あるある112 「遠慮と言う言葉を忘れていがち」
「それじゃあ前祝いに酒場で一杯やりに行こう」
「何を言っているんだ。俺達はこれから作戦会議をするんだ」
「何を固いことを言っているのよ。せっかく私達が仲間になったんだから歓迎をしてよ」
エレンとアンナはゴウを挟み込むように詰め寄りながら、その豊満な胸を押しつける。
その柔らかな感触にあっちの世界へ逝きそうになるゴウだったが気を取り直してエレン達を押し返した。
「色気を使ってもダメだぞ。俺はカイトとは違うからな」
「その割には随分と鼻の下を伸ばしているじゃないか」
「そ、そんな訳あるか」
すっかりだらしなく伸びきった鼻の下を慌てて元に戻す、ゴウ。
傍らから冷たい視線を送って来るルミウス三世とマークニットがやたらと胸に刺さる。
ソウル・ベルのリーダーとして仲間達の前で無様な真似は見せられない。
ゴウはわかりやすく大きな咳払いをするとエレン達に指示を出した。
「まずはそこの喫茶店で作戦会議をするぞ。真面目な会議だから酒はなしだ。いいな」
「何をシケたことを言っているんだ。作戦会議なら酒が必要だろう」
「そうよ。あなた大金を手に入れたくせにせこせことしてるんじゃないわよ」
エレンとアンナはわかりやすく不機嫌な顔をしながらゴウに不満を漏らす。
どこのどの世界に作戦会議と酒がセットなのかゴウ達には理解できない。
作戦の立て方次第で身に降りかかる危険も変わって来るので作戦会議は真面目に行うのが筋だ。
酒を飲んで気分がよくなって謝った判断をすれば命取りになりかねないのだ。
「ソウル・ベルのリーダーは俺なんだ。だから俺の指示に従ってもらう」
「こいつカイトみたいなことを言ってやがるよ。リーダーってロクな奴がいないな」
「エレン達はそんな風にカイトのことを思っていたのか?」
「あたり前じゃない。誰もカイトがリーダーだなんて認めていないのだから」
カイトがいないからなのかエレンとアンナはだらだらと不満を零す。
カイトがやたらとリーダーだと言っていた意味が今になってわかった。
誰かが指揮をとらないとエレン達はまとまらないからなのだろう。
今もゴウの指示には従わずに好き放題言っている。
カイトもとんだお荷物を背負ったものだな。
先が思いやられそうだ。
「だけど指揮をとるのは俺だからな」
「リーダーって傲慢なのね」
アンナは唇を尖らせながら不満を吐き出すようにボソリと呟く。
そしてエレンに何やら意味ありげな視線を送りながら右手でジェスチャーをする。
その合図を受けてエレンはゴウに色香を振り撒きながら迫って来た。
「私はお前みたいに強引な奴は嫌いじゃないぞ。お前も楽しみたいんだろう?好きにしていいんだぞ」
エレンは人差し指でゴウの頬をなぞりながら耳元で艶やかに囁いて誘い込む。
押しつけられた豊満な胸はふかふかのベッドのように潰れてゴウの肌感覚を刺激する。
たまらずに生唾をゴクリと飲み込むゴウの喉音が辺りに響きわたった。
「そ、そんなことをしても無駄だ。俺はカイトとは違うんだからな」
「何だよ。これじゃ足りないのか?お前も好きものだな」
そう言ってエレンはゴウを裏路地に連れて行き壁に押しつける。
惜しげもなくビキニアーマーのブラを外して艶やかな生乳を露わにさせてからゴウの顔を胸に押しつけた。
「ぐふっ。な、生乳!」
「どうだ。気持ちいいだろう。私の言うことを聞いたらこの先を味合わせてやってもいいんだぞ」
「こ、この先……」
エレンの色っぽい誘いを受けて冷静なゴウもよからぬ思いを巡らせる。
おっぱいサービスの次と言えばやることはひとつしかない。
ゴウはニタリと嫌らしい笑みを浮かべながらエレンの体をなぞるように見つめた。
どこの街の酒場のお姉さん達からもこんなサービスはされたことはない。
