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ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
水天一碧の広大な場を駆け巡る
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水天一碧に飾れ、幾万天の星々 其の十九

 足元から生えてくる血の腕のような物を攻撃の一つとして打ち込んでくるが変光星を【回転型】に切り替えてすぐに【恒久(ルーディー)】を起動させ傷一つさえつかない壁をクッションとして代用して振り回して向けられた攻撃を綺麗に切り刻むことができたのだが…今まで使って来た筈の【恒久(ルーディー)】なのだがうまく制御できたのがこれで初めてな気がするのは何だか悲しくなってくる…まぁ、壊れない壁のお陰で成功例を覚えることができると考えればいいと決めつけ後退しながら蛇腹剣の刃を戻して次はこちら側から攻撃を仕掛ける。


 変光星に振り回される前に体勢を戻しつつ前もって一直線に振り切っといた変光星は徐々に速さを失っていき床に当たると反発するように【恒久】が発動して左右の壁を反射しながら【血の権力者】に向かって攻撃する攻撃には惑わされているのか動きを見てすぐに足を動かして【宝物庫】から新星を取り出してあらかじめ格納(ストック)しておいた【天雷】がレーザービームのように一直線に廊下を渡り轟音を出しながら【血の権力者】の流動的な体を直撃すると同時に【起爆】と同じように爆散した。


 一瞬何だか分からずに戸惑ってしまった【血の権力者】だったが格納しておいた【天雷】が上手いこと相手に攻撃として刺さったのだろう。それにしても魔力感知ができないとしても【透過】を使って避けるなんていう荒技を使うような真似をしてこなかっただけまだマシと言えるのか…痺れで少し動きが鈍っている【血の権力者】を見て攻撃のチャンスと読み飛ばしたままの蛇腹剣の刃を自身の元に戻した後走ってギリギリ【恒久】が連続して動かせるような間合いに動こうとする


「あっぶね!」


『クソ、後少しだったのに…!』


 それまで痺れて動くのに多少時間がかかるのかと思っていたのだが足元から短剣を飛ばしてくるところがあるから本当に油断ならない、前に飛ばそうと動かしていた変光星の刃を無理矢理動かして足元に生えてくる短剣にぶつけて対処すると後ろから【氷槍】が【血の権力者】の体に刺さった。


『次から次へと…脆弱な人間共がァ…!』


「ジェバル、大丈夫!?」


「マディーさんありがとうございます」


 すぐに隣に駆けつけてくれたマディーさんを見るにルウェーが守護者についてや目の前に現れたであろう【血の権力者】の説明をしてくれたのだろう、横で構えられた【新雪の華(スノーフラワー)】はマディーさんが望む通り足元から【氷結世界】が広がっているのだが外部まで影響を及ぼすほどだっただろうか…


「【血の権力者】は前に少し戦って面倒だった記憶しかないけどその短剣を飛ばす攻撃は一回見たから対処は可能…!【雪泥鴻爪(フェイレス・アバウト)】」


『こんなのに構っていられないな【靡波】』


 今まで人型だった【血の権力者】の姿が悪食のような姿に変わったと思ったら頭が分裂して二つに分かれた?口が裂けて血の短剣を連続して飛ばしてくるので攻撃を変光星で対処しようとしたのだがそれよりも早く動いたマディーさんの振った【新雪の華】に反応するように【氷結世界】が姿を変える。

冷気と共に三本の氷の剣が宙に舞い始めると【血の権力者】の元に向かい斬りつけに向かったのだが攻撃を向けられた本人は床に垂れていた大量の血を波に変えて前一面を真っ赤に染め上げるとすぐに氷の剣が瞬時に魔法を消し去ると先程までいた【血の権力者】が消えていた。


「ジェバル!すぐに【血の権力者】を追うんだ!反対方面にいるアウェル達が戦っている他の【血の権力者】と合流させたら色々不味いことになる!」


「ちょっと、ルウェー君!腕の止血終わってないんだから動かないでよ普通だったら止血できる魔力を使ってるのに一向に収まらないのはおかしいんだから!」


 あの一瞬で消えたことに驚きを隠せなかったのだが部屋の中で安静にしていたルウェーが顔出して大きな声を出してハッとする事ができたのだがそれよりも斬られた左腕から大量の血が垂れているのをグリエさんが手当てをしているようだったが上手くいかない様子を見ていると「何こっちを見ているんだ!さっさと行け!」と顔色を悪くしながらも言うルウェーの言葉にすぐに中央に続く廊下をマディーさんと走る。


 曲がり角を左に曲がって中央の階段が見えてきた所で炎を撒き散らしながら悪食の姿をしている【血の権力者】と一戦交えていたアウェルの姿が見えるとこちら側に後退してくるとさっきまで戦っていた悪食が忽然と姿を現したのだが後退してきた悪食に吸収され姿が消したのだ。


『アウェルよ…お前の仲間が来たようだが私の仲間も来て無事吸収できた…状況は何一つも変わらないぞ?』


「ぬぅぅぅ!!【盛楓冥月(セイフウメイゲツ)】!」


 アウェルが飛ばした斬撃を悪食が垂れ流しにしていた血の池から血が生きるように蠢き始め攻撃を防ぎ切るとアウェルとこちらに攻撃をするように撃ち込んできた、マディーさんの前に立ち蛇腹剣の変光星を動かして飛ばして来た攻撃を弾き切りすぐに走ってアウェルと同じように攻撃体勢に移る。


