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ダンジョン創世記0053

ダンジョンを侮り、そして神龍様の御神託を軽く見た4人の若いエルフの男達。

コヤツらは里の有力者達の末息子達で甘やかされ育ったせいか素行が悪いことで知られている者達だった。

親達の権力を嵩に着て色々と小ズルイ悪事を重ねて来た小悪党っと言ったところか。


まぁチンピラと言うか不良少年って言ったところだろうか?

っと言ってもカツアゲや暴行、婦女暴行などを行い、影で泣いて泣き寝入りしている者も居るため笑えないがな。


この度の件も遊び程度に考えていたきらいがあるが、流石に親達も庇うことなどはできなかった。

いや、母親などには助命を願い出す者も居たようだが、父親の方が止めていたと言うのが本当のところだろうか。


里の者達の中には若者の軽い過ちなどと考えている者さえいるようだ。

これは「たかが相手はダンジョンからの使者だろ」っと言う考えが根底にあるからに相違あるまい。

ダンジョンだからと侮られていることが根底にあるらしいな。


それ故に俺はフィレーユ達に命じて村長へ提案させる。

「村長、その処分についてですが、私達の護衛隊長たるティアと4人とでの決闘では如何?

 双方共に武器、防具、術の全てを用いての実戦レベルで行いたいと思いますの。


 私達の野営地へと忍び込もうとした位ですから実力は伴っているのでしょ?

 私達の力を侮ってなければ考えもしないことですもの。


 なお決闘については神聖な物と扱われ、勝者については罪は不問とされるとのことですわ」


『うむ、我、神龍の名に於いて確約するぞえ』


フィレーユの言葉に神龍様が神託を下す。

これにより、ダンジョンが指名せし者に息子達が勝てば息子達は助命されることが確約された訳だ。

ダンジョンの者達が何を考えているのかは分らないが、所詮はダンジョンの者達に過ぎない。

息子達に里に伝わる秘伝の武具や巨人国より得た魔導具などを持たせれば必勝能わず!

なれば受けぬ謂れはない。


そう考えた里長はフィレーユの提案を即座に飲むのだった。

いや、完全に此方を侮ってんなぁ、ふぅ。


決闘は使節団が使用している空き地とは別の空き地にて行われることとなった。

時刻は本日の午後とし、完全武装で望むことも許可してある。

助っ人はなしで、ドラゴンが1頭ほど立会いに現れることとなった。


4対1の戦いであるため一見不公平に見える決闘だろう。

里側から見たらダンジョンの者に対して行う決闘なとので、里側が断然有利と考えているようだな。


だがなぁ、気付いてないと言うのは恐ろしい…

ティアはドラゴニアンなんだぞ、ドラゴンの人型とも言えるドラゴン亜種と考えても過言ではあるまい。

武装していなくともエルフ相手に戦うなど弱い者虐めしているようなものだ。


決闘に臨むこととなったティアだが、流石に自慢の軍服を汚すことを嫌って戦闘服へと着替えている。

とは言え作業着レベルの兵装とも呼べない代物にだがな。

破れても構わない使い捨てレベルの衣服を纏い、銃装備は行わない模様。

何時もの赤鞘に収まる大小の刀を腰に佩き、それにて決闘へと赴くと決めたみたいだ。


一方の里側だが、エルフ達は家宝の武具を下手人達に持たせ送り出そうとして揉めているみたいだな。

長男とか次男などの息子達が罪人たる彼らへ自分達が受け継ぐ筈の家宝を貸すことを渋っているんだよ。

元々此方が悪いのにも関わらず非を認めず決闘に赴き、尚且つ家宝の品々まで持ち出して臨むなどと恥を知れ!っとね。


まぁ血統で家宝が失われでもしたらトンでもない、などとも考えているようだが…

彼らからしたら好き勝手を行い家名へと泥を塗り続けている愚連隊如き輩を庇う必要性さえ不要に思えてならないみたいだな。

家族としての情も枯れ果てているみたいだ…本当にヤツらは里で、どんな悪さを行って来ているんだ?


里には秘かにダンジョンサイドを応援している者達の姿さえ見受けられる。

無論、スパイ・ダーでの情報であり、面に出ることは有り得ないがな。

それは罪人達が里の有力者達の息子であれば仕方あるまい。

恐らくはヤツらにより被害を(こうむ)ったことがある被害者達なのだろうな。


時刻となり、完全武装した4人のチンピラエルフが決闘場へと現れた。

決闘場には既にティアが腕を組んで佇んでいるが、軽装と言うより普段着ていどの衣服を纏い、二振りの剣らしき物を腰に差している以外は何も持ってないように見える。


現れたチンピラ達がティアの姿を見て憤る。

「そんな身形で俺達と戦うつもりかぁっ!」

「舐めんじゃねーぞぉ!」

「そーだ、そーだぁっ!」


などと告げる3人へ残る1人が下卑た顔で…

「ちょうど良いじゃねーかよ、ハクイスケだし…薄い衣服だぜ」っと、にたり。


それを聞いた3人が気付いたように、舐めずるようにティアの肢体を視姦して行く。

本当に下種いヤツらだよなぁ、コイツらさぁ、ふぅ。


まぁ自分達の実力と武装を考え、相手が弱いと定評があるダンジョンの者なのだから侮って当然なのだろうか?

いやいや、ドラゴニアンたるティアを相手取る時点で死地に行くのと同意語なのだがなぁ。


そんな中でドラゴンが気にもせずに告げる。

『双方揃ったな、我が神龍様の命にて立会いを行う。

 結果に対しては我が判ずるため異議は認めぬ。

 では、初めよ!』


そうドラゴンは告げるが、彼はティアの正体と実力に気付いているみたいだな。

分りきった茶番に借り出され、呆れ困っているみたいだ。

済みませんねぇ。


始まりの合図が成されたにも関わらず4人は仲間内で駄弁っていたのだが…


行き成りティアが4人の後方へと現れ、チンっと刀を鞘へと納める音がな。

その音に気付いた4人がティアに気付き…


「んっ?オメぇ何時の間に?」

「良いじゃねーかぁ、行く手間が省けたってぇもんよ」

などと笑いながら動こうと…


すると、ドシャドシャドシャドシャッっと音が連続ですると…4人の利き手が地へと落ちる。

一瞬、何が起こったのか理解できない4人。

そして右足が脛から外れて倒れ始めて混乱して…行き成りの激痛が彼らを襲う!


「ひぎゃあああっ」「てぇ痛ぇよぉ~」「ぎぃやぁぁぁっ!」「あががががぁっ…」

悲鳴が上がると同時に泡を吹いて気絶。


『勝負あり、っと言うか勝負にもならぬか矢張り…

 そこの4人は、何をしたかったのだ?

 我でさえ死闘を演じても勝てぬやもしれぬ相手と4人程度で立ち会うなど自殺願望者か?』っと呆れ果てているな。


里の者達は茫然自失状態だが、放って置いたら4人は死ぬな。

なので使節団の者達に手当てをさせる。

俺達の技術ならば斬り飛ばされた腕や足も繋げることは可能だが、それは行わない。

命を救うだけでも破格なのだから当然だろう。


さて、これで少しは懲りてくれれば良いのだが…どうなるやらなぁ。

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