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邪神転生ガール  作者: megajoy
9/32

転9 〈邪神〉だけど、電話でイチャついたあと、出発。

こっそり“性描写あり”タグ追加しました///

で、夜、十時を過ぎた頃。


通常、金曜日の夜は、リビングにてまゆちゃんとダラダラまったり、

テレビ番組など見たり、映画を見たりして過ごすのだけれど。

本日に限っては、そうもいかない。


『なんかちょっと疲れてるから、もう寝る』、とゆ~適当な理由で、

私はお風呂にも入らず、二階の自室に引きこもることにした。


「……疲れてる、って。────まさかお姉ちゃん、

まゆの知らない女のひとと………」


リビングの去り際に、〈邪神〉覚醒した私の超聴覚が、そんなまゆちゃんの

かすかな呟きを拾ったような気がした。


なにを心配してるんだろう。

────そうか、姉が、クラスメイトから無理に陽キャのグループの輪に

入れられて、精神的に疲弊した、とか心配してるのかな?


ふふっ、まゆちゃんは優しいなあ。

まったく、私には、過ぎた妹だよ。


まゆちゃんの姉思いに、くすぐったさや嬉しさを覚えながら、

私は自分の部屋で、箪笥から必要な物を引っ張り出す。


水着であった。

スクール水着と、プライベートで海やプールに遊びに行く時用の、

モスグリーンのワンピース水着。


……………万が一、人の目についた時を考えて、

スクール水着のほうにしとくか。

特徴のある色とかだと、印象に残っちゃうかもだし。


そもそもの話で、深夜に水着姿の女子、という時点でインパクト

ありすぎだろうけども。

スク水のほうが、怪談の幽霊っぽくって、うかつに人は近寄ってこない

可能性が上がる……ような気がする。


あれこれ考えながら、いそいそと、私はスク水に着替えた。


う───ちょっと、キツくなってる? 太ったかな?

心なしか、水着のフィット感がいっぱいいっぱいな気がして、

姿見で全身をチェック。


見た目むちっ、としてるけど、これは、うん、健康的な成長だ。

そういうことにしておこう。


誰かに言い訳するように、ひとり納得して、今度は目を閉じて、集中。

〈邪神〉の〈力〉の一端を、解放する。


自分自身をイメージして────────輪郭を、精製。


……目を開けると、そこにはパジャマ姿の〈私〉が立っていた。

〈邪神〉の〈力〉により、水で創り上げた、私の偽物ダミーである。


今夜、こっそり家を抜け出すので、問題にならないよう、これをベッドに

寝かせておこう、というワケだ。

『パー●ン』における、コピー●ボットの役割だね。


これは、ただの、水で出来た人形ではない。


私は目を閉じて、偽物ダミーを起動させた。

すると、偽物ダミーと私の五感が、同期リンクを開始する。


パチリと開けた偽物ダミーの目が、目を閉じて立っている、

スク水姿の私を視認。

……うわー、なんか、気持ち悪い、っていうか、変な気分だな。


次に、偽物ダミーに私の周りを歩かせてみる。

そうしながら、偽物ダミーによる視界で、自分自身を、

頭からつま先まで、観察してみた。


はあ────他人からは、こう見えてるんだ……。

わりかしエッチな体、してなくもない、かな?


