↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/68

◎不夜城 早朝 誰がために鐘は鳴るのか⑤

お読み頂きありがとうございます

前回からサブタイトルめっちゃ長いです。

国王陛下、全裸待機中だからでしょうか…

お楽しみ頂ければ幸いです。

…公序良俗の為にパンツ履かせた方が良いでしょうか…?

  ◎設定(運命)と、必要なのは痛みと悲しみと悲劇の香り付け(フレーバーテキスト)

  一行にも満たない文字列(テキスト)で葬られる人々(モブ)と、第六天魔●怒る②。

 



 にこやかに前国王陛下に語りかける東域辺境伯ミネルバ家当主。

 後ろの護衛騎士、東域辺境伯領 騎士団団長と長男の護衛騎士だった護衛1は微動だにせず手を後ろに組んで無言、置物のように気配すら消して待機。

 何故か自分の主の発言中なのに冷や汗かいてないか君ら。


 あれは…学園時代に見た覚えがある顔、厄災が通り過ぎるのを待っているギャラリー(見物人)の顔…。

 

 「今朝も王城で惣領、次男、四男が他の王子達と共に焼き鳥にされかけたそうで」

 ミネルバ(ふくろう)の家の仔だけに、と嗤(わら)う辺境伯。

 嗤いが怖い。

 

 シャレになっていない!

 発言した本人以外、全員(辺境伯の後ろの護衛まで! )冷や汗で汗だくです。

 

 ニコラス陛下ですら、汗ダラダラで俯いて辺境伯当主の話を聞くしかなかった。


 東域辺境伯がやって来る前 自室で呼び出しをかけた王位継承権持ちとの会見の準備中、執務室に呼び出され 分厚い事件報告、供述書を読まされ、魔道具による現場画像を見せられた……。


 凄惨な事件現場、火災で丸焼けの部屋に転がる…。


  うぷっ!


 その後の焼き鳥発言って……。

 

 そういう冗談を圧を込めて言うの、やめてください 本当に…胃に悪い。

 

 オペル公爵(僕)は学園時代の辺境伯を見て、聞いて、知っている。

 学年は違ったが同時期に学園に在籍していた。


 彼が(ミネルバ卿)何をやらかして、あの二つ名が付いたか。


 だからか、足が浮きだっている い(・)つ(・)で(・)も(・)逃(・)げ(・)ら(・)れ(・)る(・)ように。

 

 「私の氷魔法 極寒冷境界(コキュートス)が役に立って良かった」


 辺境伯は感慨深げに己の胸に手をやる。

 慈悲深い聖人像のポーズのように。

 そうした姿を見ると学者肌の穏やかな辺境伯と見えるし、実際、今現在の評価もそのように穏やかな…少し舐められ気味の貴族家当主……。

 

 だが、僕や同期の学園生は知っている。

 

 極寒冷境界(コキュートス)


 辺境伯しか使えない特殊魔法 一瞬に1K(キロ)範囲を氷漬けにできる。

 僕たち元学園生は見た、東域辺境伯領を虫しか居ない田舎とバカにしてきた貴族家子息とその寄家の手下共の無責任発言のせいで学園の演習場が凍りつき、巻き込まれの監督教師、生徒たちを共に氷雪地獄に叩きこんで嗤っていた辺境伯の若き姿を…。

 その暴言の発言者達は下半身を氷漬けにされていた。

 ソ(・)レ(・)を思うとギャラリーの僕達は手加減されていたのだろう。

 緻密でありながら高出力。

 思い出す度にヒュっと縮こまる。

 

 因みに国王陛下のご遺体も昨晩、王都に到着してすぐの辺境伯に魔導錬金術師団が無茶ぶりな注文をして氷柱にされた。

 

 魔術印がよくみえるよう全裸で。


 魔導錬金術師団、観察しやすいと大絶賛だが。

 ぱんつ位、履かせてあげてください 身内として(泣)。

 

 ニコライ陛下に至っては床に突っ伏して凹んでいた。

 泣いてはいないが凹むよな、息子が全裸で標本って。

 しかし、甥っ子にはソレをされて余りある罪状がある。


 国家の簒奪。


 僕の無くした左耳が疼く。

 

 氷柱は略奪されないよう、盗み出すにも床から聳え立つソレ(氷)を溶かすか砕かなければならない。

 だが、砕いたりしたら中身も粉々…とんでもない氷の檻だ。

 