せいぜいよくて太ももを触れば御の字と言った低レベルなエロスなのだ。
だけどエレンはひと味もふた味も違っている。
自分の体に絶対的な自信があるのかゴウを逝かせる自信があるのかわからないが、この際だし続きは見てみたいのが本音だ。
「よし。要求を聞こうじゃないか」
「リーダー。そんなことを言っていいんですか?僕達は僕達の強さを身に着けるんじゃなかったんですか」
「リーダーの威厳はどうしたんですか?しっかりしてください」
ルミウス三世もマークニットもゴウに不満を漏らすが目はエレンの生乳に釘づけだった。
エレンの生乳は張りのある小麦色をしていて感じているのか先っちょがピンとおっ立っている。
ピンク色とはいいがたい先っちょだったが小麦色の肌と相まって零れるようなエロスを醸し出していた。
「お前達も続きが見たいんだろう?我慢するもんじゃない」
「ぼ、僕達はそんなこと……」
「俺は見てみたい」
ルミウス三世もマークニットも顔のパーツが落ちるくらい顔を緩ませて真っ赤に染めている。
マークニットに至っては鼻血と涎を垂らしながらエレンの体を舐め回すように見ていた。
「それじゃあ旅館へ行って続きをするか」
「うんうん」
ゴウ、ルミウス三世、マークニットはすっかりエレンの虜になって言われるがままになっていた。
女が使える武器を最大限活かせばどんな男でもイチコロに落とせる。
おばさん達は経験の中から自然と身に着け自分のモノにして行ったのだ。
まあ、全てのおばさんが最終手段を使うとは限らないのだが。
「それじゃあこれは私が預かるわね」
アンナはゴウの腰元に着けてあった金貨の入った袋をはぎ取ると自分の懐に仕舞った。
この勝負はエレンとアンナチームの完全勝利だ。
今のゴウ達に対抗出来る手段も意志もないだろう。
頭の中はスケベなことでいっぱいで冷静な判断力を失っている。
男の性だから仕方ないがゴウ達はカイトよりもチョロい。
エレンとアンナはブレーメンの音楽隊のようにゴウ達を引き連れてゴートスの街で一番の高級旅館みなづきへと足を運んだ。
酒場で作戦会議もいいが、酒場の酒よりも高級旅館の酒の方が一段も二段もランクが上だからそうしたのだ。
もちろんその目的は贅沢をすることだ。
ゴウの取り分である金貨50枚があるのだからいくら使っても問題ない。
ゴートスの街で一番の高級旅館みなづきは港が見渡せる高台に建てられてある。
広大な敷地にゆったりと平屋建ての建物が並んでいる。
それぞれの建物は独立していて広い庭とプライベートプールがセットになっている。
温泉施設はそれほど充実していないが星空を見渡せる巨大な露天風呂が魅力の宿だ。
もちろんエレン達は贅沢を極めるため一番高い部屋をとった。
一番高い部屋は風通しの良い高台の中央にあり、目の前に巨大な露天風呂が広がっている。
他の建物よりも一段高くなっていて夜になると高級旅館みなづきの夜景が見渡せるようになっていることがポイントだ。
部屋の広さは200平米あり、寝室、リビング、キッチン、浴室、トイレ、カウンターバーが揃っている。
庭にはオープンデッキが併設されていて自由に外の空間を楽しめるようになっていた。
「さすが一流旅館だけのことはあるわね。設備もアメニティーも充実しているわ」
「それならさぞかし酒は極上なのだろう」
エレンは満足そうな顔を浮かべながら舌なめずりをして仲居を呼ぶ。
すると、しばらくしてから着物のような服を着た20代ぐらいの仲居がやって来た。
髪は肩口で切りそろえられて黒色の艶やかな髪が印象的な女性だ。
茶色の瞳は濁りがなく澄んでいて浮世を知らないかのような純朴さを感じさせる。
「どのような御用でしょうか?」
「この旅館で一番高くてうまい酒を頼む」
