6、それは(好き)という感情
.....。
☆(狭山渚)サイド☆
私は.....疲れているんだろう。
先輩の格好良いところを見る度に火がつく程に恥ずかしい。
そして何か知らないがとにかく.....その。
よく分からない感情が襲う。
私は考えながらプリクラを撮った後。
私達は移動をしていた。
すると目の前に.....夢洲先輩が居た。
その顔はやつれている。
そしてその事に気付いた様に先輩も反応する。
「.....あ.....」
夢洲先輩がこっちに気付いた様にビクッとする。
それから俯く感じになった。
私はそれを見ていると先輩が私を後ろに行かせた。
そして先輩は「何をしているんだ」と聞く。
「.....その。色々だよ.....買い物とか」
「そうか。それは結構。じゃあな」
そして冷たく言い放ちながら先輩は歩く。
私もちょこちょこと後ろを付いて行く感じで歩いた。
すると夢洲先輩は「の、伸晃」と言葉を発する。
先輩の足が止まった。
「私達はやり直せないかな」
「.....何を言っているんだ?お前は。馬鹿なのか?無理に決まっているだろ」
「そ、そうだよね。.....うん」
私の手を握りながら歩き出す先輩。
それから私達は入り口までやって来ると先輩が「嫌なものを見たな」と私に向いてくる。
私はその言葉に首を振る。
そして「大丈夫です」と反応した。
その言葉に先輩は「そうか」と言う。
「それにしても今更、何だアイツは。.....最低な野郎だ」
「.....はい」
「.....俺はもうよりは戻したくないのに」
「.....ですね」
そう言いながら歩き始める。
すると目の前から今度は牡丹がやって来た。
部活終わりの様だ。
何人かと一緒である。
「君が牡丹さん?」
「そうですね。初めまして。私は.....新山牡丹です」
「.....俺は佐竹伸晃だ。.....いつも後輩がお世話になっているな」
「まさか。私がお世話になっていますので」
「.....そうか」
私は牡丹を見る。
すると牡丹は「どう?デートは」と聞いてくる。
その言葉に「で、デートじゃないよ?」と私は思いっきり赤面する。
「それは無いでしょー」と牡丹は揶揄ってくる。
まさか。
「.....私が先輩を好きなんてありえないしね。.....うん」
「.....」
「.....それは認めても良いんじゃない?渚」
「.....え?」
先輩は少しだけ複雑な顔をする中。
牡丹は私に「それは好きって事だよ。先輩がね」とニコッとした。
私は「.....」と考えてから「ふぁ?」という感じになる。
それから急速に真っ赤になった。
熱くなる。
「ま、まさか!?私が.....先輩を.....」
「.....でもずっと憧れていたんでしょ?先輩に」
「でも先輩には彼女さんが.....あ。居ないか」
「取られたくないでしょ?」
「.....それは勿論。私の抱き枕だし」
「じゃあ認めて良いんじゃない?渚」
私はありえないぐらいに真っ赤になる。
それから俯いて目を回す。
まさか。
私は.....恋をしているのか?
そう考えながら私はこれまでの事を思い出す。
「.....先輩.....私は.....」
「.....そうだな。そうかもしれないな」
「でも私なんかが先輩を好きになって良い訳がないです。私は.....仮にもこんなに身長低いですし.....ただの帰宅部ですし.....」
「恋ってのは不思議だな。渚。.....ごめんな。今まで黙っていて.....ちょっと俺の口から言うのもどうかと思ったから」
「.....ありえない.....」
私はモジモジする。
それから汗を流しながら2人を見た。
すると「先輩」と牡丹が切り出す。
そして「彼女と付き合ってくれませんか」と頭を下げた。
私はまさかの事に「ま、待って!?」と大慌てになる。
何故そうなる。
「どうして?新山さん」
「私はかつて渚に助けられました。.....だから彼女に精一杯の恩返しがしたいんです」
「.....」
「あの日。彼女は自殺しようとした私を助けてくれた。中学3年生の入試の時の失敗した時に.....命の恩人であり.....大切な人なんです」
「.....いやでもあれは救ったとは言えないよ。.....牡丹.....」
私は目を回しながら反応する。
だが牡丹は真剣な顔のまま「お願いします」と頭を下げた。
すると先輩は「.....彼女の意思も尊重したいって思う」と答えた。
そして「だけど今は無理だ。感情的に」と言う。
「.....そうですか.....」
「だけど」
「.....?」
「俺がもし感情を整える事が出来たら。.....その時は改めて考える」
「.....先輩.....」
その言葉を受けながら牡丹は「はい」と返事をした。
私は先輩を見た。
先輩は私を見ながら「優しい良い友人を持ったな」と言ってくる。
私はモジモジしながら「.....はい」と返事をした。
こうして私は(先輩を好きになっていた)という衝撃の事実が判明してしまった。
予想外の展開だった。
私は.....そんな感情になっているとか全然思わなかったのだが。
.....。