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第一王子のロイヤルサバイブ 乙女ゲーは情報過多  作者: まるいのあっと


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◎不夜城 夜 国王というアイコン②

 アイン殿下はよくだっこされますが甘えている訳ではないのです。

 身長差で歩幅が合わないのです。

 抱えたほうが早いのです。

 話をするにも身長差で存在さえ認識されません。(泣)

 俺は踏み台(ミネルバ卿談)

 妹にお土産で持って帰りたい(バリエ談)

  私は愛玩動物か。

 殿下のぬいを作って布教しましょう!(小エビ談)

 小エビちゃんアウト!


◎情報過多でオーバーヒート、冷静になるため

   かぼちゃぱんつを履かせよう。

     

 ♬なにがでるかな? ナニがでるかな? ♪

 

 前世でばあちゃんが貰い物の包みを開けるときのお決まりのセリフ。

 

 斜め左前にいつの間にか魔導士部隊の錬金工兵のアイルがいた。

 

 うおっつ? お前が歌ってたのか! ばあちゃんの走馬灯見えたわ。

 ちゃんと錬金工兵の帽子と口元まで隠す様に襟が立った全身を覆うマント着用。

 マントの留め具が喪章になってる。なんかサイバー…というか悪役っぽいな? 魔術師のオッサンは普通に黒のフード付き魔法使いローブなのに。

 神官のにいちゃんは葬式も結婚式も白い長衣。

 「陛下に呪印が出たって聞いて来たよー、魔法師団錬金科からの派遣代表、オレがもぎ取ったから宜しくぅーにゃん」

 にんまり猫の笑い 帽子から出てる猫耳がぴくぴくしてる、こいつは面白そうなコトにはみずから飛び込んで翻弄してくる。

 猫かお前は! …猫だった、ケットシー族チュシャネコ科人猫目…おそろしい()

 

 「冒険者時代のディーが宝箱開けるとき、このフレーズ口ずさむと100%ミミックがでたね」

 やめて、冒険者時代の黒歴史。

 でもミミック経験値、美味しかったんだよ! 油断を誘ってバグっとくるのがヤバいけどほとんど攻撃力がなく、ため込んでいる宝物もレアや買取値段の高いものが多かった。

 だから叩いた、ガンガン叩きのめした。

 剣よりナタとかバルディッシュでガンガン叩くのがストレス発散とやり切った感が充実して良かったんだよ。

 「そいや一時ミミック叩きにハマってた時使ってたバルディッシュどした? オレが魔術付加したやつ」

 「あ? アレか、突き刺すと電撃で箱が分解するやつ?」

 ⚫️ヒゲ危機一髪みたいにミミックが分解、飛散する。

 「歌いながらアレ、この扉にブッさしたらナニがデルかにゃ?」

 

 「……」

 

 「解錠、失敗しました」

 おっと、どした?

 両開きの扉に浮かんだ大小の魔法陣が一つずつガラス棒が折れるような音と共に砕けていく。

 魔術師のおっさん両手上げたまま首落としている。

 宰相閣下は何故か天井見上げる。

 ?

 アイン殿下が振り返って睨んた。

 「気が散る」

 さーせん殿下。

 10歳児童に怒られてしまった(笑)。

 「…いや、(笑)じゃないでしょう」バリエがツッコむ、私が育てましたー ふうドヤ顔。

 「まだ扉も開いてないのに何やり切った顔してるんすか」

 いやいや ははは。

 

 宰相閣下と魔法師は再度開錠チャレンジ。


 「解錠」


 流石今度は沈黙。

 再度、扉に魔法陣が浮かび上がり魔法陣は一つの図形を形造り一瞬淡く光り輝いた。

 ああ、生命の樹という紋様だ。

 重い扉の中央に自然に線が入る、扉が自然に開門する。

 「何が出るかな?ナニが出るかな?」

 回りにいた全員が音が出そうな勢いで俺を見る。

 いや、言うなと言われると言いたくなるでしょ?