 その魔法のせいか学園時代のあだ名が〈第六獄天魔王〉

 死して罪人が落ちる獄の一番下層が第六獄。

 コキュートスの河岸の向こう、極寒の獄。

 

 オペル公爵は学園時代に席巻した恐怖の天魔王の名前を思い出して震えた。


 僕はほとんど関わりなかったけど…。

 

 (魔王が8人の子持ちで子煩悩…)

 聞きようによっては性格丸くなったと思うよな。

 学園時代のとんがった辺境伯しか知らないオペル公爵(僕)は時代の流れに感慨深くなりそうになる。

 

 が!

 

 「息子達を三羽も焼き鳥にしても美味しくはないですよ? ミネルバ(脳筋)だけに」(嗤)

 

 しつこく繰り返される焼き鳥ダジャレが恐怖をあおる。

 さっき消炭画像を見たばかりで吐きそうです。

 面白くないです と辺境伯を見れば…。

 

 辺境伯の(嗤)が邪悪!

 子供が生まれて丸くなったという噂を信じてはいけない。

 学園時代のとんがった〈第六獄天●王〉が再臨している!

 

 兄上! 彼をこれ以上刺激してはいけない。

 彼には最上位の謝罪、土下座です! 土下座。

 

 ハラハラする僕。

 下半身氷漬けはイヤです!


 だいたいこの方(ミネルバ卿)、眼が笑ってません。

 東域辺境伯ミネルバ家当主。

 その学者風の穏やかそうな風貌に騙されて地雷踏んだら氷柱にされますよ! 


 下半身を!

 ガクブル!!

 

 ニコライ陛下の汗がたらりとテーブルの上に落ちた。

 珍しい、王族たるもの心情を顔に出してはいけないと、孫達にも厳つい顔していたのに。


 顔にこそ汗かいてませんが僕も足元に汗の水溜りが出来てます。

 

 (兄上、最上位の謝罪 土下座です! 土下座! )


 オペル公爵(僕)のココロの叫びは兄上である元国王ニコラス フェリックス ノイエクラッセ陛下には聞こえない。


 聞こえたとしても腐っても元国王、矜持は高く果てしない 何があっても謝らない。

 間違ったことはしていないというのが国王の矜持。

 わからんちんのとっちめちであった。

 

 「あ、うちの息子達は王城で働いているんですがお会いになったことありますか?」

 にこやかに、穏やかに話を続けようとする辺境伯。

 

 お会いしました、何回も。

 最近では会議場でゴーレムとバトルしてるのを見ました。

 四男君、素手でア(・)レ(・)ですか。

 次男君、あの年で剣(・)鬼(・)ってなんすか?

 長男君、変(・)な(・)武(・)器(・)持ってましたよね 錬金術の東域辺境伯産ですか?

 

 ミネルバ辺境伯家、子供達も半端なかった。

 

 親の当主様も若い頃(学園時代)から半端なかった。

 昔のヤンチャぶりからすれば、かなり棘が取れてまるくなったように見える辺境伯、優しげな顔なのに眼から威圧がだくだく。

 僕には見える、学園時代の第六獄●魔王の影がずごごごと立ち上がるのが…。

 

 「第一王子と一緒に行動する護衛騎士と騎士隊総括局副局長ですから何度も会ってますよね」

 

 威圧ましまし特盛。

 

 次男君と問題の四男君ですね。

 

 地下会議場での黒宰相(ゴ●ラ)VSニコライ閣下(キング●ドラ)も大概だったが、それ以上の敵が此処に…!

 

 平らかな顔の巨大な古代の武神ハニワが海を割り、穏やかな平たい顔を一瞬で憤怒の形相に変える。

 

 天魔●降臨。


 祈りを捧げて怒りを鎮める乙女はいない…。

 いや、辺境伯の奥様を連れてくれば…いやいや、奥様は当主以上の兵(つわもの)との噂がある。


 …打つ手なし!


 平常心で話を聞きながら心は絶望に苛まれている。

 両手で顔を覆いながら天を仰いでいる。

 

 「第一王子の護衛騎士やってるんですよ四男坊」

 

 あ、(地雷)と僕は勢い後ろに椅子ごとがたりと下がる。

 

 五年前、第一王子の後ろ盾になったのは東域辺境伯家ただ一家。

 色々…本当、いろいろあった諸事情を知っている…筈。


 王位継承権に関して各自の事をちょっと調べた。

 調べただけでも年一回はアイン殿下に対して大規模暗殺事件が起き、その度に有耶無耶に流されていた。


 普通、有耶無耶にするか?

