表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
無謀で勇敢な者に一欠片の自由を
147/180

町内攻防戦④

『このまま走り続ければ目的地に辿り着くのですが、回復魔法で早々に復帰したフリデップがこちらを追うようにしてますが私が【気配遮断】でこちらには気づいていないようです』


「煙幕で両者とも視界が潰れている状況下で【水球】を操作して攻撃してたみたいだけど良かったのか…?でも、回復魔法で立て直してきたし間違いという訳でもないからな…」


 フリデップの持っていた魔剣から煙幕が放たれたことを起点に上手い事身を隠してさっきから独り言とは言えない位ずっとブツブツと語りかける『忠義』の賢者の石はこの場所に長時間い続けると他の誓約者が殴り込みに来る可能性があるからこの場から離れた方がいいと言われ続けている。こんな戦闘中に言う事じゃないと思うが確かに『忠義』にも一理があるのは分かっている、後々戦わないといけないのは分かっているのだが如何せん想定していないことが起きている訳だ。


 一応『アルチャー』が用意してくれた馬車を使っているのだが、使い捨てで放って置いて勝手に使われでもしたら後味が悪いので使えなくなる状態までは何が何でも使う予定だというのに監視員の連中が想像以上に馬車に辿り着くのが早かったので乗り捨てた訳だがあの馬車には騎手と護衛を任せて置いたから大丈夫だと思いたいのだが…


 走り続けるとそこには誰もいない馬車がポツンと結界魔法によって隠されており、何も言わずに荷台に乗り込み床を数回叩くと独りでに馬車が動き始め入り組んだ道を走り始めた。無事に動いたことを確認しつつ周りを警戒する。


「結界魔法とか完璧すぎる隠蔽の仕方だがこういうのもポトッル教授とかの入れ知恵か?」


「まぁ、そんな所ですね。野外の研究とかはかなり慎重に動かないといけないんで慣れているのもありましたけどジェバルさんが渡してくれた【空疎の外套】のお陰で深くまで被れば視覚的に姿を消せれたので助かりました」


「こっちに戻って来た時に一度試させて貰いましたけど、かなり扱いやすいので非戦闘員の私とか重宝ものですね」


「お礼はフィレグに言ってくれ、それよりこのまま突っ切って本物の森林に入って一日過ごそうと思っているんだがいいか?」


「自分は賛成です。一日目からこんな戦闘に巻き込まれるとは思っていませんでしたので同じように出来る限り身を隠したいですが、この争奪戦の鍵になる賢者の石をどうにかして奪い取らないといけないので積極的に戦いの中に入っていかないと…」


 何もない所から姿を現したのは【空疎の外套】を被っていたオルフィットだった。馬を走らせるように促せながらもこっちに耳を傾かせてくれていたがオルフィットの言うように始まってすぐだというのに自分が持つ『忠義』の賢者の石を奪おうとやって来た監視員を振り切って連戦でも戦える状態に持っていきたい、それに融通の利かない賢者の石をどうにかしたいからな。


「一直線でこの町を離れられる箇所に辿り着いたら自分が魔法で合図を送るからその時に皆が来てくれるといいんだが…」


『戦闘による魔力の分散が激しく気付かれにくいかと』


「一応皆さんには、こういう事態の時に集まれるような手段はあるのでいいんですが…」


「あ、これありがとうございました。お陰で助かった所もありますし」


 上手くその場を逃れることが出来たが、ルウェーの所とか凄いことになってたからな…荷台から顔を覗かせているとオルフィットに貸していた【空疎の外套】と縮微の水琴鈴を置いたようで【宝物庫】に大切に入れながら再び荷台から顔を覗かせる。


 監視員がこちらに向かって馬を全速力で走らせている時、数人荷台いる自分達よりも速い監視員に追い付いてしまうことは分かり切っていた事だったので、オルフィットの姿を認識させないために【空疎の外套】と足止めを申し出たウェールの魔力を認識させないために縮微の水琴鈴を渡していた。


 誰かしら馬車に辿り着いたら隠れていたオルフィットと共に逃げられるギリギリの所に辿り着くという作戦だったが一応上手くいっている訳だが…再び一直線に狙い放たれた矢がこちらに飛んでくる。払い落としたがこのまま連続して矢を撃ち込まれたら背後にいるオルフィットを完璧に守り切れるとは限れない。