 オ ヤ ク ソ ク って奴 テヘペロ。

 あかん、アイン殿下が呆れている。

 「殿下が大人しい分隊長がヤンチャってどうなんです?」バリエも呆れてる。

 やあねぇ。

 扉が開放されると奥にもう一つ両開きの扉とその扉の左右に2メートルほどの儀礼用のハルバードを持つ衛兵がいた。

 踵を鳴らし直立、ハルバードを手前に真っ直ぐ捧げ持つ。

 「第一王子、アイン ドンナー ノイエクラッセ殿下の御出座(おでまし)である 開門」

 口上を述べる宰相の息が白い。

 此処は仮にであるが国王陛下の殯宮(もがりのみや)、遺体の保存のため部屋全体に冷却魔法がかけられてかなり寒い。

 アイン殿下、ぶるっと震える。

 しまったー殿下、一番薄着だ。

 「殿下、寒そうねー お試しの防寒バングルあるにゃん」アイルが殿下と宰相にバングルを渡している。

 「陛下の分だけでもありがたい」

 「ケチくさいコトしないよー、全員分アルよ。」

 神! ちょっとアイルを拝みたい。

 だって寒いわ! 鼻水垂れそう!

 前世感覚で20畳の何もない部屋の奥、女神を囲むレリーフの手前に書見台のような祭壇。

 その手前に国王陛下が簡素な手術台のようなベッドに寝かされ、白い布が首から下にかけられ寝かされていた。

 あ、これ前世で見た署内の死体安置所そっくりだ。

 つい両手を合わせてしまったらバリエとアイルが不思議そうな目で見てた。

 なんだかさっきから前世に引っ張られる感じがする。

 

 なんだか…?。

 

 視界全体にノイズがはしる。

 前後左右、上下の感覚がふいと消えた。


 ━ ━  タ テ ━ ━

 

 立っているはず?


 酷いノイズに機械音の様な声。

 ノイズに混じって何かの音楽が微かに聞こえる。

 


 ーー ゴ コ ク ノ タ テ ーー

 


 ノイズの向こうに国王陛下のご遺体が…違う。

 

 黒髪、黒目の裸の傷だらけの男。

 俺は()()()()()()()()()()()()()していた。

 

 初めて見る()は30代前半、筋肉はあるが中肉中背のよくある平凡な男だった。

 

 冷たい手術台に全裸で乗せられている。

 俺の死体。


「うお?」

 

 いきなりぐるんと視野が一回転してばらばらな体幹が戻る。

 勢い倒れそうになったトコロをバリエに支えられた ここは現実か? 

 「おい?」

 バリエの無駄なアイドル顔が近い。

 胸がドキドキ…てか、魔力回路がずぐずぐヤバい。

 まずい、コレBとLの小説の挿絵の構図じゃん!

 倒れかけた俺を抱き止めるバリエ(イケメン)いやぁああぁ何しちょるとぉ!

 

 思わず叫んだ。

 「あまりの寒さで寝落ちした!」

 「雪山か!」

 素晴らしいツッコミありがとう、バリエ君。

 俺、咄嗟にボケかませるよいになった。

 特殊スキル、ボケ。

 偉い俺、成長したなあ。

 「大丈夫かぁ?」ととととアイルがやって来て、俺とバリエの首に紅い石が組み込まれたメダルをかけた。

 寒さに倒れたと思ってくれれば上等、未だバクバクする心臓を押さえようとしてアイルが首からかけた石のついたメダルに触れる。

 「あたたかい?」

 胸にかけたメダルを起点にほんわかしたものが魔力回路を伝い全身を駆け廻る、温泉に入った時に似ているなぁ…ほんわか。

 「それね、魔力回路の中心に置くと魔力の流れに沿って保温の魔法を流してくれる魔道具だにゃん。」

 おまえ、にゃんはデフォルトじゃないだろ? なんで今はその語尾にゃん。

 

