因果
目が覚める……。
この懐かしいベットのやわらかさ、知っている天井を見上げ僕は横たわっている。
意識がはっきりしない……なぜ僕はここにいる?
なぜ今僕は地下機密人物監獄所にいるんだ……。
記憶が途切れ途切れで確か……、僕は土御門との戦闘で鬼化した所までは思い出せる。
コンコン、扉を叩く音。
「やっと回復したか……目覚めてすぐで悪いけど、少し付き合ってもらうよ」
「せっ……先生、少し質問してもいいですか……、今日は何月何日ですか」
「……6月2日だよ」
その言葉を聞き愕然とした、僕は2ヶ月も記憶が飛んでいたのかと。
——暗く静かな狭い通路を先生の後ろについて歩いて行く
その間今起きている学園の現状を先生から知る事になる。
大きく変わった事それは、あの事件以降退学者が続出しているとの事だった。
現在退学者……237人、特に1年6組からの退学者が多く73人中53人が自主退学を希望したとの事であった。
それから、鬼化した土御門、蘆屋、賀茂の3名は鬼化の症状が現在無くなってるどころか、身体中健康状態だとの事であった。
3人に限った話でも無くクラスメイト全員が無傷との事であった、唯一僕だけが顔中から血を流し全身火傷になり、その場で死んでいたらしい。
これを見つけた第1発見者が天城校長だったのが幸いだった。
そして歩く事10分辿り着いた場所は第一会議室、中へ入ると天城校長、清水本部長、下国本部長達が待っている。
デジャブの様な体験であった、1つ違う所を挙げるなら全員が真剣な表情である事であろうか……
あの天城校長でさえ。
張り詰めた空間、天城校長が口を開ける。
「最初に伏見君、何で君がここに居るのかは分かっているよね?」
威圧、恐怖、天城校長のその一言で僕は心臓を握り締められている様な感覚に陥った。
「……はい、ルールを破り自分の判断で鬼化をしました」
「そうだね、だから僕は君をアビスへ入れたそれだけさ」
心臓の鼓動が早くなる、『怖い』『逃げ出したい』『助けて』
僕の中で感情が乱れ合う。
「……」
「……」
沈黙が続く。
「なーんてね」(´▽`)
「——ッヘェ?」
天城校長の感情の緩急に言葉が詰まる。
「確かに伏見君はルールを破った、けーど! そのお陰で被害は最小限に抑えられました。
それに白銀の角の能力も少しだけど分かったし! だからね、今回は特例で許してあげましょう」
「……あっ、ありがとうございます!」
最小限……一応僕死んでるんですが、まぁ生き返るから良いですが……
「だからって次もやって良いって事にならないからね、気をつけてね」(ò_ó)
「はい……」
今日の天城校長、表情豊かだな……、それにしてもだ、小野目先生にも聞いていたが疑問に残る事がある。
「天城校長、1つ質問良いですか? クラメイト全員が無傷だと聞いているのですが、僕は確かに確認したんです、皆んな死ぬ寸前だった事を」
「それはね〜」
「ここからは私が伝えよう」
「えー、しーちゃんなんでー」
「ちょっとね、こちらも忙しい身だ天城あんたが話していると無駄に時間がかかる。
分かるねぇ、少し口を閉じてくれると助かるんだが」
冷気が部屋中を包む。
「はい……」(´ー`)
「さて、天城が黙った所で、伏見君、新たに分かった君の能力と今浮上してきた敵の情報を教えようか」
1つ、【治癒】
「今までは自分自身を回復するものだと思っていたのだけど、他者にも使える事が分かった。
でもだ、一緒くたに治癒といっても自分と他者とは違うらしい」
自分自身の治癒は簡単に言うと自然治癒力が活発になり人の何百倍のスピードで傷口を塞いでいるに過ぎない。
他者に使う治癒とは、いわば【吸収】
「他者の傷、病気、呪いまで全て吸い取る。
だからだねぇ伏見君が死んだのは、その場にいた全ての人の傷、呪いを全て背負ったんだからねぇ。
まぁ死ねばまた正常な体に戻るらしいがね」
「へぇー、不老不死だから成せる技ってやつか! じゃあ俺の偏頭痛も直してくれよー! 」
「龍御、あんたも黙ってくれるかい?」
「ヘーイ」
僕はこの話を聞いても自分がしたとは想像できなかった、あの時はただ何かできないか無我夢中だった
無意識だったのだろうどう発動したのかも……よくわからない。
「これが今回分かった事だけど、大丈夫かい? 着いてこれてるかい?」
「……はい、大丈夫です」
「そうかい、……それとこれは私個人の意見で済まないが1つ良いかな?」
「はい」
「この力【吸収】は余り使わない事を勧めておく」
「どう言うこと事ですか……、それは傷ついた人を見て見ぬフリをしろって事でしょうか?
僕は死ねば元に戻るんですよね、それに僕……いや、この力は皆さん陰陽道としても喉から手が出るほどに欲しいもののはずでは」
「確かに、伏見君の言っていることは正論だと思うよ、けどねぇ私は君が心配なんだよ……」
それは……
「伏見君、君の体は治っても脳には痛み、死という苦しみの記憶が残り続けるんだよ……、それを何百何千と繰り返してみな、君は君じゃなくなってしまうかもしれないんだよ」
けど……僕は、それしか……この力を使わなければ
「誰1人守ることはできない……」
あぁ……つくづく思う、僕は力があるのにそれを使いこなす能力が欠けていると……
この力が小野目先生や遊馬の様な人に宿っていたらと考えてしまう。
「勘違いしないでねぇ、使うなとは言わないよ、使いどきを見定めなさいって事よ」
下国本部長は僕を心配してくれている、けど……この傷はいつかは治るからと見捨てるのは合っているのだろうか? それは差別になるのだろうか?
僕にまだこの答えは出せそうもない……。
「そして、これから伏見君達を襲った敵に付いて話そうか」
「しーちゃん! それは僕に話させてー!
調査をしてきたのは関東本部だよ、だからそれは僕が話す権利があるはずだー!」
「あぁ、まぁそうだけど……はぁいいよ話な」
「ワッ」(о´∀`о)
ずっと話したくてたまらなかったのだろうな……。
「じゃ話すね、僕らに牙を向けた宗教団体【リバイブ教団】について」




