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戦いの後には


──あの後じっとして身体を休ませたことで、《ゼプラコーン》戦で負ったダメージは大体回復したが……と大きく風穴の空いた左胸の方を見る。もう痛くはないんだけど、こういうのって治らないものなんかな。



[身体の欠損を一部分直すことができる回復魔法は《自己再生》《ティーリン》です。]



私の疑問にすぐに正確に答えてくれるこいつはなんだかわからんがWikipediaみたいだな。



《自己再生》

〈MPを使って自身の欠損した身体を修復する。その際HPも回復する。《自己再生》を持つモンスターを倒すなら急所であるコアを狙えという話は冒険者の中の常識である。〉


《ティーリン》

〈他者や自分の失われたり傷ついたりした部位を回復する魔法。語源は傷ついたり割れたりした竜の鱗を修復することから。僅かながらHPも回復する。〉



……それも細かい解説つきで。そういえば、《ティーリン》ってスバルが持っていたような気がするな。あの短い時間で空まで飛べてたからなんだと思ったが、これで回復してたのか。回復魔法持ってるとなにかと便利だしなあ……出来ることなら私も欲しいぜ。



私はそんな羨望の眼差しをスバルに向けながら、あわよくば直してくれるんじゃないかと期待を込めてステータスを見ることにした。


───────

名称.《スバル》

種族.《スネークバイトオウル》

Lv15

ランクD

状態.《平常》

HP65/65

MP6/55

Hexagram.《3》

ATK.37

DEF.30

BMP.42

SPD.61

───────


そう思ったが……MPが既に尽きちゃっていたみたいだ。格上相手に長いこと牽制してくれてたし、あの毒の雨の消費MPだってかなりのものだったはずだ。その状態で回復をせびるほど状況は切迫してないしな、今はゆっくり休んで。


私は木の上で休むスバルに心のなかで労いかけると、その木の幹に寄りかかって再度休息をとることにした。なんだかんだ疲れが取りきれてなかったのか、あの意味不明な文字化けに頭を悩まされて疲労したのかはわからないが、瞳を閉じた瞬間睡魔が襲ってきたようだった。



……そういやここにきてから、人殺しになったり逆恨みされたり散々だったもんな。土竜やら首狩りやら相手に結構痛い思いしたしちょっとは報われるといいんだけど、進化先を見る限りそれすらちょっと難しいかもしれない。魔王ルート直行とか《アビスワーム》で災害を振り撒くとか流石に嫌だよ。




はあ……ここに来てからホントにため息ばっかりだ。明日からまた切り替えていこう。





──そうして睡魔に身を委ねて眠っていた私は、スバル渾身の嘴攻撃によって目を覚ますことになる。



「イデッ……デェ!?」


私の左胸に空いた風穴のすぐ横を嘴で勢いよくつつくスバルの姿が視界に飛び込んできた。結構冷静そうにみえて激情家っていうか短気っていうか……いたたたたっ!?起きてる!もう起きてるから!!そんなに急かしてどうしたのさスバル!!


「クルルッ!!クルルッ!!」


スバルがなにやら見つけたようで、「あれ見ろよ」と言いたげに翼をバッサバッサ羽ばたかせていた。その方向を見ると、ぼんやりと人影のようなものが見える。



……嘘でしょ?こんな真夜中に人影って幽霊かなんかみちゃったってやつ?この世界にアンデッドだのゴーストだのはお約束みたいなもんだし、今更気にすることでもないか。スバルの尋常じゃない警戒心も、アンデッドが相手だというなら納得できるしさ。なんなら実体がある方が今の私達にとってはありがたい。どんな結果に転んでも構わないから表示してくれ。



《勇者》

〈この世にいるはずのない魔王を追い求め、戦いに明け暮れる悪魔のような人種。周囲の魔物の命を奪うに留まらず、同族の人間からありったけの物や金を奪い去っていく。



冒険者の集う街[ローセ]は勇者を忌避し、特別視しないという姿勢のもと商売を営んでいる。〉



え……あ……?勇者??勇者なんで?

2000pvありがとうございます(。・ω・。)

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