ちょっとの嘘
保安官の説明に、ザックが「狩りするの?」と楽し気な声をあげ、ウィルがうちの犬もつれていこうか?と反応し、ニコルは、ほっとしたようにうなずいた。
「そういうことなら・・・。悪いがおれは参加しなくていいか?」
すまなさそうに肩をすくめるのに、ケンを二人分働かせるから気にするな、とレオンはその肩をたたいて見送り、最後に会議室にはいったところで、「 ―― さっきのは、多少の嘘がある」とつげた。
「だとおもった」
ジャンがわらっていうのに、まわりもにやけた顔をする。
「なんだよお、『狩り』するんじゃねえの?」
ザックだけが不服そうな顔するのに、レオンはめずらしく優しい笑みをむけてやる。
「安心しろ。『狩り』に行ってもらうことにかわりはない。 ―― 相手が『野犬』かどうかは、わからないがな」
「『野犬』じゃない動物って?だって、バーノルドに熊はいねえんだろ?」
前に保安官からそうきいていた。
これに、レオンはみんながみたこともないような、さらにやさしげな笑みをうかべてザックに聞き返した。
「だれが、バーノルドの森で、なんて言った?」
レオンから受け取っていた封筒の中身を、ジャンがうんざりしたようにテーブルにひろげた。
保安官のレオンとバーノルドの森については、よろしければ『魔女は 』をひろい読みしてみてください。。。