 

 「三年前も図書館で第一王子が襲撃されて護衛騎士のウチの四男坊死にかけたんですよ」


 顔の前で両手を組む辺境伯。

 後ろの護衛騎士の気配が更に薄ーくなる。

 というか、巻き込まれたくない無の顔。


 ナニかが起きる前兆を予知した顔だなあれは。


 護衛すらも逃げ出したいと思わせる解りやすい警鐘。

 

 「その事件で死にかけたのを生き返らせたら色変わっちゃって今回の王位継承権の条件〈金、銀、赤〉の女神の色持ちになってしまったんですよ」

 

 〈女神の色〉この国を建国したのは四人の人間、〈西の魔法使い〉〈東の錬金術師〉〈南の商人〉〈北の戦士〉女神はこの建国神話の英雄たちに〈金 銀 赤〉の印をつけ、この〈女神の色持ち〉が国を治めれば栄えるよう祝福を与えると人間に丸投げしていったらしい。

 

 建国神話にちゃんと書いてある 市井では大分都合よく改ざんされて伝わっている、高位貴族以外の貴族も同様、正確な話が伝わっていない。

 

 辺境伯が侮られる原因はココだろう。

 

 とんでもない話だが、その困った英雄四人はくじ引きで当たりを引いた一人を国王とした。


 …雑だな。


 それがノイエクラッセ王国の始まり。


 当たりを引いた、運がいいのか悪いのかわからない創始の国王は僕達のご先祖様。

 

 西の魔法使い。

 

 西の魔法使いは王となり東の錬金術師は東域辺境伯として東の辺境を領地とし、南の商人は南域辺境伯家として南の地を、北の戦士は北の辺境を領地として栄えさせた。

 

 ちょっとご先祖様を恨んでいいのかな。

 

 だから辺境伯家に色持ちがいるのは当たり前で、こちらには関係ないのでは…ちらりと、そらしていた眼を前に向けた僕はしまったという顔になる。

 

 ミネルバ家当主と目が合ってしまった!

 

 「なんで毎回ウチの次男坊と四男坊が王家の御家争いに巻き込まれるんでしょうねぇ」

 

 いつもなんですか? てか眼が怖い!

 

 それは騎士だから仕方がないのでは? とは、とても言えない。

 

 何度も言いますが。

 兄上! 土下座です 土下座!

 

 「襲撃者も考えましたよねぇ 会見を理由に王位継承権を持つものを呼び出し、部屋に閉じ込め焼き殺そうなんて…怖いですよね、子供を焼き殺そうなんて…」

 何処の極悪非道な人間が考えたんでしょうねぇ。

 と、圧を強める辺境伯。


 情報が漏れた上で利用された。

 管理体制が出来てない。

 兄上、つい最近まで寝たきりだったんです。

 僕も行方不明だったんです。

 言い訳にもならない。


 「ウチの子らは真面目なんですよ、今回の会見で王位継承権に関することで呼び出されて…護衛騎士としてではなく、王位継承権のあるものとして守られる側だからと武器の携帯していなかったんですよ」


 いや、四男さん武器持たない方が強くない?


 ハンカチを目元に充てて泣きまね? ハンカチの刺繍がミネルバ(ふくろう)の紋章。

 ちょっとまるっとがいびつな…多分娘さんの作でしょうか? 噂通りの子煩悩を演出?

 

 「真面目な子なんですよ、ウチの雛(ヒナ)たちは。

 私達夫婦の自(・)慢(・)の子供(ヒナ)達。

 なのに久しぶりの対面で血塗れでしたよ自(・)慢(・)の四男坊、

 自(・)慢(・)の息子がなんてことでしょう!」


 静かに慟哭する辺境伯。

 辺境伯の独壇場。


 なんかスポットライト当たってませんか?

 ここ劇場? 回りキンキラだし(笑)

 

 でもご自(・)慢(・)のご子息。

 〈暴食の狂戦士(バーサーカー)〉と呼ばれてますよ? 

 噂では魔物、ソレもネームド扱いですよ?