小柄で華奢そうながら、ほどよく肉もついてる、っていうか。

お尻とおっぱいも、揉み甲斐あるくらいには、大きいはずだし……。


自分で自分を観察し続けるのもバカっぽいので、偽物ダミー

ベッドに横たわらせ、その目を瞑らせる。

それから、私自身の目を開けると、ちょっと目眩がした。


なんか、VRゲーム直後に、ヘッドマウントディスプレイを外した気分。

いや、うちにはそんなゲーム機器ないから、やったことないけど、

きっとそんな感じ。


ベッドに横たわった偽物ダミーの体に、布団を掛ける。

そして、ペタペタと、その顔と体を触った。


その感触は、人間の体そのもので、体温もちゃんと感じられる。

とても水で出来ているとは、考えられない。


我が仕事ながら、〈邪神〉パワー、凄いな。


よし、この偽物ダミーのことを、〈水幻影身アクア・ミラージュ〉と名付けよう。

必要もないのに、オタクの中二病マインド全開で、そう命名してしまう私だ。


私の部屋の鍵は、わざと掛けずにおいて……と。

もし家族の誰かが部屋に入ってきても、この寝ている〈水幻影身アクア・ミラージュ〉を

見れば、不審には思うまい。


これでなんの心配もなく、深夜外出できるというもの。


携帯端末は……これから行く目的地のことを考えると、持ってはいけない。

持っていっても、役に立ちそうもないし。


そう思っていたところ、机の上に放っていたその端末が、軽やかな音を立てた。

ヒメカからの着信に、特殊指定していた音楽である。


マッハで端末を手に取り、椅子に座って、電話に出た。


「は、はい。もしもし、ヒメカ?」


『もしもし、こんばんわ、あゆちゃん。……ごめんね、夜遅くに。

ひょっとして、もう寝てた?』


「うん、まあ、そろそろ寝ようかな、ってトコだったけど。どうしたの?」


『あゆちゃんと、お話したくって。メッセージ送ろうかと思ったけど、その、

あゆちゃんの声、聞きたくなっちゃったから───』


と、ヒメカの照れたような声。

はァ───────────────────かわいい。


声だけで、私を幸せにするとは。

やはり天使かな?


「ううん、全然いいよ。私も、ヒメカの声、寝る前に、毎日聞きたいな、

って思うし」


『……も、もう、あゆちゃん───そんなこと言ったら、毎晩電話して、

困らせちゃうかもしれないよ?』


「困らないよ。できることなら、二十四時間、ヒメカのそばにいたい

くらいなんだから」


あっ、口が滑って、また欲望をダダ漏れさせてしまった……!

さすがに引かれちゃったか!?、と焦ったけれど、聞こえてきたのは、

ヒメカの嬉しそうな笑い声で、ホッとする。


『わたしも、できるなら、今すぐあゆちゃんのそばに行きたいな……。

───ね、あゆちゃん、いつごろから同棲始めようか?』


DO-SAY!? 急に飛び出てきたワードに、一瞬だけ動揺する私。

でも、結婚を前提に付き合うんだから、当然と言えば当然の質問だ。


「う~ん────可能なら、明日からでも始めたいけど……親の説得とか、

理由付けが要るから、やっぱり高校卒業と同時、っていうのが

ベストじゃないかな」


電光石火で脳内にてソロバンを弾き、ひとまずのヴィジョンを口にする。


『────やっぱり、卒業してからじゃないと、ダメ、かな』


「それは、うん……年齢的に、うちの親とか、許さないと思う。

いろいろな面でも」


『そう───……一緒に住む家とかは、すぐに用意できると思うんだけど、

あゆちゃんのご家族に理解してもらうのは、難しいよね………』


ん? “家”っておっしゃった? “部屋”でなく?

……“ふたりで住む場所”的なニュアンスで言ったのかな?


そう思ったけれど、私はヒメカの家族の考え方がどういうタイプなのか

気になったので、そっちをたずねることにする。


「ヒメカのご両親は、そういうことに対して、どんな風なの?

