別にそれはいいんですよ、男だって美女とか、好きだし」


「だけど俺は、顔もそんなに良くないし、女心とか、女の人が喜ぶこと、分からないし、家だって庶民だし、給料は、とても上流には及ばないし……」


 そしてリズエルに言い寄ってくる相手は、顔がよく、女の扱いも長けていて、家も裕福、給料は庶民の数十倍を稼いでいる男だっている。


 自分と比較して、全て勝っている相手。


 だから、こう、考えてしまう。


 ある日、リズエルは笑顔でこんなことを言うのだ。



――「ごめんなさい、フォント、私と別れてほしいの、何故なら、この人と付き合うことになったから」



 と新しい彼氏を紹介される。


 そして、その紹介された、ハイスペックな新しい彼氏を見て、きっと自分はこう思う。



――「そうだよな、俺なんかより、いやそこらの男と比較しても格上だもの、顔がよくて女心が分かって、金持ちで、好きにならない方がおかしいもの、女なら当たり前だ」



「…………」


 ここで黙ってしまうフォント。


「ありがとう、話してくれて」


「…………」


 俯いて、私の顔が見れないフォント、多分情けないと思っているからなのだろう。


「フォント、今の貴方の言葉を、私は情けないとは思わないわ」


「…………」


「フォント、私はリズエルの雇い主という間柄だけど、親友であり仲間であると考えている、そしてその立場で今ここにいる、だから聞かせて」


「リズエルのこと、愛してる? 仲直りしたい?」



「愛していますよ! 絶対に失いたくないんですよ! 彼女の支えがどれだけ大きいか!!」



 といきなり大声を出したので思わずびっくりしてしまう。


「すす、すみません! でも……もう、遅いですよね」


「そうなの?」


「はい、あんなひどいこと言って、リズエルは、俺のことは、もう忘れてて、今頃……」



「フォント、今の言葉、女を、いや、違うわね、リズエルを舐めんじゃないわよって言いたいわ」



「え?」


「あのね、そりゃ顔も金も女の扱いとかも大事よ、だけど、それで女が全部男を判断するとか短絡的で、それこそ女を馬鹿にしているわ、そうじゃないの、男は確かにそこら辺全然わからないよね」


「…………」


「でも安心したわ、貴方がリズエルに対して誠実で、仲間として、親友としてね、ねえ……」




「リズエル?」




「え!?」


 びっくりしてみると、そこにはリズエルが立っていた。


「ど、どうして!?」


「ごめんなさい、試すようなことを言って、リズエル、こういう形だったけど……」



 と私が言い終わる間もなくフォントは、ギュッと何も言わずリズエルを抱きしめた。



「愛してる! リズエル!!」


 言葉はそれだけで、ずっと抱きしめていて……。


「……フォント」


 それに応えるように嬉しそうにそっと手を添えるリズエル。



(なんだ、出来るじゃない、女が喜ぶこと)



 これ以上は無粋だろう、「失礼するわ」とだけ言い残して私はその場を後にした。



――後日



(⋈◍>◡<◍)。✧♡ ←リズエル


 ~♡ ←ハートが飛んでいる


 コン ←ハートが頭にあたった音


 ~♡ ←ハートが飛んでいる


 コン ←ハートが頭にあたった音


 ~♡ ←ハートが飛んでいる


 コン ←ハートが頭にあたった音


「あ、あの、リ、リズエルさんや」


「あ! お嬢様! 今日の仕事は全部終わりましたよ! 確認をお願いします!」


「ど、どうも、えっと、彼氏さんと仲直りしたようでよかったわね」



「はい、お嬢様!(パアア)」←毎秒100個以上の音速のハートを流星の如く繰り出す



「ぐあああ!!」←それにやられる雑兵A



「それではお嬢様! トオシアさんもラニもさんも、お先に失礼します!」


 とハートを飛ばしつつ、自室を後にしたのだった。



「「「…………」」」←取り残された3人


「……ラニ」


「なんでしょう?」


「イケメン紹介して」


「ははは(無表情)」


「ごめん、あの、トオシア」


「イケメンなら何人かいますけど」


「いや、やっぱりいいや」


「「「…………」」」


 な、なんだろう、いや、嬉しいのは本当なんだけど……。




「私を倒しても、第二第三の私が現れて……」




「お嬢様、それは負けた後の台詞です」←ラニ




:::第四話・日常を(以下略)