「図々しい所は変わらないのは【血の権力者】の悪い所なんだろうなっ【起爆】!」


 アウェルの攻撃に合わせて変光星をすぐに【爆発型】に戻して火を灯して斬り込みに行くが【血の権力者】に直接当たることはなく床に変光星を当てつける結果になってしまったが【起爆】を再使用して反発させる。

後退も兼ねた行動を取るがそれよりもアウェルに攻撃の手を回しているようで悪食の頭上を飛び抜けながら手に握り締めている刀を振るうが自分と同じように空振りに終わってしまったがすぐに攻撃に移る姿勢を取っていた。


「感謝する、ジェバル。少しキツくてな…」


「こっちも逃してしまった後に吸収?されてこの状況だ、こっちもすぐに動ければよかったんだけど上手く【透過】を使ってきてな」


「気遣いだけで大丈夫だ、今【千羽戯楽】がいつも以上にやる気なんだ。守る筈の人物を攻撃してしまうことになってしまったことは残念だが取り戻せそうなんだ」


 静かに喋るアウェルよりも魔力感知が使えないこの状況でも溢れ出ていると何となく感じられる【千羽戯楽】の圧は目の前で治癒している【血の権力者】に向けられているようにも感じられるのだが…


「大丈夫だ…できるから…」


 弱々しい声を口に出しながらも喋るアウェルが急に背を正して【血の権力者】の方向を見ていたのだがその挙動は誰が見てもおかしかった。心配でアウェルを今すぐにでも戦いから離したいのだがこの張り詰めた状況の中でどう切り抜けるか…ここからが正念場だ。
































 息ができない…苦しい…何故この因縁となる敵と正面に立ち攻防を続けていたのにいつからか呼吸さえもままならない状態が続いていた。少し休んで息を整えたいのだが攻撃は止まるわけではない、相手はフィレグ…容赦しないで戦うのはあいつの悪い癖だ。苦しい姿をしていても攻撃は甘えさせないフィレグはいつも通りだ

 ジェバルが後ろからやって来て多少のやり取りを取ったが微かにしか聞こえないのはおかしいのか…?


「背筋を伸ばして目の前を見据えるんだ」


「大丈夫だ…できるから…」


 【千羽戯楽】から聞こえる声に応えるように背筋を正してフィレグの方向を向くのだがそれまで自分を支えていたルウェーの言っていた【譲与の果実】の効果が切れたのだろう、軽かった身体が急に重くなって倒れ込む所でマディー殿が即座に支えて何かを言ってくれているのだが何を言っているのか分からない。

 呼吸をして魔力を練り【千羽戯楽】を床に差し込むようにして立ち上がると目の前ではジェバルの魔剣から巨大な炎を出しながら火花を散らしてフィレグと戦っていた。


「戦える…見ててくれ…レルト。守れるか否か…!」


「相手の動きを読むんだ、必ず動きにヒントが隠れている…そこだ」


 剣から聞こえる声以外に耳鳴りのような音が隣で響いているが気にせず【千羽戯楽】を鞘に戻し倍以上に返ってきた魔力を半分込め直して再度抜く、次にルウェー殿と後退した時のように【火蝶の舞】を使って体に鞭を叩きつけて自身を鼓舞させる。深呼吸をしてジェバルがフィレグの攻撃から避けた所を駆ける


『動かぬ体に鞭を打って戦いの場に戻ってきた、言ってしまえばそのままなのだがこのまま体を酷使して潰れるのはそう早くなさそうだな』


「【風煌銘美(フウコウメイビ)】」


 血を飛ばす攻撃をしてくると思ったのだが鞭のような動きをした腕が叩きつけるように動かしていたが【千羽戯楽】から生み出された風はそのまま纏わると近づいてきた血の腕をもぎ取るとそこから本体に向かって走り攻撃の手を続けるがそれを止めるように飛ばしてくる血の塊が視界を埋め尽くすが【驟雨蠟琵】で突き攻撃をして逃れようと動くと背後に小さいが強力な爆発が起きた。


「アウェル、前出ると危ないぞ!動くなら一緒に攻撃するかさっきみたいに交互に動くようにしてくれ!」


『その魔剣から出る火が邪魔だ!』


「簡単には動かせない…【發香雪霜(サテット・フロゼート)】!」


 自分に向けていた攻撃を無理矢理曲げてジェバルに方向を変えたのだがその前に動かしていた攻撃を対処していたこともあり反応できていなかったジェバルに代わってマディー殿の氷の三本の剣が綺麗に刺さりすぐに引っ込めていった、後退して十分な間合いを取ったことを確認して再度【千羽戯楽】を鞘に戻して魔力補給をする。


「ちゃんと声が聞こえているようでよかった…二人とも次行けるか?」


「私は全然大丈夫よ」


「あぁ…迷惑かけてすまなかった。俺も大丈夫だ」

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