第132話 それ冤罪だよね?
「全然汚くなんかないのに―」
だからそういう問題じゃないんだっての。
どうにも人間的な感情の機微というか、小さな心の動きに関して鈍いんだよなぁ。
こいつの祖父さんってのがどんな人だったのかすごく気になってきた。
「それじゃ、ご飯食べたら早速材料集めがてら川の方まで行ってみようか」
話はこれで終わったとばかりに、料理をがっつくワナビ。
こいつ、もうちょっと大人になったら少しはお淑やかになるんだろうか……。
「どうした、兄ちゃん。ワナビちゃんのことじっと見つめて。欲情か?」
おっさん!
「もう、こんなとこでおっぱじめないでよぉ」
おばさん⁉
「目のやり場に困るよねぇ」
恵ちゃんまで!!
なんなんだ、この親子。
この家庭の食卓は毎日こんな話題で埋め尽くされているんだろうか。
頭痛くなってきた……。
「はぁ。まともな人間に会いたい」
「何言ってんだ、兄ちゃんが一番ヤバいやつじゃねーか」
お前にだけは言われたくねーよ。誰がヤバいやつだ。
「ロリコンだしねぇ」
「スケコマシだし」
おばさん! 恵ちゃん!
「あら、スケコマシなの?」
「うん、恵にも既に手を出してるよ」
「あらあらまぁまぁ」
恵ちゃんが勝手に言ってることだろうがぁあ!
何勝手に親子で既成事実作ろうとしてやがるんだ!
そんなこと言ったらまたワナビの機嫌が悪く……。
「あぐあぐあぐあぐ……!」
食いもんに夢中で聞いちゃいねー。