――深夜・ユト公爵家・キョウコ自室



「さて、皆さん、深夜に集まってもらったのは他でもありません」


 と私は3人に向かって話しかける。


 今宵はイベントを主催するために、こうやってお泊り会を開いたのだ。


 そのイベントとは。



「そんなわけで開催!! 第一回コスプレ大会!!! ドンドンパフパフ~♪」



「「「パチパチ、パフパフ~♪」」」


 コスプレ。


 ゲームやアニメのキャラになりきる為にゲーム内の衣装を着ること。


 ちなみに以前、ヲタクグッズの中でアニメのコスプレグッズについての取り寄せについてなのだが、いまだ実現していない。


 ロルカムとは交渉を続けているが、ロルカムの上司であるリストさんが、もう少し様子を見させてほしいとの回答。


 まあいい、悪い感触ではないし、懸念は理解しているつもりだ。


 てなわけで、まずは。



「それぞれに着たい服を遠慮なく言ってそれを楽しむのよ!!」



 そう、私たちは一応女子の仲間に入ると思いたい今日この頃!!


 んでその前に「着たい服をそれぞれにぶっちゃけてリクエストする!! そのリクエストした服を全員分注文して、全員出来て写真撮影会を行うのじゃ!」という企画を開き、そのリクエスト通りの服を注文し、先日届き、今日のイベントの開催する運びとなったのだ。



「さて! それでは早速始めましょう! まずは第一弾! 言い出しっぺの私から!」


「「「パチパチ~!!」」」



 私のリクエスト、それは。



「古今東西色々な萌えがある、その中の一つとして制服男子に萌える女子は多い、んで」



「私も着てみたかったの!! 軍の儀礼服! めっちゃカッコイイって思っていたの!!」



 儀礼服、ラニの社交で着用する礼装と呼ばれる軍服の一つ。


 皆さんも、日本を含めた世界各国の軍やら警察やらの礼服をカッコいいと思ったことは一度はあるだろう。


 そんなルカンティナ公国の儀礼服は、黒色に赤色のモール、中の白シャツに銀色のネクタイ、金淵のベルトに肩の金色の階級章に黒色の制帽に、黒色のズボン。


 当然支給品であるが、ラニからによると個人的に自腹を切る形で注文することも可能とのこと、なんとサイズも指定できる、もちろん転売は犯罪ではあるが、こうやって個人で楽しむ分には問題はないのだ。


 そんなわけで。


「フォーー!! いいわいいわ(`・ω・´)ゞ!!」


 鏡の前でくるくると回る私、うん、パリッとした儀礼服はマジでカッコいい、男装っぽく見えるのもまたよし。


 そしてそれぞれに着たいものを全員で着る、つまり……。


「へっへっへ、リズエルさん、トオシアさん、雰囲気出していこーか! 大丈夫! 先っちょだけだから!! 先っちょだけだから!!(パシャパシャ)」


 と魔石で写真を撮りまくる私、恥ずかしがっているリズエル、威風堂々としたトオシア、(*´Д`)ハァハァ。


「着ていると手入れが面倒で煩わしいのですけどね、むしろ着ない時の方が落ち着くようになってくるんですよ」


 とはラニの言葉であるが、写真を撮りまくられるのは恥ずかしい様子。


 ひとしきり満足した後のこと。


「さて、続いて第二弾、次はラニの要望!! ドンドンパフパフ~♪」


「さあ! ラニの要望については! なんと!!」



「貴族のドレス!! もーう! ドレスが着たいなんて! 可愛いなぁ! とりゃとりゃ!!」



 と抱きしめて頭を撫でてしまう、恥ずかしがっているラニが可愛い。


 さてここでいう「貴族のドレス」とは単純に豪華だけを指さない。


 以前に説明したが貴族のドレスはワザと1人で着れるように作られていない。


 それは着せてくれる人物がいるという身分の証明でもあるからだ。


 そしてこれもまた私とリズエルは自分のドレスを持っているから、それを持ってきてもらって、トオシアとラニの分を注文したのだ。


 サイズを指定して作り、当然素材は最高級、コスプレなんて言っているが本物の貴族服だ。


 無論、露出は激し目にして欲しいと頼んだのは言うまでもない。


 ラニは胸は薄いが体幹がしっかりしており、狩猟民族として幼いころから鍛えられた筋肉は細く身につき、脚線美が素晴らしいのだ、故にスリットの入ったドレスを注文しておいた。


