転9 〈邪神〉だけど、電話でイチャついたあと、出発。
こっそり“性描写あり”タグ追加しました///
で、夜、十時を過ぎた頃。
通常、金曜日の夜は、リビングにてまゆちゃんとダラダラまったり、
テレビ番組など見たり、映画を見たりして過ごすのだけれど。
本日に限っては、そうもいかない。
『なんかちょっと疲れてるから、もう寝る』、とゆ~適当な理由で、
私はお風呂にも入らず、二階の自室に引きこもることにした。
「……疲れてる、って。────まさかお姉ちゃん、
まゆの知らない女のひとと………」
リビングの去り際に、〈邪神〉覚醒した私の超聴覚が、そんなまゆちゃんの
かすかな呟きを拾ったような気がした。
なにを心配してるんだろう。
────そうか、姉が、クラスメイトから無理に陽キャのグループの輪に
入れられて、精神的に疲弊した、とか心配してるのかな?
ふふっ、まゆちゃんは優しいなあ。
まったく、私には、過ぎた妹だよ。
まゆちゃんの姉思いに、くすぐったさや嬉しさを覚えながら、
私は自分の部屋で、箪笥から必要な物を引っ張り出す。
水着であった。
スクール水着と、プライベートで海やプールに遊びに行く時用の、
モスグリーンのワンピース水着。
……………万が一、人の目についた時を考えて、
スクール水着のほうにしとくか。
特徴のある色とかだと、印象に残っちゃうかもだし。
そもそもの話で、深夜に水着姿の女子、という時点でインパクト
ありすぎだろうけども。
スク水のほうが、怪談の幽霊っぽくって、うかつに人は近寄ってこない
可能性が上がる……ような気がする。
あれこれ考えながら、いそいそと、私はスク水に着替えた。
う───ちょっと、キツくなってる? 太ったかな?
心なしか、水着のフィット感がいっぱいいっぱいな気がして、
姿見で全身をチェック。
見た目むちっ、としてるけど、これは、うん、健康的な成長だ。
そういうことにしておこう。
誰かに言い訳するように、ひとり納得して、今度は目を閉じて、集中。
〈邪神〉の〈力〉の一端を、解放する。
自分自身をイメージして────────輪郭を、精製。
……目を開けると、そこにはパジャマ姿の〈私〉が立っていた。
〈邪神〉の〈力〉により、水で創り上げた、私の偽物である。
今夜、こっそり家を抜け出すので、問題にならないよう、これをベッドに
寝かせておこう、というワケだ。
『パー●ン』における、コピー●ボットの役割だね。
これは、ただの、水で出来た人形ではない。
私は目を閉じて、偽物を起動させた。
すると、偽物と私の五感が、同期を開始する。
パチリと開けた偽物の目が、目を閉じて立っている、
スク水姿の私を視認。
……うわー、なんか、気持ち悪い、っていうか、変な気分だな。
次に、偽物に私の周りを歩かせてみる。
そうしながら、偽物による視界で、自分自身を、
頭からつま先まで、観察してみた。
はあ────他人からは、こう見えてるんだ……。
わりかしエッチな体、してなくもない、かな?