「オルフィット!そのまま門に向かって馬を走らせてくれ、なるべく攻撃が行かない様にするから!」


「了解です!」


 誰か一人でもここにいてくれたら助かるのだが…荷台から飛び降りて魔力感知で居場所を突き止め勢いを殺さずに走ると力強く弓を引かれた矢がこちらに近づき二本に分裂すると付与魔法が発動したのか青白く光るとそのまま豪雨のように瞬く間に増殖して自分に降りかかる。


 変光星から【超煌弾】を目の前に放ち爆風で矢を何とかしてそのまま突っ切ると足を掠め取ろうと剣を振るっていた攻撃をジャンプして避けて変光星を前に突き出すが突如として現れた霧…靄?に紛れてそもそも攻撃が当たっていたのかさえ分からなかった。


 『忠義』の賢者の石が風魔法で靄を素早く押し流すとそのまま【疾風】と魔法が分かると短剣の形へと変化すると、背後で息を潜めていたフリデップに容赦なく飛んでいき放たれた矢すらも無効化すると弓を持っていた左手を断ち切ろうとするが再び靄が湧き出て空を斬る結果となってしまった。


『信じられない程厄介な魔剣ですね…危険時には必ず靄を生み出していて、実際にその場にいると思わせておいて魔力による簡易的な幻影を含むのは非常に厄介です』


(同じように爆風で吹き飛ばしたとしても既に後手に回っているかもしれないって訳か…)


『そういうことですね、せめて相手の攻撃手段を減らせればあの靄も何とかできるのですが…』


 『忠義』の言葉を聞いて、魔力を再び変光星に込め直してすぐ行動に移り始める、【起爆】をしつつも【超煌弾】を転がし爆発させ靄を吹き飛ばすと先程とは遠い場所にフリデップが弓を構えていた。魔力が瞬時に集まったのを感じ取ってあのとんでもな攻撃が来ると読んだが何か起こる訳でもなくただ普通の矢が飛んできた。


 変光星を振るい焼き尽くして、後ろに下がるフリデップに警戒してそのまま追い続ける。馬車から自分を離そうとしているのか?そこまで深追いするつもりはないが他の監視員の中でも矢での攻撃が出来るフリデップを野放しにしていれば、ずっと鬱陶しい遠距離攻撃を浴びることになってしまう。


 だったらこのまま攻め続けるのが正解、変光星を【回転型】に変えてそのまま一直線にさっきフリデップが居た筈てあろう靄の中へ刃を飛ばす。地面に突き刺さったのを感触で感じ、力一杯引き戻しフリデップの元に最短距離でぶつかり【宝物庫】から取り出した新星を互いにぶつける。


「やっぱり、その魔剣想定外を生み出すから大っ嫌いだな!」


「そっちの靄も想像以上に面倒だっての!」


 変光星の刃がギャルギャルと音を立てて戻る中建物を破壊しながらだが横振りをして押し負けそうな攻撃を対処するために強制的に避けるか、立ち向かうかの選択を迫らせて危機感を持ったフリデップは一度こちらの攻撃を弾き飛ばしつつ靄に剣を突っ込むと横に薙いでいた変光星を押し留めるような感触があった。


 変光星を一度手放し不自然に靄が濃い箇所に魔剣を差し込んでいるフリデップに向かって新星を手にして斬りかかる。攻撃を防ぐために消えかかっていた魔剣を靄から引き抜くと構えたような動きが無いにも変わらず何もない所で新星が受け止められてしまったが既に【水球】と姿を持っていた『忠義』が放った【熱線】が拮抗した状況に横槍をいれてた後、【疾風】を短剣のように仕立て上げ靄を晴らす。


 靄が晴れると不自然な箇所で受け止められていた新星は何事もなく縦に振ることができたから…やっぱりあの靄が何かしら悪さしているしかないから、靄が発生したら一度間を置いて動きを見つつ攻撃を与えるようにするしかない。地面を抉りながら固まっていた変光星を回収しつつ再びフリデップがいる方向に変光星の刃を飛ばして距離を詰める。


「【霞夢】」


「【恒久】」


 さっきのゆったりとした靄の出方とは明らかに圧倒的な速さに内心驚きながらも距離を詰めることはできた。刃を即座に戻すために変光星に回転を掛けて即座にギリギリ狙える範囲だった足元を掠め取るように動かすがフリデップに刃が当たるが幻影か空を斬った。


 だが、今ので確信した。このままだと何も出来ずに一方的に攻撃を受けることになるだろう、手の内を晒す事も考えて不用意に使うわけにもいかないと思っていたが試運転ながらこの靄を吹き飛ばす為【宝物庫】からゆっくりと剣を引き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