第十四話
中庭で話をしているハヤトたち。
そこに現れたのはアカネの親友のケイコだった。
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「ちょっとハヤト、話があるんだけど?」
またこのパターンか。
何がなにやらわからないまま、一人校舎の裏に連れて行かれた。
それにしてもケイコの顔が怖い。俺をじっと睨みつけてくる感じだ。
「なんだよ急に。話ってなんだ?」
「わからないの?」
なんだろうか。
小中学校が同じだったとはいえ、それは昔の話。
高校に入ってからはケイコと話す機会なんて全くといっていいほどなかった。
「中学の頃のことまだ気にしてたのか? あのことならもう気にしてな……」
「違う違う! そんな話じゃないって! ったくホント鈍いんだから……」
俺が言い終わる前に遮るように否定し始めた。
そりゃそうか、三年も前の話を今更掘り返さないよな。
あれ以来お互い気まずくなって話もしなくなったくらいだし。
だとすると話ってなんだろう?
「本当にわかってなさそうね、全く。アカネのことよ」
げげ。もしかして俺がアカネに告白したことを聞いたのか。
だとしても振られたわけだし、とやかく言われる筋合いはないんだが。
これ以上付きまとうなとかそういうことか?
俺別にストーカーじゃないんですけど。
「アカネは凄く優しくて良い子だよ、だから真剣に考えてあげてほしいの」
「ちょ、ちょっと待て。言ってる意味がわからない」
「え? 告白されたんでしょ? アカネに――」
あれ? 告白された? したじゃなくて?
どうなってんだ。
「はい? 俺アカネに告白なんてされてないけど……」
「え? あれ? だって今朝……あれー?」
強張ってた表情が一気に崩れていつもの間の抜けた表情に戻るケイコ。
「本当に告白されたわけじゃないの?」
「しつこいな、されてないって言ってるだろ」
俺がそういうとケイコは黙ってしまった。
そしてなにやらぶつぶつつぶやいて考え事をしている。
要するに、アカネが俺に告白したと勘違いしてたってことか?
「うん、まあいいわ! 告白はまだかもしれないけど、アカネはハヤトのことが好きなのよ! 私にはわかるわ! だから真剣にアカネのことを考えてあげてほしいの! ね? お願い!」
両手をパンと叩いてウインクされた。
お願いって言われてもなあ。
アカネは俺のことを好きじゃないわけで。
「あのなあ……、何を勘違いしてるのか知らないけど、俺はアカネに告白されたんじゃなくて告白したほうだぞ? ……振られたけどな」
「……え? えええええ!? そうなの!?」
あ、つい言ってしまった。
本気で驚いてるから、マジで勘違いしてただけのようだ。
アカネがケイコをつかってからかってるとかじゃないみたいで少し安心した。
「私の勘違いだったのかなあ、ごめんねハヤト。今の話はナシで!」
「あ、ああ……俺は別に気にしてないが、俺が振られたことを言いふらしたりするなよ?」
「わかってるって」
誤解が解けたようなので、俺は一人中庭へと戻る。
するとルシアとユウジが仲良く話しているのが見えた。
俺はそっと二人を背に先に教室に戻ることにした。




