ダンジョン創世記0043
そんな風に最近は神龍様に掻き回されるように日々を過しているんだけどな、今も姿は見えないんだけど…何か騒動を起こされていなければ良いんだけど、ふぅ。
現在のダンジョンを襲って来る相手は此処の隔離世界には存在しないことが判明したから防衛施設は不要だと思われるんだが、世の中には絶対っていうことは無いと思っているんだよなぁ~
だからさ、一応は構築した防衛施設は維持することにしているんだ。
っと言っても純然たる防衛施設は2層のアンデッド層と3層のトラップとスライム層の2つだけなんだ。
他の層は自然を模した層で生き物が闊歩する層だから自然に任せれば良い感じになっているからね。
特に恐竜エリアは恐竜が闊歩するエリアで、肉食恐竜クリチャーが普通に草食恐竜クリチャーを襲ってたりするエリアさ。
あそこを抜けるには肉食恐竜に怯えつつ探索を行い次の層への入口を探さないとならないからキツイだろうね。
ドラゴンクリチャーが支配する層とか巨人クリチャー達の町や村が存在する層、亜人クリチャー達が暮す層など様々な層が存在するよ。
まぁ、此方の層は文明的になって来ており、下層の街との交流も盛んだ。
中には自分が住まう層から出勤しているサラリーマンも存在したりしている。
ダンジョンクリチャーのドラゴンは人化し、巨人はミニマムの魔導具にて身を縮めての出勤しているんだ。
完全にファンタジーな世界とは掛け離れた暮らしをしている彼らは本当にファンタジーの住人なのだろうか?
いや、現代日本の常識を持ち込んでしまった俺が悪いのかもしれないけどさ、雅かこうなるとは思わないじゃないか…
そんな一風変わったダンジョンとなった俺のダンジョンを甚く気に入って下さった神龍様は、様々な層へと赴き楽しんでおられますよ、ええ。
ドラゴン層などへ赴かれた時なんかには豪い騒ぎとなったもんだよ、ふぅ。
んっ?エルフ2人の方に動きがあったみたいだな。
お婆の家への納品を終えてから里を出て移動していたんだけど、どうやら近隣のドワーフ村落へと向かっていたみたいだ。
2人が話していた内容から判ずるに、そこには知り合いのドワーフ親方が住み暮している模様。
どうやら彼らは、そこを目指して移動しているみたいだな。
「しかしダンジョンが俺達と交易するってか?どうなってんだ?」
「騙されてんじゃないのか?」
「いやでもな、神龍様からの御神託付きってぇんだから間違いねぇだろ」
「本当の神龍様だったのか?」
「どう言う意味だ、そりゃ?本物じゃ無ぇ神龍様って有りえるのかよ?」
「ダンジョンの自作自演って事も有りえるだろ?
だって声だけで御降臨なされていた訳じゃ無いそうじゃないか」
「いや、ドラゴンが後から念押しに来ていたらしいからよぉ、間違いねーんじゃね?」
そんなことを話しつつ移動していたのを録画にて確認したのだが…コイツら意外と頭が良いのかもな。
各里々の長は神龍様の御声を疑いもせずに聞いていたからなぁ。
ま、直接聞けば、あの威厳ある御声を疑うことなど有り得ないか…神威溢れる言霊は抗うことさえ許さないからねぇ。
間違っても疑う考えは浮かばないだろうさ。
でも直接神龍様の御声を賜らなかった者には、神龍様の神威を感じる経験を得られなかった訳で仕方ないよな。
なにせ神龍様の御声を賜った者達の中には神龍様を崇め始めた者達も存在するくらいだからね。
「そんなことよりもだ、その交流品を一部の者達だけが独占したりするんじゃねーかってなぁ」
「ああそうだな、特にザッツのヤツは遣りそうだぜ」
「そうなるとお婆の下には届けられねぇだろう」
「そうなるだろうな、今でも俺達がお婆へ卸さなけりゃお婆の生活も苦しい状態だしなぁ」
「ま、だから俺達が睨まれてんだが…そんなの知るかよ。
俺達ぁ俺達で自由に遣らせて貰うさ」
おや、コイツらって実は意外と良いヤツだったりするのかね?
2人が途中で話していた馬鹿話などは割愛されてダイジェストのみを閲覧しているため、ヤケに善人感が滲み出している。
これは映像マジックっと言うヤツなのだろーか?