 次にトオシアは、我がメンバーの中で一番の巨乳、谷間を強調するものを頼んでおいた、意外だったのが足が太いのがコンプレックスとのことなので、スカートはちゃんと全部隠れるような楚々としたものをデザインを頼んだ。


 ちなみにドレスの露出で「男を殺す」のはここの世界でも一緒なのだ。


 という訳で……。


「へっへっへ、ラニさん! トオシアさん! 可愛いね~! ちょっとオジさんと遊ぼうか! ふひひ、大丈夫! 何もしないから! 絶対何もしないから!!(パシャパシャ)」


 と魔石で写真を撮りまくる私、ラニのスリットから見える脚線美、谷間が強調されたトオシア、(*´Д`)ハァハァ。


 さて続いてトオシアの注文、トオシアも同じ女子と言えど、意外と読めないから何が出てくるかと思ったが、なんというか、言われてみればトオシアらしいと納得した。


「貴族服が着たいなんて!」


 ここでいう貴族服とはドレスではない。


 貴族令嬢にとってドレスは社交の制服と例えるのならば、貴族の公務の制服と言い換えてよい、つまりラニでいう儀礼服が存在するのだ。


 儀礼服を着用する機会は、ままある。最近で言うのならば、私の命名式で着たのが記憶に新しい。


 貴族の儀礼服はデザインが全て統一されており、逆に生地のみ最高級というだけで豪華な装飾は一切ない、男は漆黒、女は純白、唯一の違うのは肩に家の紋章が刻まれているのみ。


 とは流石にこれは無暗に発注できないため、私の予備の服を発注という形で取らせてもらった。


 リズエルは持っているからそれを持ってきてもらって、これもまたラニとトオシアの分を注文したものの、ラニは腰が大きすぎて、トオシアは胸が小さすぎるそう、ちっ!


 だけど、これがまた……。


「ふひひ!! トオシア! 胸がパッツンパッツンやで! これは誘っている! ふひひ、いいよいいよ! そこの可愛いお嬢さんのラニさんや! 一緒にダンスを踊ろうか! 大丈夫! 私が優しくリードしてあげるから! 腰に手を回すけどセクハラじゃないから!(パシャパシャ)」


 と魔石で写真を撮りまくる私、ラニの細いが故に押し倒したくなるような儚げさ、トオシアの胸がこぼれそうで受け止めなければいけないような禁忌な感じ、(*´Д`)ハァハァ。


 そんなひとしきり満足したところで、いよいよトリだ。


「さて、何故リズエルをトリにしたかというと、当然に理由があります、さあさあリズエルさんや!」


「ひゃい!」


 とモジモジしながら立ち上がる。


「恥ずかしがらないで! ここには外見女の中身おっさんしかいないよ!! 貴方の欲望を解き放て!!」


 と煽りに煽りまくった挙句、リズエルは顔を真っ赤にしながら解き放つ。



「皆さんの学院制服が着たいです!!」



「しゃああ!! これについては私も全面同意!! 私もその恰好したい!!」


 そう、つまり高校生時代の制服を着るっっ! 成人女性がっっ! 女子高生の格好をするっった! 圧倒的! 圧倒的暴挙っっっ!! 理外の発想っっ!!


「でも、お嬢様とリズエルも貴族学院を出ているのでは?」


「「ああーーー」」


 と思わずハモってしまう私とリズエル。


「あのさ、貴族学院ってさ、私服なのよ。んで、そうであるが故に、特に序列が上がれば上がるほど、面倒で面倒で」


 上流の世界、そこは完全な「見栄」の世界だ。


 その中で女学院生は学費よりも遥かに衣服代がかかるのだ、しかも4大公爵家の令嬢ともなれば、同じ服なんて怖くて着れない、うん、女って本当に怖い。


「実はね、どうしても都合つかなくて一度だけ2カ月前の服だから大丈夫だろうと思って着て登校したのが運の尽き、あの目敏い性格ブスがしっかりと覚えていて、噂を流されたわ」


