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4、イケメン

.....。

☆(狭山渚)サイド☆


先輩が私を連れて放課後に良い場所に連れて行ってくれると言った。

私は「???」を浮かべながら先輩を見る。

そして私達は別れてから教室に戻ってから授業を受けて.....部活に向かうという牡丹と別れて.....と言うか牡丹は凄く心配していたが。

だけど私は「大丈夫だよ」と言い宥めて待ち合わせ場所にやって来た。


校門の目の前に先輩が立っていた。

笑みを浮かべて手を振っている。

私はその姿に手を振りかえして近付く。

すると先輩は苦笑いを浮かべた。


「渚。.....心配ありがとうな」

「.....いいえ。.....先輩は彼女さんを振ったんですよね?」

「そうだな。結論から言ってそうなる」

「そうですか.....あ。今日はどこに連れて行ってくれるんですか?」

「.....ショッピングモールに行きたくてな。.....フリーになった記念だ」

「そうですかー。.....私は何故お呼ばれしたんですか?」


「お前は付き合いやすいからだ」と先輩は言ってくれる。

私は笑みを浮かべて「ですか〜!」と笑顔になる。

というかあれ?

何故か先輩の彼女が振られた。

この事に喜んでいる自分が居る。

何故?


「.....どうした?」

「いえ。何でもないです。早速先輩。ぎゅっとして良いですか?」

「ぎゅっとして良いってお前な.....」

「だって先輩は抱きつきやすいですから」

「俺は人形か?」

「いえ。ぬいぐるみです」


「酷い話だ」と呟きながら歩き出す先輩。

その背中を必死に追う。

それにしても先輩は大きいなって思う。

私は前髪をかき分けながら必死に見上げる。


「そういや.....お前って前髪切らないの?」

「.....あ.....それはちょっと。人の目線が気になるので」

「そっか。じゃあ無理はしない方がいいな」

「そうですね」


それから歩いて私達はショッピングモールにやって来る。

このショッピングモールは近所に最近できた大型の複合施設だ。

私は何だか嬉しくなりながら見上げる。

すると先輩が私を見てきた。


「子供みたいにはしゃぐなよ?」

「私は子供じゃないですよー」

「どうだか。.....お前さんの事、だいぶ子供だと思うしな」

「酷いですねぇ」


だけど先輩と一緒だからワクワクはする。

でも何でこんなにワクワクするのかは分からない。

何というか胸が張り裂けそうなぐらい興奮している。

一体何故なのか。

考えながら居るとショッピングモールの入り口に立った先輩に「置いていくぞー」と言われた。


「先輩!待って!?」


私は慌てて追いかける。

それからショッピングモールの中に入って行く。

するとそこはまるで異世界の光景だった。


大きな世界だ。

前にも何回か来たけど.....何か感じが違う。

何故なのか。


「ペットショップがあるな」

「そうですね。先輩」

「.....犬は可愛いけど飼えないもんな」

「私は金銭面の問題で飼えないです」


目の前のゲージに入っているワンコと猫ちゃんを見る私達。

その姿はとても愛らしい。

まだ赤ちゃんだ。


私は目を輝かせながら「先輩。可愛いですね」と先輩を見てから私は心臓が跳ね上がる。

何故ならいつもの先輩ではなくイケメン先輩が居たから。

先輩は「そうだな」と返事をしながら笑みを浮かべる。


「.....ぅ」

「.....?.....大丈夫か?」


大慌てで私は胸に手を添える。

そして「だ、大丈夫です」と否定をした。

それから胸を撫でて心臓を落ち着かせてみる。

何だ今のは.....。


「こっちも可愛いな。シュナウザーのミックスらしい」

「.....」

「.....おい。大丈夫か?何だか.....」

「ヒャい!大丈夫です!」


「お前らしくないぞ」と言われながら背中を優しく叩いて私を見てくる先輩。

私はその手にドクンドクンと心臓が張り裂けそうなぐらい漲る。

そして私は慌てて立ち上がると。

膝の痺れでよろめいてしまう。

それを思いっきり支えてくれる先輩。


「おっと。急に曲げた膝を伸ばすと危ないぞ」

「あ、ありがとうございます」

「.....どうしたんだ?様子がおかしいぞ。お前」

「.....先輩。私の今の現状を言っても笑わないですか?」

「.....?.....ああ」


「何か胸が大きく高鳴っています。それも先輩を見ると」と私は正直にありのままを告白する。

すると先輩は「.....なるほどな」と数秒間考えて言いながら顎に手を添える。

それから「大丈夫だ。それは多分忙しない学校生活で疲れているだけだろ」と話す。

なるほど。


「ありがとうございます!やっぱり流石先輩です!そういう事だったんですね!」

「.....」

「.....先輩?」

「.....いや。何でもないよ。ゴメン」


それから先輩は「じゃあ徐々に見ていこうか」と手を差し伸ばしてくる。

私はその手をニコッとしながら掴む。

そして「はい」と返事をした。


そっか。私は疲れているだけか。

そうだよね。

きっとそうだ。

.....。

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