小柄で華奢そうながら、ほどよく肉もついてる、っていうか。
お尻とおっぱいも、揉み甲斐あるくらいには、大きいはずだし……。
自分で自分を観察し続けるのもバカっぽいので、偽物を
ベッドに横たわらせ、その目を瞑らせる。
それから、私自身の目を開けると、ちょっと目眩がした。
なんか、VRゲーム直後に、ヘッドマウントディスプレイを外した気分。
いや、うちにはそんなゲーム機器ないから、やったことないけど、
きっとそんな感じ。
ベッドに横たわった偽物の体に、布団を掛ける。
そして、ペタペタと、その顔と体を触った。
その感触は、人間の体そのもので、体温もちゃんと感じられる。
とても水で出来ているとは、考えられない。
我が仕事ながら、〈邪神〉パワー、凄いな。
よし、この偽物のことを、〈水幻影身〉と名付けよう。
必要もないのに、オタクの中二病マインド全開で、そう命名してしまう私だ。
私の部屋の鍵は、わざと掛けずにおいて……と。
もし家族の誰かが部屋に入ってきても、この寝ている〈水幻影身〉を
見れば、不審には思うまい。
これでなんの心配もなく、深夜外出できるというもの。
携帯端末は……これから行く目的地のことを考えると、持ってはいけない。
持っていっても、役に立ちそうもないし。
そう思っていたところ、机の上に放っていたその端末が、軽やかな音を立てた。
ヒメカからの着信に、特殊指定していた音楽である。
マッハで端末を手に取り、椅子に座って、電話に出た。
「は、はい。もしもし、ヒメカ?」
『もしもし、こんばんわ、あゆちゃん。……ごめんね、夜遅くに。
ひょっとして、もう寝てた?』
「うん、まあ、そろそろ寝ようかな、ってトコだったけど。どうしたの?」
『あゆちゃんと、お話したくって。メッセージ送ろうかと思ったけど、その、
あゆちゃんの声、聞きたくなっちゃったから───』
と、ヒメカの照れたような声。
はァ───────────────────かわいい。
声だけで、私を幸せにするとは。
やはり天使かな?
「ううん、全然いいよ。私も、ヒメカの声、寝る前に、毎日聞きたいな、
って思うし」
『……も、もう、あゆちゃん───そんなこと言ったら、毎晩電話して、
困らせちゃうかもしれないよ?』
「困らないよ。できることなら、二十四時間、ヒメカのそばにいたい
くらいなんだから」
あっ、口が滑って、また欲望をダダ漏れさせてしまった……!
さすがに引かれちゃったか!?、と焦ったけれど、聞こえてきたのは、
ヒメカの嬉しそうな笑い声で、ホッとする。
『わたしも、できるなら、今すぐあゆちゃんのそばに行きたいな……。
───ね、あゆちゃん、いつごろから同棲始めようか?』
DO-SAY!? 急に飛び出てきたワードに、一瞬だけ動揺する私。
でも、結婚を前提に付き合うんだから、当然と言えば当然の質問だ。
「う~ん────可能なら、明日からでも始めたいけど……親の説得とか、
理由付けが要るから、やっぱり高校卒業と同時、っていうのが
ベストじゃないかな」
電光石火で脳内にてソロバンを弾き、ひとまずのヴィジョンを口にする。
『────やっぱり、卒業してからじゃないと、ダメ、かな』
「それは、うん……年齢的に、うちの親とか、許さないと思う。
いろいろな面でも」
『そう───……一緒に住む家とかは、すぐに用意できると思うんだけど、
あゆちゃんのご家族に理解してもらうのは、難しいよね………』
ん? “家”っておっしゃった? “部屋”でなく?
……“ふたりで住む場所”的なニュアンスで言ったのかな?
そう思ったけれど、私はヒメカの家族の考え方がどういうタイプなのか
気になったので、そっちをたずねることにする。
「ヒメカのご両親は、そういうことに対して、どんな風なの?
