第148話 女の子がそんなこと言う⁉
「お兄さん! 田中のおじさん動かなくなっちゃったよ!」
「あぁ、気持ち良すぎて寝たんじゃねーか?」
気を失ってるんだけどな。意識がないという点では同義だろ。
「でもなんかすごく叫んでたような……」
「気持ち良すぎて声が出ただけだ」
土嚢の袋を開ける手を休めることなく、適当に答えていく。
今までおっさんには散々してやられてきたんだ。これくらいの仕返しならたまにはいいだろ?
下手したら死ぬけど。
「お兄さんは大丈夫なの?」
「俺か? 見てわかるだろ。土嚢を元気に担げるくらい元気いっぱいだ!」
それは嘘。今でも体がミシミシと悲鳴を上げている。
でもそんなことは言わない。
だってそんなことを知って悲しむワナビの顔は見たくないから。
でも今後はどうにかしてマッサージをしないように説得しないといけないな。
でないと命がいくつあっても足りん。
ってなんでさっきからワナビは俺のことをじっと見てるんだ?
「……」
なんか怖い。
「……えい!」
「いだぁ!」
思いっきり大包を突かれてつい声が出ちまった。やべぇ……。
「やっぱり痛いんじゃない! なんで嘘つくのさ!」
「あははは……」
「教えてよ! 経絡秘孔って何⁉」
そこまでたどり着いてるのになんで正解を微妙に外すんだろうね、この子。
仕方ない。
「あのな、マッサージのはツボって言うけど、経絡秘孔ってのは急所って言うんだ」
「キ〇タマ?」
全然違う。
平然とした顔でなんてこと言ってんだ。




