第八話
職員室を出て、ルシアが制服に着替えるのを一人で待つハヤト。
そこにメガネをかけた美人女教師ミスズが歩み寄っていく。
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「ふふ、ハヤトくん? ネッケツは上手く丸め込んだみたいだけど私はだまされないわよ?」
「な、なんのことっすか……?」
や、やべ。レイケツじゃないか。
ネッケツとは対照的に冷ややかな対応しかしない、冷血人間。通称『レイケツ』だ。
それなのに男子からはものすごく人気がある。たぶん美人だからだろうな。
その反面、女子からは嫌われてるとかいないとか。なんとなくわかる気がする。
俺もどちらかっていうとあまり好きになれない。人間中身が大事なのだよ。
「ふふふ、その様子じゃ私の思った通りみたいねぇ……。嘘なんでしょ、彼女の記憶喪失」
「そんなわけないじゃないですかー、いやだなぁ。そんなことするメリットがないですよ、ハハッ」
な、いきなりバレたあああ!?
まずい、心臓がバクバクする。
普段、嘘なんてつかないから顔にでも出たのだろうか。
だとしても生徒に干渉してこないレイケツがなぜわざわざそれを言いに来たんだ?
「ま、いいわ。面白そうだし、遠くから高みの見物させてもらいましょう」
高笑いしながら、どこかへ行ってしまった。
ふー、なんだったんだ一体。
なんか普段の授業のときと全然違うな。
雑談とかも一切せずに淡々と授業をこなす真面目な先生の印象だったんだが。
「お待たせしました、慣れない服に時間がかかってしまいました」
そういうとルシアは更衣室から制服を着て出てきた。
あれ、見慣れた制服なのにルシアが着ると違って見えるぞ?
なんていうか、ものすごく可愛いです。
「よし、それじゃ教室行くぞー。もうすぐチャイムも鳴るし急がないとな」
「は、はいっ!」
レイケツの発言がちょっと気になるけどまあいいや。深く考えないでおこう。
今は同じクラスの連中にどう説明するかを考えないとな。
記憶喪失はやっぱりすぐバレるか?
でもネッケツに言ってしまった手前変えるのも問題があるしな。
「えっと、話をどこまで理解してるかわからないけど、ルシアは記憶喪失ってことになってるからな。異世界のことはもちろん余計なことはあまりしゃべらないように!」
「うーん、よくわからないけど頑張ります」
よくわからないじゃ困るんだが。
まあ俺のせいでもあるから強く言えないわけで。
とりあえず、記憶喪失はそのままいくしかないしな。
ルシアは元から天然っぽいところがあるから何かあればそれでごまかしてしまおう。
ルシアが帰るまでの間だけだし、それほど大きな問題にはならないはず……だ。
あとはサクマの腕次第といったところか。頼むぞネッケツ。
~登場人物紹介~
名前:ミスズ(レイケツ)
職業:高校教師
年齢:32
ハヤトの隣のクラスの担任。
『レイケツ』呼ばれるほどの冷ややかな性格で私生活は謎に包まれているミステリアスな美人教師。




