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第65話 その先にあるものは?

「いいか、恋って言うのはそんな単純なものじゃないんだ」


 少し理解をし始めてきたのか、ワナビを俺の言葉を聞き逃すまいと、真剣な表情でうなずく。

 こういうひたむきな姿勢もこいつがやると可愛いな。


「いくら恋人になったからといっても、恥ずかしい気持ちがあるってのは分かっただろ? それでだな、い、いわゆる生殖行動というのをどうして求めるかというとだな、それは子供が欲しいという理由だけじゃないんだ」


「他に何か理由があるってこと?」


 ワナビの質問に深く頷く。

 うぅ、俺は十五歳の女の子にいったい何を説明しようとしているんだ……。

 この先の話を考えると、言葉を出す前から自分の顔が熱くなっているのが分かる。


「本当に誰かを好きになるとな、その人の声が聞きたくなる。もっと近くにいたくなる。触れたくなる。その身体的接触の欲求が羞恥心を超えるくらい高くなった先にそういう行為が存在しているんだ」


 俺は何を言ってるんだぁ! 今すぐ殺してほしい……。

 卑猥な話をもっともらしく語るとか、どんな羞恥プレイだよ……。


「……」


 ワナビはその言葉を聞いて深く考え込んでいる。正直不安しかない。

 次はどんな突飛な質問が出て来るのやら。


「わたし、さっきお兄さんにキスしたいって思った。それって身体的接触の欲求が勝ったってことだよね?」


「あ、あぁ。それは別に間違ってはいないが」


 そう答えるとワナビの目がキラキラしだした。

 もう嫌な予感しかしない。

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