わりとおおらかな感じ?」
『あ、わたしの両親は、わたしが赤ちゃんの時に、亡くなってるの』
─────────────────────────────────。
あまりにも唐突に、さらりと言われてしまったので、絶句してしまった。
「ご、ごめん、私……」
『ううん、気にしないで。私、物心ついた時にはもう、両親はいなかったから。
逆に、辛いとか、そういう記憶はないの』
「……ヒメカ────」
ふと、出会った時の、ヒメカを思い出す。
木の下で、ひとり、座りこんでいた、女の子。
あの時のヒメカは、ひとりぼっち、だったのだろうか。
今さらながら、私は、胸を締め付けられるような思いになる。
『お祖母様と家の者にも、良くしてもらったし、本当、辛くなんて
なかったかな────ごめん、ちょっと、嘘。……寂しかったり、
悲しかったり、思い悩んでた時は、正直、あったよ。でも……』
と、ヒメカの、はにかんだような気配。
『わたしのこと、“お嫁さん”にしたい、って。“大好き”って言ってくれた
女の子がいたから。それからずっと、わたしの人生、光でいっぱいになった
気がするんだ』
「あっ……」
私じゃん。
私が、ヒメカと一緒にいたい一心で言った言葉が、ヒメカにとって、
そこまで大きなものになっていたとは。
途端に、申し訳ない気持ちになってしまう。
なんていうか、自分がまるで、幼い子供の弱みにつけこんだ悪いオトナ、
みたいに思えてきて。
『苦しくて、嫌な時があっても。その子との〈約束〉があったから、
ずっと頑張ってこれた。……だからね、わたしは今、両親がいないから
辛いなんてことは、ないよ』
なのに、ヒメカは、私のかつての言葉が、とても尊いもののように
語ってくれる。
そこまで、深く考えての言葉ではなかったというのに。
「ヒメカ────ごめん」
『えっ……ど、どうしたの、あゆちゃん?』
このタイミングでの、唐突な私の謝罪に、ヒメカが狼狽したような
声を出した。
うん───謝る必要はないのだろうけど。
私の、ヒメカとずっと一緒にいたい、っていう、わがままめいた願い。
それを神聖視しているようなヒメカに対して、
罪悪感を覚えてしまっていた。
けれど、そのことを説明するのは、複雑で難解だし、長くなる。
だから、直接的には謝罪の理由は話さず、この短い会話で浮かび上がった、
別の問題点を口にしていた。
「私、ヒメカと結婚したい、って。大好きだ、って言ってるくせに、
ヒメカのこと、まだ、全然知らなかった……」
本当に、浮かれすぎの大馬鹿である。
一方的に、自分の願いを押しつけて、たまたま相手がその願いを
了承してくれたからって─────。
ヒメカがどんな人間で、どんな気持ちでいるのか。
私は、ちゃんと考えてはいなかった。
アイドルを上っ面だけで持て囃して、賛美してるようなオタクファン、
っていうか。
要するに私は、自分のことしか、考えていなかったのである。
『……それは、当然だよ。わたしも同じだもの』
情けないやら、恥ずかしいやら。
私のそんな心中をわかっているかのような、ヒメカの声だった。
『十年以上、離ればなれだったから。でも、あゆちゃんのこと、
今日だけで、いろいろ知っちゃったよ?』
「え……」
『ゲームが好きで、瑠々江を選んだこととか……キスする時、
わたしの体、あちこち触ってくるのが好きそう、とか』
「ヒメカが柔らかすぎて、無意識に触ってました! ごめんなさい!」
本当に、夢中でヒメカを抱きしめてたから、欲望が手の動きに直結してたかも!
いくらなんでもあちこちまさぐりすぎてた!? ひええ!?
でもでも、ヒメカは怒ってなさそうなので、セーフ?
そういう問題じゃないか! 反省!
『わたしはあゆちゃんのお嫁さんだから、許してあげます。それに、その、
そのうち、もっと大事なところも────』
「え?」
『な、なんでもないよ。……とにかく。これから一日ずつ、お互いのことを
知っていくんだから。十年の空白を、埋めていくんだから。あの頃から、
わたしはあゆちゃんが大好きで、あゆちゃんも、同じ気持ちでいてくれるなら。
わたしたちは、お互いのこと、まだ何も知らなくても、全然大丈夫だよ』
「ヒメカ────」
ヤバ。
また、ウルッときてしまった。
もう、なんなのこの娘。
どれだけ私を恋に落とせば気が済むの!? もう! 好き!
『───そうだ。これから毎日、寝る前に電話する時、お互いに、
好きな物をひとつずつ、教え合いっこしようか』
「あ、いいね。うん! そうしよう!」
本当に毎日電話してくれるんだ……!
やったぜ!、と心の中でガッツポーズを決める私。
『それじゃあ今夜は……あゆちゃんの、一番好きなおかず、教えて?』
おかず、おかず……そいつはキミだぜ、ハニー?