わりとおおらかな感じ?」


『あ、わたしの両親は、わたしが赤ちゃんの時に、亡くなってるの』


─────────────────────────────────。


あまりにも唐突に、さらりと言われてしまったので、絶句してしまった。


「ご、ごめん、私……」


『ううん、気にしないで。私、物心ついた時にはもう、両親はいなかったから。

逆に、辛いとか、そういう記憶はないの』


「……ヒメカ────」


ふと、出会った時の、ヒメカを思い出す。

木の下で、ひとり、座りこんでいた、女の子。


あの時のヒメカは、ひとりぼっち、だったのだろうか。


今さらながら、私は、胸を締め付けられるような思いになる。


『お祖母ばあ様と家の者にも、良くしてもらったし、本当、辛くなんて

なかったかな────ごめん、ちょっと、嘘。……寂しかったり、

悲しかったり、思い悩んでた時は、正直、あったよ。でも……』


と、ヒメカの、はにかんだような気配。


『わたしのこと、“お嫁さん”にしたい、って。“大好き”って言ってくれた

女の子がいたから。それからずっと、わたしの人生、光でいっぱいになった

気がするんだ』


「あっ……」


私じゃん。

私が、ヒメカと一緒にいたい一心で言った言葉が、ヒメカにとって、

そこまで大きなものになっていたとは。


途端に、申し訳ない気持ちになってしまう。

なんていうか、自分がまるで、幼い子供の弱みにつけこんだ悪いオトナ、

みたいに思えてきて。


『苦しくて、嫌な時があっても。その子との〈約束〉があったから、

ずっと頑張ってこれた。……だからね、わたしは今、両親がいないから

辛いなんてことは、ないよ』


なのに、ヒメカは、私のかつての言葉が、とても尊いもののように

語ってくれる。

そこまで、深く考えての言葉ではなかったというのに。


「ヒメカ────ごめん」


『えっ……ど、どうしたの、あゆちゃん?』


このタイミングでの、唐突な私の謝罪に、ヒメカが狼狽したような

声を出した。

うん───謝る必要はないのだろうけど。


私の、ヒメカとずっと一緒にいたい、っていう、わがままめいた願い。

それを神聖視しているようなヒメカに対して、

罪悪感を覚えてしまっていた。


けれど、そのことを説明するのは、複雑で難解だし、長くなる。

だから、直接的には謝罪の理由は話さず、この短い会話で浮かび上がった、

別の問題点を口にしていた。


「私、ヒメカと結婚したい、って。大好きだ、って言ってるくせに、

ヒメカのこと、まだ、全然知らなかった……」


本当に、浮かれすぎの大馬鹿である。

一方的に、自分の願いを押しつけて、たまたま相手がその願いを

了承してくれたからって─────。


ヒメカがどんな人間で、どんな気持ちでいるのか。

私は、ちゃんと考えてはいなかった。


アイドルを上っ面だけで持てはやして、賛美してるようなオタクファン、

っていうか。

要するに私は、自分のことしか、考えていなかったのである。


『……それは、当然だよ。わたしも同じだもの』


情けないやら、恥ずかしいやら。

私のそんな心中をわかっているかのような、ヒメカの声だった。


『十年以上、離ればなれだったから。でも、あゆちゃんのこと、

今日だけで、いろいろ知っちゃったよ?』


「え……」


『ゲームが好きで、瑠々江(るるえ)を選んだこととか……キスする時、

わたしの体、あちこち触ってくるのが好きそう、とか』


「ヒメカが柔らかすぎて、無意識に触ってました! ごめんなさい!」


本当に、夢中でヒメカを抱きしめてたから、欲望が手の動きに直結してたかも!

いくらなんでもあちこちまさぐりすぎてた!? ひええ!?


でもでも、ヒメカは怒ってなさそうなので、セーフ?

そういう問題じゃないか! 反省!


『わたしはあゆちゃんのお嫁さんだから、許してあげます。それに、その、

そのうち、もっと大事なところも────』


「え?」


『な、なんでもないよ。……とにかく。これから一日ずつ、お互いのことを

知っていくんだから。十年の空白を、埋めていくんだから。あの頃から、

わたしはあゆちゃんが大好きで、あゆちゃんも、同じ気持ちでいてくれるなら。

わたしたちは、お互いのこと、まだ何も知らなくても、全然大丈夫だよ』


「ヒメカ────」


ヤバ。

また、ウルッときてしまった。


もう、なんなのこの

どれだけ私を恋に落とせば気が済むの!? もう! 好き!


『───そうだ。これから毎日、寝る前に電話する時、お互いに、

好きな物をひとつずつ、教え合いっこしようか』


「あ、いいね。うん! そうしよう!」


本当に毎日電話してくれるんだ……!

やったぜ!、と心の中でガッツポーズを決める私。


『それじゃあ今夜は……あゆちゃんの、一番好きなおかず、教えて?』


おかず、おかず……そいつはキミだぜ、ハニー?