 その横でリズエルも苦渋の表情だ。


「私は、貴族の序列は最下位だったので、服装の苦労はお嬢様程ではありませんが、だからこそ上位の人たちに色々言われました、本当に……」


「「ああ~」」


 と納得する2人。


「だから普通の学院生の制服って憧れていて! しかも可愛いのが多いじゃないですか! いいなぁ! しかも男女共学とかもありますし! それも憧れていたんですよ!!」


(*-ω-)ウンウン♪ ←私


「そう! そんなリズエルの気持ちは分かる! 凄い分かる! そんなわけで、揃えました!!」


「でも、私は本当に庶民の学院だったんですよ? 制服も結構ダサい制服で、皆ブーブー言ってましたし」


「そこがいいんです!!」


「そ、そうですか」


「トオシアさんの学院は、公国で一番のお嬢様学校なんですよね!!」


 と興奮気味のリズエルに神妙に頷く私。


「面接のときに履歴書見たけど、びっくりしたわ、そういえばどうしてそこに入ろうと思ったの?」


「はい、お嬢様学校って凄い男受け良いんですよ、周りに男がいないから安心する殿方が多くて、清楚とか馬鹿に出来ないと学んだものです」


「うん、まあね、確かにね」


 とまあ、そこまではおいといて……。


 さあいよいよ行ってみようか!



変身メモタルフォーゼ!! 清楚なお嬢様に変身!! とう!!」



 とリズエルと2人並んで制服を着る。


「ほほう、これがお嬢様学校の制服か、やるじゃないか、悪くない、この貴族令嬢を満足させるとは、卿もやるのう」


「お嬢様」


「っとと、清楚清楚と、まあまあ、あらあら(清楚) ねえリズエル?」


「うふふ、おほほ(清楚) もう、お嬢様ったら(コロコロ)」


「って感じでどうでしょうかトオシア先生!!」


( ´∀`)bグッ! ←トオシア


「それでは続いて変身!! 普通の女子学院生になーれ!! とう!!」


 と今度はラニの制服を着る私たち。


「はっは! これが普通女子の制服か! いいぞ! いいぞ! もっと! もっとだ!」


「お嬢様」



「っとと、普通不通と、っていうかぁ~、ちょべりば~っていうか~、リズっち~」


「ここのぉ~、アイスがぉ~、おいしいですよぉ~」



「って感じでどうでしょうかラニ先生!!」



( ´∀`)bグッ! ←ラニ



「ふひひ!! それにしても!! みんないいね!! さあ後はオジサンに制服を売って!! 大丈夫!! 変なことに使わないから!! 大丈夫だから!! オジさん紳士だから!!(パシャパシャ)」



 とひたすら楽しみまくり、「ちょっとだけよぉ~」「貴方も好きねぇ~」と言いながら夜が更けていくのであった。




――同時刻




 4大貴族によって統治されているルカンティナ公国の上流社会。


 その貴族の私生活を支えているのは大勢の使用人達、この使用人達なくしては生活は成り立たない。


 そして使用人にもまた「世界」と「序列」は存在し、男性使用人と女性使用人の世界、その中での上級使用人と女性使用人の世界に別れている。


 男性使用人のトップ、当主直属である家令。


 女性使用人のトップ、妻直属である家政婦。


 この2人はトップであり秘書としての役割も持つから、国家運営にも深く関わる。


 だがお互いに相互不干渉の不可侵の関係であり、夫婦と言えど使用人が情報交換をすることは忠義に反するとされる。



 ルカンティナ公国、4大貴族ユト公爵家当主タダクス公爵の妻レラーセ。



 彼女の執務室、執務机の前に家政婦が立っていた。



 使用人と言えど、彼女もまたそこらの庶民ではない、れっきとした上流の人間だ。


「奥様、例の件について」


 その言葉と共に銀の盆に乗せられたまま差し出された封書。


 レラーセは封書を手に取り、ペーパーナイフで切ると中身を読む。


「……理解しました、確認しますが、この事はもちろん」


「はい、指示のとおり知っているのは私だけです」


「よろしい、今返事をしたためます、この場で待機を、この返事にも分かっていますね?」


「はい、誰も介さず私が直に」


「よろしい」


 そこでペンを取り、その文面を考える傍ら窓に視線を移す。



 そこは漆黒の闇が広がっていた。



:続く:


 ストラドス三兄弟のノリは↓な感じです。


 https://www.nicovideo.jp/watch/sm35351152


 男性向けのありがちな、美少女×〇〇なんですが、それを筋肉と組み合わせた傑作だと思います。


 再生回数はまさかのダブルミリオン。


 リンク張っといてアレですが、繰り返しますが男性向けですよ~。

 

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