そんな2人がドワーフ村落へと辿り着き、知り合いのドワーフ鍛冶師の下へと辿り着いているな。
「おう、親方!今日も精が出るねぇ」
「なんじゃ、また、おまえらか。
して今日は何の用じゃ?ダンジョン騒ぎで、こちとら鉱石が尽きそうで困っておったところじゃて。
もし鉱石を卸してくれるのじゃったら歓迎するぞい」
「おう、そりゃ丁度良かったかもな、コイツを仕入れて来たんだが…どうだ?」
2人がダンジョンにて得た鉱石らしき物を親方へと渡すと…
「オメ達…これ、何処で取って来た?」っと震える手で鉱石らしき代物を受け取っている。
「ん?いやな、噂のダンジョンらしき場所へ辿り着いたんで、その洞窟に落ちていた鉱石みてぇなヤツを適当に拾って来たんだよ。
雅か留守中にダンジョンとの交流てぇのが始まるなんて思わねぇじゃねーか。
だから、コイツを持って来たのはノーカンだよノーカン」
「そうそ、ノットカウントってことで対象外ってな」
そうニコヤカに告げているが…異世界なのに英語?
『意訳にて、マスターが分かり易いように言葉を変えております』っとCBCよりフォローってね。
ま、そうだよね。
「ダ、ダンジョンからだか?オメ達、噂のダンジョンさ行ったのか?」
「う~ん、その噂のダンジョンかは分らないんだがダンジョンらしき場所には行ったぞ」
「そうそ、トンでもねぇ場所だったけどなぁ~二度と行きたくねーわ、ありゃ」
「確かになぁ、命が幾ら有っても足り無ぇって、ありゃ。
最深部らしき場所にゃダンジョンコアなんて無くてドラゴンの番が暮してんだぜぇ、生きた心地もしなかったよ、全く」
「だな、見付かったら死ねるぜ、確実によ」
お気楽に告げているが、当時を思い出したのか軽く振るえて顔が蒼ざめ冷や汗が額に滲んでいるな。
確かにドラゴンは恐ろしいもんなぁ~
俺は最近、神龍様と当たり前のように過しているけど、内心では機嫌を損ねたらって戦々恐々だかんねぇ、分る分るてばよぉ~
「むぅ…そんな所じゃったのか、そのダンジョンは…」
「ドラゴン以外にも恐ろしい生き物満載さね。
気楽に行って来れる場所じゃねぇな、ありゃよぅ」
「そうだぜぇ、なにせ【恐竜の密林】てぇヤツに在るダンジョンだかんよぉ、辿り着くだけでも命懸けってな。
彼処へ気楽に行けるなんて化け物だけだよ、全く」
「じゃが…お主らは行って来たのじゃろ?」
底光りするような眼差しで2人を見て告げる親方。
その迫力に、たじろぐ2人。
「な、なんだよ親方…どうしたってぇんだ?」
「オメ達が持ち込んだ鉱石てぇか金属だがよぉ、えれぇ純度が高ぇ代物よっ!
しかも稀少金属どころか幻、伝説てぇ言われてん金属まで混ざってんじゃねーかっ!
こんなんサンプルで保管されんのを昔にガルザん親方ん所で見た切りだぞっ!
しかもコイツなんざ正体も知れねぇ代物よっ!
こんな金属見せられて滾らねぇ輩なんざ鍛冶屋辞めちまえってぇ言いたくなる程の品だ!
言い値で買って遣る、全部出せやぁぁぁっ!
いや、もっと取って来い、今、直ぐ!
あいや、待て、儂も一緒に行くぞっ!」
興奮して言い募る親方にタジタジの2人。
「まて、ちょっと待てぇぇぇっ!
いや、行かねーてのっ!誰があんな恐ろしい場所へ行くかっ!
もう御免だて」
「そうだぞ親方!だいたいダンジョンとの交易すんだから手に入んだろーがよっ!」
「甘い、甘いぞ、貴様らぁっ!儂ん所のような零細鍛冶屋ん所へ回って来る筈が無かろうがっ!
儂が手に入れるにゃぁ、お主らを頼るしか無ぇーんじゃいっ!
さぁ、とっとと儂を連れて行かんかぁ~いっ!」
「い、いや、俺達は、これを売りたいだけなんだぁぁぁっ!
勘弁してくれぇぇぇっ!」
ぐだぐだだな、結局は買い取っては貰えたが金が足りないってことで残金は後ってことになったようだな。
ただ直ぐではないが、結局は親方をダンジョンへ案内することになったようだ。
項垂れて里へと戻る2人が少々哀れだったな、うん。