───オッケーわかってる、ヒメカが言ってるのは、私が反射的に

思い浮かべたようなのじゃないってことは。


ヒメカに対しては、そういう下世話なネタは厳禁、そう肝に銘じる私だった。


「私は、鶏の揚げ物が一番好きかな……ケ●タッキーのとか」


『鶏のお肉が好きなんだ?』


「お肉なら豚も牛も好きだけど───うん、やっぱり鶏肉が一番好き。

……ヒメカは?」


『わたしはね、ハンバーグ。駅前の、ファミレスの』


おおっと、これは意外。

ヒメカのイメージから、上流階級的で、聞いたことないような品目を

言ってくるかと身構えてた。


『あっ、あゆちゃん、今、子供っぽい、って思ったでしょ!』


「えっ、いや、そんなことないない。ただ、意外だな、っては、

思ったけど。ほ、ほら、子供っぽい、っていうなら、私のほうが子供っぽいよ?

ケ●タッキーだし」


『本当? 本当にそう思ってる?』


「ホント、ホント」


拗ねた子供のように訊いてくるヒメカがカワイくって、キュン死にしそう。

私の適当そうな返事に、もう、と若干不満げながら、

ヒメカは話を続けてきた。


『───家の者が、外食すると怒るから、なかなか食べられないんだけど。

十年ぶりに日本に戻ってきて、同じファミレスで食べてみたら、思い出の

味と変わってなくて、感動しちゃった』


「そっかー……。私、ファミレスでも鶏の唐揚げ定食一択だから、

ハンバーグ系のメニュー、食べたことなかったかも」


『じゃあ、今度、一緒に食べに行こう?』


「うん! 行こう! 約束ね!」


ヒメカの提案に、鼻息荒く、がっついてしまう私。

ヒメカはそんな私の反応に、楽しげな笑い声を立てる。


『うん、約束。詳しい予定は、また明日、話そうか。あんまり夜遅く

なっちゃうと、あゆちゃんに悪いし』


「私は、全然全然! このまま夜通しおしゃべりしたって、オッケーだよ?」


『わたしもそうしたいけど、それじゃ、わたしが先にコトン、

て眠っちゃうかも』


はいカワイイ~♪ “コトン”て表現と言い方が、もうカワイイ~♪


「残念。ヒメカの寝顔は、すっごく見たいのに。電話じゃダメだね」


『……わたしも、あゆちゃんの寝顔、見てみたいな』


私のキモげな欲望満載のタワ言に、はにかんだような声で

そう返してくれるヒメカ。

お互いに、テレビ通話をしたいわけではない、と、

わかっていての言葉だ。


デュフフ~、ウカツにそんなこと言うとったら、ワイもノリノリの

お調子乗りになってまうで~?


「いずれ、見ちゃうから、ね、お互いに」


『────うん』


電話越しでも、恥ずかしげな息遣いで、ヒメカが頬を染めて、

うなずいてくれたのがわかった。

………ふぅ────その反応だけで、胸がいっぱい、ありがとうございます!


「じゃあ、今夜は、その時を楽しみに想って、眠るね───

おやすみ、ヒメカ」


『うん、わたしも……おやすみなさい、あゆちゃん』


通話終了。


はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!

好きすぎて、困るゥゥゥ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!