 「おお! 騎士団の大浴場に入った時みたいだ」

 お笑い番組のコメントか? バリエ。

 「騎士団大浴場あるノ?」

 「見栄えが良くても基本、汗臭い、筋肉鬱陶しい、の代表みたいな連中だからな風呂ないと王宮内が野郎の汗臭い」

 「それはぞっとするにゃん」

 アイルはポケットを漁って一つバングルを見せてくれた。

 「王子殿下と宰相閣下に渡したバンクル型、あったか結界でやわらかく包みこむタイプにゃん」

 「なんだその『あったか結界』って?」

 布団? 羽毛布団か?

 軽くて暖か発熱素材か二足歩行可能なねぶくろ?

 「防刀、対ショック吸収機能が付いてる、結界で身体を覆ってあったかい空気を送るタイプ」

 にっこり俺にバングルも渡してくる。

 グイグイ。

 ふたつは要らないんだが…。

 「ディのスキルの応用で作ってみたから」

 と、グイグイグイ押し付ける 受け取るまで押し付けてきそうだったので受け取る。

 にいちゃんにでもやるか。

 と、ちょっと目を離したすきに宰相閣下、アイン殿下を持ち上げて飛行機飛ばすまねをするように国王陛下のご遺体の上に殿下を飛ばしている。

 なに楽しそうなことやってんですか!

 いや、楽しくはないかも…。

 安置されている国王陛下のご遺体の上の布は剥がれて、腰の部分まで剥きだしの全裸。

 その上を旋回する息子、第一王子を捧げるように旋回させてる宰相。

 一国の国王陛下… 全裸待機。

 カオスか? カオスだな。

 眠っているように穏やかな国王陛下のご遺体は、アイン殿下を大人にして不摂生をさせたらこんな感じかと、…殿下によく似た相貌をしている。

 親子というには生前はアイン殿下とは全く接点がなかった、5歳の子供が離宮に監禁状態で放置されていたというのに。

 顔に落書きしてやろうか。

 

 そして陛下の身体に浮き出た問題の呪印。

 

 心臓のあたりを中心に樹木の枝のような模様のようなものが四方八方に流れ、腹にまで浮いてきている。

 先程見た解錠の紋様に似ている。

 胸の中央、喉元、臍下に丸い魔法陣がある。

 「雷を受けた時のリヒテンブルグ図形のようですね」

 皆がおかしなものを見るように俺を見ている。

 「リヒテンブルグ図形とは?」

 神官と魔法師とアイルがキラキラ嬉しそうに聞いてくる。

 やべ、前世知識。

 「雷に打たれた人に現れるやけどの跡です 体内に雷が通りますからこんな風にやけどの跡がつくそうです」

 嘘ではないよ? この世界ではそういう名前ではないかもしれないけど。

 「火魔法で焼かれたように黒焦げになるんじゃないのか?」

 「私は実物を見たことありません、昔古い本で読んだ知識です」

 「雷魔法を受けるとこんな感じにやけどしますよ?」バリエ談、流石雷撃の貴公子ぷぷ

 魔力量が少ないので実地で発動させるには心もとないが、剣技と合わせるとそれなりに強力な魔法剣を使うので侮れない。

 「ポーションや治癒魔法で治療する前はこんな火傷してましたね」相手がな。

 「そうなんだ! 雷魔法は体内を通るんダ!」

 アイルは自分が知らないことを知るのが好きなので子供の様に喜ぶ、それがくだらない無駄知識であっても。

 雷魔法は使えるものが少ない、風魔法と水魔法を同時に使える上位魔術師なら使えるかもという結構取得困難な魔法なので元から雷魔法しか使えないというバルトは結構めずらしい、アイルと魔術師が獲物を定める目でバルトを見てる、うわぁああ…。