 と、つらつら考えていたら圧が強まった…?


 ガクブル……。


 ほんっと 大変申し訳ありません! 兄上、土下座 土下座!


 私(わたくし)、オペル公爵は土下座の準備は万端 いつでもイケます!

 スライディング土下座もご用意出来ます!

 

 「内臓損傷、出血多量、魔力異常…血塗れで… 私が到着したとき討ち死に寸前の落ち武者の様相でしたよ。

 またエセエリクサー飲ませて復活させましたけど」

 

 落ち武者って何ですか?

 

 でも簡単にエセエリクサー飲んで復活させたって…。

 エセでもバッタモンでもエリクサー並みの回復薬常備の東域辺境伯家、制作者は三男らしい。

 というか、何回も生き返らせているんですか、息子さん。

 ゾンビですか? 扱いが!

 

 魔王、助かって良かった、と にこやかな表情だが全く眼が笑っていない。


 そりゃそうだ。


 血塗れ…報告書ではスキルの能力を使いすぎて内臓損傷に魔力異常で内出血が酷かったと診断書が上がっている。

 現場画像に血塗れで倒れるデイーオイレ ミネルバ氏が映っていた。


 部屋一つ密室に出来るスキルとは…?

 

 「何故王城でこれだけ大きな襲撃事件が何度も起こるのですか? 」

 

 ぐはっ!

 

 冴え冴えとした瞳の色が、この事態を招いた 召集をかけた責任者のニコライ陛下達を見据えている。

 慟哭もウソ泣きもこの一言が言いたいための演出か。


 ウチの子供達になんてことをしてくれたのだ、と。


         魔王、健在。

  

 その火災現場に彼らを呼び出したのはニコライ陛下以下元老院の重鎮たち。

 

 しかし決して呼び出した彼らを害する気はなかったと言っても詭弁でしかないだろう。

 忸怩たる思いで唇を噛む。


 一国の王族が利用された。


 敵は本来予定した日付の一日前に設定した招集をかけ、会議室の隠し部屋に暗殺者をしこんだ。

 事は手違いでは済まされない。

 

 ああ…。

 報告書で読んだが実際被害者家族から聞くとダメージは大きい。


 僕も娘がそんな状態になったら狂戦士(バーサーカー)になる自信がある(笑)

 

 黙して座しているしかない兄上の横で僕は愚考する。


 多分手引きしたのは側妃派、北の国の間諜ども。


 わかっていたが…ここまで食い荒らされているのか…。


 側妃を使い国王を傀儡とし、この城をいいように喰いものにしてきた奴らをなんとかしないと東の辺境伯は収まらない。

 兄上は第一王子のアイン殿下を王太子にしたいのだろうが、彼を抱え込んでいるのが東域辺境伯家。

 

 王城内の不穏分子を一掃してアイン殿下を兄上の望み通りに王太子するのにどれほどの知略を働かせ謀略を尽くさなければならないのだろうか。


 実の所は早く家に帰りたい。

 我が家で奥さんと子供に鬚ジョリジョリしたい。

 ジョリジョリ ジョリジョリ。

 お鬚いたーい! パパ嫌い! と、妄想のなかで拒絶された。

 妄想で絶望。


 帰りたい…だか、この国は僕が生まれ、王族として教育され育った場所。

 爆破事件後、行方不明にされ戸籍を抹消され、他国の国籍を得たが病身から目覚めたばかりの兄上を死地に見捨てるような真似をしたくない。

 

 髭は剃って帰ろうと決意。

 

 だが。

 その為にやらなければならない事項を数えるとため息がでる。

 

 ああ、空青いなあ……。

次回、同時刻 アイン殿下達の待機部屋です

護衛4:坊ちゃん、鼻血大丈夫っすかー?

鼻にギュッぎゅとガーゼを詰められるミネルバ卿

四男:コレもエセエリクサーの後遺症か…?

子供の頃の主治医の先生:エロいことでも考えていたか?

よん:竜骨ラーメン、麺固め煮卵、竜肉チャーシューマシマシを……。

先生:涎も垂れてんぞ。

次回、四男の衝撃の前世発覚?

オレの前世、ウサギだったピョーん!?

アイン殿下:撫でさせてください。

うずっ…。

ウサギをサービスサービスぅ!

二兄:殿下方に着せたら可愛いだろうな。

ナニをだ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。