携帯を胸元で抱きしめて、椅子の上でクネクネと悶えてしまう私である。

しかも、スク水姿で。


変態か。

うーん、自分でも否定できないトコが辛い。


ヒメカ好き好きゲージがMAX溜まりすぎて、このあとの予定がなかったら、

ベッドでハッスル(意味深)したいトコロ。


だが、ヒメカのためにも、今夜のうちに、やらなきゃいけないことがある。

よし! いっちょうやるか!、と気合いを入れ、携帯を机に置き、立ち上がった。


部屋の灯りを消して、そろりと窓を開ける。

初夏も間近とはいえ、入りこんでくる夜気は、まだひんやりとしていた。


それから、また、〈邪神〉パワーを使う。


直後、私の体が、ふわりと宙に浮いた。

〈力〉の制御は、〈邪神〉覚醒時に、完全に把握しているので、簡単に感じられる。


体を浮遊させるのと同時に、私の周囲に、光学迷彩的な、不思議〈力場フィールド〉を

発生させていた。


これで人間の肉眼では、私のスク水姿を捉えることはできなくなっている、という寸法である。

たぶん。


家の沿道に人の往来がないこと、ご近所さんが窓から外を見てやしないか、確認。

問題ないことを確かめてから、フワフワ・ソロソロ、という感じで、浮遊したまま、窓から外に出る。


窓を閉めて、電線に引っ掛かったりしないよう気をつけて、ゆっくりと上昇。


お、お、おお────────────────。

YEAH! I CAN FLY………!


なんて、思わず、某アメコミ映画のヒーローの台詞を思い浮かべてしまう。


歩き慣れた自分の生活圏を、こうして見下ろす機会なんて、通常ないので、

ちょっとした興奮と、感動を覚えていた。

いや、高くてちょっと怖い、ってのももちろんあるけど、

オラすっげぇワクワクすんぞ!的な感情が勝ってる感じ。


ちなみに視界は、〈邪神〉アイで感度良好。

暗いは暗いんだけど、なにもかもがクッキリと見えている。


なんだろう、パソコンとかの画像編集アプリで、明度はそのままで、

画像の被写体の輪郭をはっきり浮かび上がらせてる、みたいな。


それに、四月末の夜空の下、スク水姿でも、寒くない。

〈邪神〉ボディは、体温調節機能のほうも、バッチリのようだ。


グングンと、高度を上げていく。

とりあえず、高層ビルとかよりも高く上昇だ。


私の姿は、他人から見えなくなっているはずだけれど、それでも用心しておこう。


私のような、〈邪神〉の転生体や、ヒメカみたいな〈魔女〉が存在するのだ。

通りすがりの超能力者がいたりして、私の存在を感知できたりしちゃうかもしれない。


………ラノベと漫画の読みすぎかな?

でもまあ、人間、臆病すぎるほうが、ちょうどいい、っていうしね。


街灯りや車のライトの流れが、イイ感じの夜景に見えだした。

うわ~良い眺め───────!


……ヒメカと一緒に、この夜景を眺めたいな。

そして、夜の空をゆっくりと飛びながら、抱きしめ合ったり、キスしたり。


ふひっ、妄想がはばたいちゃうね……!


っと、イケナイ、イケナイ。

目的を忘れて、ヘヴン状態に浸ってしまうところだった。


障害物が一切ない高度に達してから、水平飛行をスタートする。

音速で飛行することも可能だけど、凄い音を出しちゃうと思うので、

まずは原付バイクくらいのスピードで。


乗ったことないけどね! イメージ! フィーリング!


うーん、なんだろ、人生初のフライト(文字通り)で、

アドレナリン出すぎかな?

ちょっぴりハイテンションになってるかもしれない。


─────私が向かっている場所は、海だ。


〈邪神〉クトゥルフ本体と、交信するためである。

日本から遠く離れた太平洋、緯度経度の地点、海底都市〈ルルイエ〉に

封印され、眠りについている、我が本体と………。


分かたれた魂ならば、いかに距離が隔てられていても、精神は繋がっている。

が、〈旧神エルダー・ゴッド〉による封印の結界に

阻害され───言うなれば、電波妨害されているような状態で、

地上からは、一切交信ができないのだ。


そこで、海そのものを媒介、要は導線ケーブルにして、〈邪神〉クトゥルフ本体に連絡を

つけよう、というわけである。

地球上のどんな大魔導師にもできっこない、〈邪神〉パワーだからこそ可能な、

力業ちからわざだ。


とはいえ、行おうとしているのは、〈邪神〉と、ちっぽけな人間との、

一対一の対話。

私が、分霊体の、転生体であっても、まともに取り合って

もらえるかどうか………。


それでも、やらなくては。

主に、私とヒメカの、

イチャイチャLOVEしまくる未来のために──────────!


およそ正義感とかとはかけ離れた理念で、空を飛翔し、一路、

海を目指す私であった………………………。

スク水のデザインは、各自のお好みで(≧∀≦)

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