「それならばゴルニッシュ酒になりますね。いかほど?」
「あるったけだ」
エレンのその言葉に一瞬目を丸くして驚く仲居だったがすぐに正気を取り戻し注文を復唱した。
「ゴルニッシュ酒をあるだけですね。すぐにお持ちします。他に何かありますか?」
「そうね。お酒のつまみが欲しいわ」
「それならちょうどクラーケンの鰭が入ったとこです。今日、入荷したばかりなので新鮮ですよ」
「それをもらうわ」
仲居は注文をメモするとそそくさと部屋を後にして旅館の厨房へ向かった。
「お酒が来る前に汗でも流しておこうかしら。エレンはどうするつもり?」
「私もひとっ風呂浴びるか」
「それなら俺達が背中を流すよ」
「背中でも足でもどこでも洗います」
「好きなだけ指図してください」
アンナは髪留めを外して茶色の長い髪をなびかせながらソファーに座っていたエレンに尋ねる。
同意して風呂に入る準備をはじめようとするエレンにゴウ達がスケベそうな顔を浮かべながら催促して来る。
「お前達は留守番だ。私達の裸を見ようなんて十年早い」
「遠慮はしなくていいんだぞ。俺達は気にしないから」
「「そうそう」」
食い入るようにそして舐め回すようにエレン達の体を見つめるゴウ達は本気のようだ。
鼻息を荒くさせながら飛びかかるような勢いでおねだりをして来る。
これではまるで腹を空かせた野良犬のよう。
「あなた達が気にしなくても私達が気にするのよ。大人しく待っていなさい」
「「はーい」」
ゴウ達はつまらなそうに返事をすると大きなため息を吐いてソファーに腰を下ろした。
続きを期待していただけにゴウ達のショックは大きいようだ。
まあ、前向きに考えれば体をきれいにしてからって気持ちがエレン達にあるのだろう。
エレン達も年は食っているとはいえ女なのだ。
体に気をつかうのもわかる。
ゴウ達は前向きに考えて気持ちを切り替えたのだった。
エレンとアンナが風呂に行ってから10分。
ゴウ達はこの後のことについて話し合っていた。
「リーダー。なんだかんだ言ってエレンさん達にいいようにされていません?」
「そ、そんなことはないぞ。これも作戦のうちだ」
「そうは見えませんけど」
ルミウス三世とマークニットの冷たい視線が強がっているゴウの胸に突き刺さる。
半目で見つめる視線の中にゴウの弱さを蔑むような気持が込められているようだ。
ゴウはいたたまれない気持ちに襲われたが二人の視線を振り払って告げる。
「エレン達は一癖も二癖もある。だから、手懐けるには作戦が必要だ」
「どんな作戦ですか?」
「まずは相手のペースに従って好きなようにさせる。そうすればエレン達は気をよくする。気が緩んだろことで指揮を取り戻して俺達の言うことをきかせるんだ」
「そんな作戦でうまく行くんですか?」
確証は全くない。
おばさんを相手にするのははじめてだから思いつくことをするしかない。
カイトがどうやってエレン達を躾けているのか不思議だが今はやることをやるだけだ。
そこへ風呂上がりのエレンとアンナが長い髪をタオルで拭きながら満足そうに戻って来た。
「ひとっ風呂浴びると違うな。汗がとれてすっきりしたよ」
「そうね。この地域は気温が高いから特に注意が必要ね。汗臭い女だなんて思われたくないし」
エレンとアンナはソファーに腰を掛けるとゴルニッシュ酒を一煽りする。
ビールよりも濃い琥珀色をしたゴルニッシュ酒は濃厚でかつフルーティーな味わいが特徴の高級酒だ。
トロミがなくさらさらとした酒でビールのような発泡もない。
どちらかと言うとビールよりもウイスキーよりの酒だ。
アルコール濃度は42度もあり一杯飲んだだけでほろ酔い気分になる。
しかし酒を飲み慣れているエレンとアンナからしたらいささか心もとない。
「美味しいお酒だけど物足りないわね」
