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同接0人のEランク探索者ダンジョン配信、なぜか神様や魔王様が見ている件 〜コメント欄が古代龍や魔王とかなんだが〜  作者: 仁科異邦


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8/95

囮にされた少女。最弱の無職と落ちこぼれヒーラーの出会い

 アリサとの密会から一夜明けた翌日。

 レンはいつも通り、渋谷第三ダンジョンで配信を開始した。


【古代龍バハムート】が入室しました

【魔王ゼルディア】が入室しました

【精霊王シルフィード】が入室しました

【死神ネクロス】が入室しました

【賢神ソフィア】が入室しました

【雷神トール】が入室しました

【kirishima_arisa】が入室しました

【ダンジョンオタク_ケイ】が入室しました

【探索者見習い_ハル】が入室しました


「おはようございます。今日は地下三階の南エリアを探索します」

【精霊王シルフィード】:おはよう!!

【kirishima_arisa】:おはようございます。昨日ぶりですね。

【賢神ソフィア】:南か。魔物の質が変わる。注意しろ。


 順調に地下二階を抜け、地下三階への階段を降りようとした時のことだった。

 タタタタタッ!

 下から、血相を変えた三人の探索者が駆け上がってきた。装備を見るにCランク前後のパーティだ。


「おいお前、下には行くな!」

 すれ違いざまに、一人の男が叫んだ。

「南エリアにアイアンウルフの群れが出た! うちのパーティは壊滅寸前だ……『荷物持ち(ポーター)』を囮にして、俺たちだけで逃げてきたんだよ!」

 三人の背中は、逃げるように階段の上へと消えていった。

 レンは足を止めた。

(囮にして、逃げた?)

【古代龍バハムート】:……聞いたか

【戦神アレス】:行くか

【精霊王シルフィード】:レンくん、危ないよ!

 静まり返る通路の奥から、微かに声が聞こえた。


 泣き声と悲鳴だ。

「……ちょっと、確認してきます」

 レンは迷わず階段を駆け下りた。



 地下三階の奥。行き止まりの通路。

 大きなリュックを背負った少女が、へたり込んでいた。

「……っ、こないで、こないで……」

 彼女の前に、Dランク上位の魔物『アイアンウルフ』が二体、涎を垂らしながらじりじりと距離を詰めている。


 レンは一瞬で状況を把握した。

「おい!」

 レンは声を張り上げ、アイアンウルフの注意を引いた。

 二体の殺意が、一斉にレンへと向く。

【古代龍バハムート】:二体同時だ。一体を先に引きつけろ!

 一体が飛びかかってきた。


 レンは紙一重でその凶爪を躱し、すれ違いざまに右手に収束させた『雷』を至近距離から叩き込む。

 ドガァンッ! と轟音が鳴り、一体が吹き飛んでよろめく。

 だが、息をつく暇もなく二体目が背後から迫っていた。

(速い……!)


 レンは前転して刃をかわし、立ち上がると同時に剣を構えた。

 無防備に突っ込んできた二体目の脇腹へ、下からすくい上げるように剣を突き立てる。

 ずぶりと肉を裂く感触。二体目が光の粒子となって消滅する。


 すぐさま反転し、立ち上がろうとしていた一体目に向き直る。

 今度は手加減しない。限界まで練り上げた雷を叩き込み、完全に沈めた。

 静寂。討伐時間、わずか十数秒。


「……はぁ、終わった」

【精霊王シルフィード】:よかったよかったよかった!!!

【ダンジョンオタク_ケイ】:二体同時をあんな速さで処理するの、絶対にEクラスの動きじゃないですよ!

【kirishima_arisa】:……あの三人、置いていったんですね。(最低だ)


【新規さん】:アリサさんの括弧書きに怒りが見える


 レンは剣を収め、へたり込んでいる少女に近づいた。

 彼女は真っ赤な目で、信じられないものを見るようにレンを見上げていた。 


「……助けて、くれたんですか?」

「はい。怪我はないですか?」

「ない、です。でも……」

 少女の唇が震えた。

「置いていかれました……みんなに」

 ぽろぽろと涙をこぼす少女に、レンは自分のアイテムボックスからポーションを取り出して手渡した。


「今は安全です。一緒に地上に戻りましょう。僕が隣にいます」

 その言葉に、少女はしゃくりあげながら何度も頷いた。


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― 新着の感想 ―
アリサさん常連になりかけてるけど自分の稼業はいいのかな? Sランクなら生活には困ってなさそうだし問題ないのか
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