 「いや、これは雷魔法とか外部からの魔法ではない」

 珍しくアイン殿下が自分から話に加わってきた 飛行機ごっこ(この世界に飛行魔法はなかったー!飛行機もない!)から地上に降りた殿下は両手を掲げて俺にだっこを要求する。

 宰相は扱いが雑だから俺の方がだっこはいいんだよなーほっこり。

 全員の目線がアイン殿下に向く 身長差のある他の大人と議論するときは、この高さがいいらしい…うん、分かってるよ 自爆。

 「多分これは呪詛返し」

 子供の声、話し方なのに内容がハードですアイン殿下、じっと国王陛下の胸のあたりを見ている。

 魔術師が慌てたように聞き返す。

 おっさんには見破れなかったようだ。

 「呪いを…返されているということですか? 閣下はもうお亡くなりになっておられます、お亡くなりになって2~3日はこんな模様は浮かびあがっていませんでした」

 「…亡くなられたから呪詛が破られ本人に帰ってきていると思う」

 「では、お亡くなりになった原因は呪詛返し…」

 「それは私にも分からない」

 なんか往年の名探偵のような口調になってきてる殿下。

 「でも魔力が胸の魔力機関に集中している、この紋はその魔力が表面に溢れてきているせいかもしれない」

 「お亡くなりになっているというのに魔力機関が働いているのでしょうか?」

 神官が青い顔になる。

 ヒトが亡くなると内臓の動きが止まる、魔力機関も内臓の一部とみられているので亡くなっても魔力機関が動いているというのは、魔力機関が魔石化しているということ、魔石になるには魔力が必要。

 それを死体で行うということは。

 「人の魔物化…?」

 魔物とは動物の内に魔石が宿りただの動物から魔物にと変化するという仮説がある。

 生きているうちに魔力回路に魔力の結石の元が出来、それが魔力回路を通じて魔力を溜め込み魔石となる…らしい。

 因みに魔族とエルフは生まれた時から魔石を持って生まれてくるという。

 「そうするとアンテッドの大物が生まれるにゃん」

 アイル魔装工兵は笑っていない眼でにんまり口角を上げている。

 神官は顔色を青を通り越した蒼白にしてアイル魔装工兵を見る。

 「魔石を…取り除けませんか?」

 「まだ魔石にはなってないでしょうね、その生成り状態では取り除いても呪い返しは止まりませんよ? 多分…」

 おっさん魔術師は頭を掻いて下を向く。

 「もし魔石があったとしても魔石を取り除けば陛下がアンテッドにならない保証はない、魔石事態が問題ではなく、魔石を作り出す止まらない魔力回路、流入する呪い返しの倍返しのエネルギー、運が悪ければそのエネルギーで()()魔石が作られてアンテッドが2体に増えるかも」

 鎮痛な面持ちの親父共の中にいてアイルは周りが引いているのも気づかないで、とんでも発言は続く。

 「陛下がアンテッドになるならもう、リッチとかのAランクだよね? それもネームド」

 アイルは真顔だった。

 「如何なさいますか? アイン ドンナー ノイエクラッセ殿下」


 如何なさいますとは?

 

 「アンデット化する前にかぼちゃパンツ、履かせますか?」


 言った本人以外の脳が豆腐になった瞬間。

 思考が追いつかない、オーバーヒートした。

 神官あたりは頭から煙が上がってそうだ。


 何故かぼちゃぱんつを引きずっている?!


 お前、アイン殿下の衣装部屋には居なかったのに

  何故その話を!


 殿下、ハシビロコウ顔で何気なく腰を押さえる。

 

 恐るべし、かぼちゃぱんつ。


 

 

 



 世界の均衡と倫理と貞操はかぼちゃパンツが守っている!

 ……

 次回、かぼちゃパンツの暗躍に刮目せよ!

 ……

 多分、次回出番ないよ?

 はぁあ!!!

 イイねがあったらかぼちゃパンツが活躍するかもしれません。

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