「そうだな。アルコール度数が低いと言うかすっきりし過ぎているような。これなら酒場で飲む酒の方がよかったかもな」
それは普段、安い酒を飲んでいるからだろう。
体が安い酒に慣れてしまってその味がしっくり来るようになっているのだ。
食べ物を食べ続けたらそれが一番うまく感じるのと同じように味覚がそうなってしまったのだ。
不満を零しながらも酒を止める手を止めないエレン達を羨むように見つめながらゴウ達も酒に手を伸ばす。
と、すぐさまエレンのお叱りが入った。
「この酒は私達のだ。お前達の分はない」
「それは俺達の金で買ったものだろう。少しぐらいいいじゃないか?」
「ダメだ。お前達に高級酒なんて100年早いんだよ。水でも飲んでおけ」
ゴウの当然の言葉を押し返してエレンは酒瓶を取り上げる。
そしてゴルニッシュ酒をラッパ飲みするとゴウ達に暴言を吐いた。
もう、すでにこの領域にゴウ達の居場所はなくなっている。
この部屋はエレンとアンナの酒場となり果てていて独壇場になっていた。
「リーダー。このままじゃマズいですよ。お金がなくなってしまいます」
「あれ一杯だけでも銀貨1枚はするだろうからな」
「今は我慢だ。エレン達の好きにさせよう」
ゴウは不満を漏らすルミウス三世とマークニットの言葉を抑えて作戦の続行を告げる。
まだ金貨は50枚もあるのだからエレン達の好きにさせても大丈夫だ。
いくらエレン達が飲兵衛と言っても金貨50枚分も飲むことが出来ないだろう。
それよりも今は作戦の継続してエレン達に言うことをきかせることが重要なのだ。
「このクラーケンの鰭、ちょっと硬いわね。本当に産地直送なの?」
「おおかた高級旅館にかっこつけて安ものを仕入れたのだろう」
「それはあり得るわね。クラーケンなんてそんじょそこらじゃ港に上がらないしね」
「後で文句を言ってやろう」
エレンとアンナはすっかり悪酔いをしてしまい高級旅館みなづきの文句を言いはじめる。
愚痴を酒の肴にするのはおばさんの特権のようだ。
沸き上がる感情をぶちまけてありもしないことを言って盛り上がっている。
それが事実でも事実でもなくても関係なくて自分がすっきり出来ればそれでいいのだ。
「おい、お前。肩を揉め」
「俺?」
「お前しかいないだろう。早くしろ!」
エレンは床に腰を下ろしていたゴウを捕まえてマッサージさせようと注文をつける。
一瞬、ムッとしたゴウだったがこれも作戦を成功させるための糧と思い我慢をしてエレンの肩を揉む。
「おい、力の入れ過ぎだ。もっと優しく揉め」
「こうか?」
「そうだ。いいぞ。やればできるじゃないか」
すっかりゴウはエレンの傀儡となり果てていてソウル・ベルのリーダーの威厳がまるでない。
そんな姿に一番ショックを受けていたのはルミウス三世とマークニットだった。
ゴウは今までソウル・ベルのリーダーとして指揮をとってチームをまとめて来た。
ピンチに立たされた時も困難に襲われた時もゴウの的確な判断力があったから逃れられたのだ。
それが今は見るあてもないくらい惨めな姿になり果てている。
「私もマッサージしてもらいたいわ。ちょっとあなた。私の足を揉みなさい」
「ぼ、僕ですか?」
「あなたとそっちのよ。二人で私の足を揉みなさい。これは命令よ」
アンナの強引な命令に逆らえずにルミウス三世とマークニットはアンナの脹脛を揉みはじめる。
肌は柔らかくて気持ちよさそうだったが召使にさせらているようで気分が悪そうにしていた。
大事な仲間達にこんなことをさせてしまっている自分に腹が立ったがこれも作戦のためと思って割り切る、ゴウ。
エレン達が飲み進める中マッサージをして気持ちよくさせて酔いつぶれるまで待った。
しかし、高級酒を5本空けてもエレン達は酔いつぶれなかった。
