第106話 自分で?
「こらこらこらこら。いくら恋人同士でもそれはダメだって」
さすがに寝てる間にズボンを脱がされてはシャレにならん。
頭を高速回転させてどうにか目を覚まし、学の暴挙はなんとか未然に防ぐことが出来た。
「なんだ起きたんだ。そのまま寝ててよかったのに」
心底残念そうな顔をするんじゃない。
「恋人でも同意なしにそういうことすると犯罪になるんだぞ」
「何言ってるの。知らない間に終わらせれば犯罪が成立しないでしょ」
危険な思想を持つんじゃない。
頭のいいやつってのは何を考え出すか読めないな。
まだ少しはっきりしない頭を目覚めさせるため、横たわっていたベッドから身を起こし、腰掛ける。
そんな俺の目の前にはカメラが差し出されていた。
「……ナニコレ?」
「撮って」
ナニヲ?
「お兄さんが自分で撮れば問題ないでしょ? 参考画像よろしく」
「撮らねーよ! 俺は変態じゃねー!」
そういう画像を勝手に送り付ける話は聞いたことがあるが、女性側に撮ってくれと言われるのは聞いたことがないぞ。
恋人同士ならそういう画像を送り合うのもアリなのか? いやないない。
学と話してると自分の中の常識を保つのが難しくなってくる。しっかりしろよ、俺。
「だからそういうのは一気に知らなくてもいいんだって言っただろ? それもまたおいおいだ」
「減るもんじゃ無し。ケチー」
発言がおっさん臭いわ。




