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じゅうよん。

 併し、私を上から下までチェックしておいて無視を選ぶ辺り、思考能力が低そうだなぁ。

 まず、私はレイラと談笑していた。

 この時点で私とレイラが仲良しであることは理解出来るはず。爵位を超えた友情であっても親しい間柄であることは承知したはず。

 であれば、仮に私の爵位が下でも同じ公爵位のレイラの許し無く勝手に会話に割り込んで挨拶をしてくるなんて常識として有り得ない。

 挨拶をしたいのなら、談笑している区切りを待つか、アルデ公爵令嬢に気づいたレイラが私に断りを入れてアルデ公爵令嬢に声を掛けるまで待つ。或いは声を掛けられる前に声をかける。……貴族の挨拶の常識ってこういうんじゃなかったっけ。

 基本的には主催者に招待された側が挨拶をするのが先だけど、今回はタイミングを見計らうべきだったはず。ただ面倒なことに下位貴族は高位貴族から声を掛けられてから挨拶が許されたり名乗りを上げることを許されたりするから、その辺は気を抜かないようにしないとマナー違反で足元を掬われることになるわけだけど。

 ……何をもって貶めて来るか分からない。それが貴族と言う世界、もっというと社交場の常識。だからこそ気が抜けないということを、お母様に教えられたお茶会デビューの私が分かっていて、何度か参加したはずのアルデ公爵令嬢が分かってないのか、その辺が謎だ。

 うーん……。


「アルデ様。私とあなたの間には格がございますのよ、ご存知?」


 あ、レイラが本気で怒ってる……。

 訳すると、同じ公爵位でも一括りじゃない。上には上が居るワケなんだけど、あなたウチより格下だよね? っていう脅しだよねぇ。まぁさっき私も似たようなことをレイラに言ったけどさ。

 チラリとレイラに視線を向けられて気付いた。

 あー、この脅し文句、私の使い回しか!


「ま、まぁっ! なんてことを言いますの! これでもアルデ家の娘でしてよっ。リカーデ家に見下される謂れはありませんわ!」


 えー……。確かアルデ公爵令嬢ってお母様が言ってた“病弱の”公爵令嬢とやらなら、私より二歳年上だよね。という事は私の一つ上のレイラよりも上。それでこんな感情的なの? 

 淑女教育でも貴族教育でも何でもいいけど、感情的になったら自分の足元を掬われるどころか家そのものにも不利益をもたらす、とか分かり切ってることだよね?

 正しくリカーデ家はアルデ家より格上。その格上に喧嘩売って家が無傷でいられるわけないじゃないの……。

 貴族の生まれ育ちなら、如何に家そのものの名が傷つかないか、家に不利益をもたらさず……というか利益を多くもたらせることが出来るか、なんて、かなり早いうちから教育されるはずなんですけど。

 それ故に感情的にならず常に冷静で理性的であるよう教育されるはずなんですけど。

 なんでそんな教育が始まった子どもですら分かるようなことが分からないのかな。アレか、同じ公爵位だから、とでも考えてる? 公爵位だから立場が同じという考えが拙いから格差があることに気付かないと……。

 そういう教育を受けてないのか、受けても忘れているのか。前者ならば教育係を請け負った人はその役職を返上すべきだし、後者ならばアルデ家は娘の監督不行き届きで自分で自分の首を絞めてるのと同じということで、付き合い方を考えないと危ない家だよね。

 ……本当このアルデ嬢の行動は、そんな教育を仮に受けているのなら紙より軽やかに吹っ飛んでいったとしか思えないんだけど。

 而も主催者だしなぁ、リカーデ家。

 面子を汚されたって判断したらどんな報復するか分からないだろうに、そういうことに対しての危機感とかまるでないんだなぁ……。

 さすがに同じ公爵家であるからお家の取り潰し、ということにはならないだろうし、そうすることも出来ないだろうけど。

 レイラの怒り具合を見ると結構キツめの報復措置を取りそうだよねぇ。……リカーデ公爵がどのような対応を取るのかちょっと気になるのは気になるよねぇ。

お読みいただきまして、ありがとうございました。

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