そればかりか酒を飲むスピードが高まって水を飲むかのようにゴルニッシュ酒を煽る。
すると今度はベッドに移動して全身マッサージの催促をして来た。
「おい、お前。肩はもういい。体を揉んでくれ」
「お、おう」
エレンはベッドにうつ伏せになりゴウはその上からエレンの体のマッサージをはじめる。
バスローブ一枚だけ羽織っていることを考えたら興奮せずにはいられない。
布一枚を通してエレンの張りのある柔らかな肌の感触が伝わって来るのだ。
これはある意味、裸よりもエロいシチュエーションだ。
ゴウはひとり興奮しながらエレンの体を揉み下すようにマッサージして行った。
「お前。筋があるじゃないか。気持ちいいぞ」
「そ、そうか?」
エレンに褒められて嬉しいよりも興奮し過ぎて体温が非常に高くなっていた。
ただマッサージをしているだけなのに汗が滲み出て来て滴り落ちる。
ゴウはタオルで汗を拭いながら背中から滑らせるように手を下へ動かして行く。
その先にあるのはぽっかりとお山になったエレンの大きな桃尻。
エレンは筋肉質だから桃尻はきゅっと締まっていて良い形をしていた。
「お前も好きものだな」
「お、俺は言われた通りマッサージをしているだけだ。べ、別にやましいことを考えていた訳じゃない」
エレンの桃尻を揉み出すと気持ちよくなったのかエレンは艶っぽい声でゴウに語りかける。
その言葉を受けてゴウは慌てて手を離すと気持ちよくなっていたことを否定した。
ここでエレンの指摘通り認めてしまえば、それをネタにつけこまれてしまう。
おばさんと言うのは人の弱みを握ってマウントをとりたがる生き物なのだ。
すると、その様子を見ていたアンナもベッドに横になってマッサージの催促をして来た。
「私にもエレンと同じのをしてちょうだい。ただし嫌らしいことをしたら許さないからね」
アンナの忠告にブルッと来たルミウス三世はマークニットにマッサージ権を譲り渡して来る。
「ぼ、僕はいいですからマークニットがやってください」
「お、俺?ルミウス三世がやれよ」
「僕は力がありませんし手が小さいですから」
「俺だってそんなに力がある訳じゃないよ」
ベッドの前でルミウス三世とマークニットが押し問答をしているとアンナが指図して来た。
「二人でやってちょうだい」
「「はい」」
ルミウス三世とマークニットはベッドの上でうつ伏せになっているアンナの脇にちょこんと並ぶ。
そして腕まくりをするとそっとアンナの背中に手を伸ばした。
エレンよりも張りのないアンナの肌は餅のように柔らかく白い肌がスベスベだ。
布を通して掌に伝わって来る感触は艶めかしく直に触っているような感覚に襲われた。
「や、柔らかい」
「こ、これが女性の肌なのか」
「あたり前でしょう。エレンといっしょにしないでよね」
アンナはルミウス三世とマークニットのマッサージに満足しながら静かに目を閉じる。
ルミウス三世の小さな手とマークニットの普通の手は背中から腰へ下がるように揉みほぐして行く。
その手がお尻に差し掛かるとすぐさまアンナが注意をした。
「ちょっと。どさくさに紛れてお尻に触らないでよ。泣かすわよ」
「ぼ、僕は触っていません」
「俺だって触ってないよ」
ルミウス三世とマークニットは責任を擦り付け合って犯人でないことを主張する。
その様子を横から見ていたエレンが口を挟んで来た。
「尻ぐらい触らせてやってもいいじゃないか。減るもんじゃあるまいし」
「私はエレンと違って羞恥心を持っているからね。お尻を触られたら恥ずかしいものよ」
「お前の口から恥ずかしいだなんて信じられないな。普段は金のことしか考えてないくせに」
「それはあなただって同じじゃない。いっつも飲んだくれて」
すっかり酒が回って気をよくしているのか二人は妙に饒舌になっている。