───オッケーわかってる、ヒメカが言ってるのは、私が反射的に
思い浮かべたようなのじゃないってことは。
ヒメカに対しては、そういう下世話なネタは厳禁、そう肝に銘じる私だった。
「私は、鶏の揚げ物が一番好きかな……ケ●タッキーのとか」
『鶏のお肉が好きなんだ?』
「お肉なら豚も牛も好きだけど───うん、やっぱり鶏肉が一番好き。
……ヒメカは?」
『わたしはね、ハンバーグ。駅前の、ファミレスの』
おおっと、これは意外。
ヒメカのイメージから、上流階級的で、聞いたことないような品目を
言ってくるかと身構えてた。
『あっ、あゆちゃん、今、子供っぽい、って思ったでしょ!』
「えっ、いや、そんなことないない。ただ、意外だな、っては、
思ったけど。ほ、ほら、子供っぽい、っていうなら、私のほうが子供っぽいよ?
ケ●タッキーだし」
『本当? 本当にそう思ってる?』
「ホント、ホント」
拗ねた子供のように訊いてくるヒメカがカワイくって、キュン死にしそう。
私の適当そうな返事に、もう、と若干不満げながら、
ヒメカは話を続けてきた。
『───家の者が、外食すると怒るから、なかなか食べられないんだけど。
十年ぶりに日本に戻ってきて、同じファミレスで食べてみたら、思い出の
味と変わってなくて、感動しちゃった』
「そっかー……。私、ファミレスでも鶏の唐揚げ定食一択だから、
ハンバーグ系のメニュー、食べたことなかったかも」
『じゃあ、今度、一緒に食べに行こう?』
「うん! 行こう! 約束ね!」
ヒメカの提案に、鼻息荒く、がっついてしまう私。
ヒメカはそんな私の反応に、楽しげな笑い声を立てる。
『うん、約束。詳しい予定は、また明日、話そうか。あんまり夜遅く
なっちゃうと、あゆちゃんに悪いし』
「私は、全然全然! このまま夜通しおしゃべりしたって、オッケーだよ?」
『わたしもそうしたいけど、それじゃ、わたしが先にコトン、
て眠っちゃうかも』
はいカワイイ~♪ “コトン”て表現と言い方が、もうカワイイ~♪
「残念。ヒメカの寝顔は、すっごく見たいのに。電話じゃダメだね」
『……わたしも、あゆちゃんの寝顔、見てみたいな』
私のキモげな欲望満載のタワ言に、はにかんだような声で
そう返してくれるヒメカ。
お互いに、テレビ通話をしたいわけではない、と、
わかっていての言葉だ。
デュフフ~、ウカツにそんなこと言うとったら、ワイもノリノリの
お調子乗りになってまうで~?
「いずれ、見ちゃうから、ね、お互いに」
『────うん』
電話越しでも、恥ずかしげな息遣いで、ヒメカが頬を染めて、
うなずいてくれたのがわかった。
………ふぅ────その反応だけで、胸がいっぱい、ありがとうございます!
「じゃあ、今夜は、その時を楽しみに想って、眠るね───
おやすみ、ヒメカ」
『うん、わたしも……おやすみなさい、あゆちゃん』
通話終了。
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!
好きすぎて、困るゥゥゥ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!
携帯を胸元で抱きしめて、椅子の上でクネクネと悶えてしまう私である。
しかも、スク水姿で。
変態か。
うーん、自分でも否定できないトコが辛い。
ヒメカ好き好きゲージがMAX溜まりすぎて、このあとの予定がなかったら、
ベッドでハッスル(意味深)したいトコロ。
だが、ヒメカのためにも、今夜のうちに、やらなきゃいけないことがある。
よし! いっちょうやるか!、と気合いを入れ、携帯を机に置き、立ち上がった。
部屋の灯りを消して、そろりと窓を開ける。
初夏も間近とはいえ、入りこんでくる夜気は、まだひんやりとしていた。
それから、また、〈邪神〉パワーを使う。
直後、私の体が、ふわりと宙に浮いた。
〈力〉の制御は、〈邪神〉覚醒時に、完全に把握しているので、簡単に感じられる。
体を浮遊させるのと同時に、私の周囲に、光学迷彩的な、不思議〈力場〉を
発生させていた。
これで人間の肉眼では、私のスク水姿を捉えることはできなくなっている、という寸法である。
たぶん。
家の沿道に人の往来がないこと、ご近所さんが窓から外を見てやしないか、確認。
問題ないことを確かめてから、フワフワ・ソロソロ、という感じで、浮遊したまま、窓から外に出る。
窓を閉めて、電線に引っ掛かったりしないよう気をつけて、ゆっくりと上昇。
お、お、おお────────────────。
YEAH! I CAN FLY………!
なんて、思わず、某アメコミ映画のヒーローの台詞を思い浮かべてしまう。
歩き慣れた自分の生活圏を、こうして見下ろす機会なんて、通常ないので、
ちょっとした興奮と、感動を覚えていた。
いや、高くてちょっと怖い、ってのももちろんあるけど、
オラすっげぇワクワクすんぞ!的な感情が勝ってる感じ。
ちなみに視界は、〈邪神〉アイで感度良好。
暗いは暗いんだけど、なにもかもがクッキリと見えている。
なんだろう、パソコンとかの画像編集アプリで、明度はそのままで、
画像の被写体の輪郭をはっきり浮かび上がらせてる、みたいな。
それに、四月末の夜空の下、スク水姿でも、寒くない。
〈邪神〉ボディは、体温調節機能のほうも、バッチリのようだ。
グングンと、高度を上げていく。
とりあえず、高層ビルとかよりも高く上昇だ。
私の姿は、他人から見えなくなっているはずだけれど、それでも用心しておこう。
私のような、〈邪神〉の転生体や、ヒメカみたいな〈魔女〉が存在するのだ。
通りすがりの超能力者がいたりして、私の存在を感知できたりしちゃうかもしれない。
………ラノベと漫画の読みすぎかな?
でもまあ、人間、臆病すぎるほうが、ちょうどいい、っていうしね。
街灯りや車のライトの流れが、イイ感じの夜景に見えだした。
うわ~良い眺め───────!
……ヒメカと一緒に、この夜景を眺めたいな。
そして、夜の空をゆっくりと飛びながら、抱きしめ合ったり、キスしたり。
ふひっ、妄想がはばたいちゃうね……!
っと、イケナイ、イケナイ。
目的を忘れて、ヘヴン状態に浸ってしまうところだった。
障害物が一切ない高度に達してから、水平飛行をスタートする。
音速で飛行することも可能だけど、凄い音を出しちゃうと思うので、
まずは原付バイクくらいのスピードで。
乗ったことないけどね! イメージ! フィーリング!
うーん、なんだろ、人生初のフライト(文字通り)で、
アドレナリン出すぎかな?
ちょっぴりハイテンションになってるかもしれない。
─────私が向かっている場所は、海だ。
〈邪神〉クトゥルフ本体と、交信するためである。
日本から遠く離れた太平洋、緯度経度の地点、海底都市〈ルルイエ〉に
封印され、眠りについている、我が本体と………。
分かたれた魂ならば、いかに距離が隔てられていても、精神は繋がっている。
が、〈旧神〉による封印の結界に
阻害され───言うなれば、電波妨害されているような状態で、
地上からは、一切交信ができないのだ。
そこで、海そのものを媒介、要は導線にして、〈邪神〉クトゥルフ本体に連絡を
つけよう、というわけである。
地球上のどんな大魔導師にもできっこない、〈邪神〉パワーだからこそ可能な、
力業だ。
とはいえ、行おうとしているのは、〈邪神〉と、ちっぽけな人間との、
一対一の対話。
私が、分霊体の、転生体であっても、まともに取り合って
もらえるかどうか………。
それでも、やらなくては。
主に、私とヒメカの、
イチャイチャLOVEしまくる未来のために──────────!
およそ正義感とかとはかけ離れた理念で、空を飛翔し、一路、
海を目指す私であった………………………。
スク水のデザインは、各自のお好みで(≧∀≦)