お互いに文句を言い合いながらもどことなしか楽しげだ。
これが素面であったら目もあてられないくらい罵りあっていたことだろう。
犬猿の仲ではないがエレンとアンナは磁石のように反発しあうのだから。
「酒は私の血液なんだ。だから毎日補給して血液をきれいにしているんだ」
「何が血液よ。タダ飲みたいだけじゃない」
「そんなお前だって毎夜小銭を数えてばかりいるじゃないか。そんなに金が大切か?」
「あたり前じゃない。お金がなければ何も出来ないのよ。あなたのお酒だって買えなくなるわ」
エレンの返しに全うな言葉を述べてエレンを捲くし立てる、アンナ。
勝ち誇ったような笑みを浮かべながらエレン反応を待っていた。
すると、エレンは体を起こして大きな胸を突き出して告げる。
「私にはこれがあるからな。金がなくても大丈夫だ」
「そんな胸のどこに需要があるのよ」
「男共は触りたくて仕方がないぞ。そうだよな?」
「お、俺に聞くんじゃない。答えられる訳ないだろう」
急に話を振られてゴウは取り乱しながら顔を真っ赤にさせて昇天する。
それはエレン突き出した片乳がバスローブからはみ出ていたからだ。
ぴょこんと先っちょを覗かせてゴウにこんにちわをしていた。
「お前も純情な奴だな。さっきだってさんざん見ていただろう」
「こんな所に需要があるなんてね。驚きだわ」
「リーダー。何か羨ましいですね」
「そうだな。あんな至近距離で風呂上がりの生乳なんて羨まし過ぎる」
ルミウス三世もマークニットもすっかりエレンのエロスにやられて興奮していた。
風呂上がりの生乳はほんのりピンク色をしていていつもより艶っぽく見える。
血行がよくなり全身に行きわたっているからか肌艶も鮮やかで滑らかさが伝わって来る。
触れたらもにょんと沈みこんでしまいそうな柔らかな胸は女子が持つ最強兵器とでも言えるだろう。
それは年を食っているおばさんど言えど同じなのだ。
と言うよりも年齢を重ねて柔らかくなった胸はある意味エロい。
ゴウもルミウス三世もマークニットもいたたまれない気持ちを抱きながら夜を迎えた。
エレン達が酔いつぶれたのは深夜を回ってからのことだった。
夕方から飲みはじめて約9時間。
空けた酒瓶は10本に至っていた。
一本あたり金貨1枚だから、酒代だけで金貨10枚も使ってしまったことになる。
ゴウは虚ろ気な顔で床に転がっている酒瓶を眺めながら大きなため息を吐いた。
「こいつらどれだけ飲むんだ。もう、金貨10枚も使ってしまったじゃないか」
「リーダー。もう止めましょう。エレンさん達と一緒にいたら破産してしまいます」
「俺もルミウス三世の意見に賛成です。エレン達は俺達の手に負える相手じゃありませんよ」
「いや、まだだ。まだこれだけのウハウハじゃ足りない。なくなった金貨10枚分のウハウハを経験しないと気分が治まらない」
不安げな様子で辞退を申し出るルミウス三世とマークニットの言葉を押し切ってゴウは作戦の続行を指示する。
それはすべてスケベ根性から来ているモノだ。
ゴウと言えど男。
エロスの魔の手からは逃れられない。
まだおっぱいサービスとマッサージしか経験していないから余計にその先が知りたくなっていたのだ。
寝込みのエレン達を襲うのもアリだがそれは男としてのプライドが邪魔をする。
無防備な女性に乱暴を働くのはロクでもない人間がする非道だ。
それに何の反応も見せない女性に迫ってもちっとも面白くない。
やっぱりおばさんと言えど恥ずかしそうにする仕草が逆に興奮させるのだ。
「作戦は続行するぞ。いいな」
「リーダーがそう言うなら従います」
「エロスにありつけたらいいですね」
ゴウ達はエレンとアンナが寝息を立てるのを待ってから自分達はソファーに陣取って夜を明かした。




