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ラ・ラガス~創造魔法で異世界を生き抜く~  作者: タツノオトシゴ
水天一碧の広大な場を駆け巡る
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水天一碧に飾れ、幾万天の星々 其の十八

「それじゃあ…ここは可能性としては低いってこと?」


「完全にこの図書庫を把握できるぐらい優秀な魔力感知が原因不明で使えないから絶対の確証がないけど隠れるとしても場所が悪いと自分は思いますけどね」


 グリエさんと守護者フィレグの居場所について色々と語り合いながらも虱潰しに怪しい箇所を調べ回っているが今の所はそれらしきものは無いし無言のままはキツいので雑談も交えて凌いでいるのだがアウェル達は雑談とかしなさそうなメンバーが固まっているから大丈夫だろうか少し心配な所である。

 話を戻すが対人戦や魔物との戦闘に関しても超が二つ以上はついてくる位優秀で自分も愛用している魔力感知がこの館…神殿に入ってから使えなくなってしまった。いつも使っている目の拡張機能が失われたこともあって必然と身動きが取りづらくて少しというかかなり困っている、守護者が物を通り抜けたり分身をばら撒くとかいう反則級の切り札を持っているというのもあって魔力の小さな差異を見分けられて偽物かどうかを判断できる特権を自然と縛られた状態で始まるような戦いは不安でしかない。


「ジェバル君の言う通りこっちには全くそれらしきものがないから可能性としてはやっぱりアウェル君達が探すって言ってた遊び部屋の中なのかなぁ…私はてっきりこっちにあるとばっかり思っていたんだけど外しちゃったかぁ…」


「もうちょっと探しましょ?ジェバルも言ってるけどまだ何かあるって……多分」


 床に積まれていた本を長机の上に置き続けて放置して色々と山積みになっている本を見ながら小さく項垂れるグリエさんとそれを宥めるようにしているマディーさんを見て目の前に埋まっている本の山を持ちながら机に動かそうとするのだが不安定が故足元に置いてあった本に気付けず足を引っ掛けてしまい体勢を崩して壁に頭をぶつけるとガコっと何かがハマったような音がするとそれまで壁だった所が動き始め上へと繋がる階段が姿を現した。


「ぉお…おお?!」


「え?!」


 完全に隠し扉だったのだろうが変な奇跡のお陰で見つけ出すことができた、頭には今も激痛が走るが見つけられて痛みなんてものは無いに等しいが先がよく見えないのですぐにこちらに駆けつけた二人と一緒に上がると簡単な執務机がポツリと落ちてあるだけだった。

 グリエさんとマディーさんは辺りを見回しながら部屋の中に進んでいくが自分は部屋に入る所とは違った所に扉を開けると一階と同じような長い廊下が続いていた、扉から出るとすぐに閉まると扉の姿が消えるがさっきまであった扉のドアノブの感触があったので外部から見えないように細工されていたのだが…そこまでする必要はあったのか?そもそも他のところにはないからその分隠しておきたい物があったのだろうけどあからさま過ぎる気がする…もう一度目に見えないドアノブを触ろうとすると肩を叩かれた。


「何でジェバルがここにいるのだ?それに何も無い壁に向かって何をしているんだ?」


「こっちも聞きたいよ何でアウェルがこんな所にいるんだよ。心臓に悪いなぁ…反射的に殴るところだったじゃん」


 振り返ると数分程前一緒に行動していたアウェルがいた。アウェルにここは危ないからこっちについて来いと半ば無理矢理に反対側の部屋に入ると何も無い空き部屋だった。何も無いので壁に寄りかかるようにして座った後に何故二階にいるのか話を聞くと驚くべきことを話し始めた。


「【血の権力者】がフィレグの姿をしていた?!」


「その反応は【血の権力者】がどんな奴か知っているんだな…私達はウェールとルウェーを連れて遊び部屋に向かったのだが記憶に無い部屋を見つけた後二人がその部屋に入った後一体目の【血の権力者】が攻撃をしてきたが今はウェールが対処してくれている」


 ちょっと待て、【血の権力者】なんて存在が何でこんな所に来れるんだ?狼や鳩の姿をしていたから人になるなんていうことも考えられなくはないが守護者の姿をしていたとなると取り込まれたのが正しいのか…それでも今まで【血の権力者】と戦ったことはあるけど鳩の時は仮面を被った人が現れて何とかして貰ったし狼に関しては“亜王群鬼キングレープティ”の戦闘で相手できなかった狼をウェールに対処してもらって何とかなったが自分が完全に倒せるかどうか考えるとちょっと悩んでしまう。


「それほど強い奴なんだな…それだけならいいんだがウェールに部屋に出るように言われそのまま出た後悪食のフィレグが現れてルウェーが戦闘中だ、今もここの真反対の場所でルウェーがいる」


「二人で足止めしているのか?アウェルはそのことを伝えようとこっちに来たってことか?」


「そうだ、中央階段は多分だが今戦闘で近づいたら攻撃が降り注ぐから反対方面に悪食を動かすからお前は隙を見て一階に下がれと言われたのだがそれどころじゃ無くてな…ルウェーはキリの良い所でお前に任せたいから出来るのであればジェバルと合流して何かしら物を渡してくれと言う伝言も貰っているが把握はしているか?」


 自分達が本の整理をしている間軽く心配していたのだがそれ以上の状況になっているし聞けば【血の権力者】が二体?そんな冗談はやめて欲しいがルウェーとウェールがいないことから事実なのは分かる。

だが、ルウェーが言っている何かしらの物を渡すとは何だ?【宝物庫】を横に出すまではしたが本当に何を出したらいいか迷っていると心配そうにアウェルがこちらを見つめてくるので余計自分の心は焦り始める。


「色々とそっちが事件に巻き込まれて大変なのは分かった…他にルウェーは何て言っていた?」


「“できれば小さい物が良い”と」


 抽象的すぎて何を出したら分からない、どうしよう。何が正解か分からないが【宝物庫】から小石を取り出してアウェルに手渡しておく、ルウェーが小さな物で何かする何て知らないしこれがルウェーの手助けになるのなら良いのだが…


「それで、そちらはグリエ殿とマディー殿が見えないが大丈夫なのか?」


「グリエさん達はその図書庫で見つけた隠し階段を見つけてこっちに上がってきたんだけど…そんな隠し階段みたいなものアウェルは知っていたか?」


「いや…知らないな、初めて聞いたが色々と仕掛けが隠されているのはフィレグから聞いていたからそういうのはあるのかもしれないな」


 やっぱりそういうのが大量にあるのは不思議だしそれに気づかさせない為に魔力感知を阻害させてると言うのなら辻褄が合うから変な小細工はそこまで考えなくて良さそうだな、だったら二人に今聞いたことを伝えに動こうとした時に先程アウェルに渡した小石が紫色に変色した。


『ここまで抵抗して急に諦めるとはおかしな奴だな』


「諦めてはいない、ただバトンタッチをするだけだ」


 小石の色が変わった事に驚いていたそこから誰か分からない低い声とルウェーの声が聞こえるとアウェルは静かに床に置いた途端アウェルが目の前で消え床に置かれた小石だけがポツリと残っていると小石と変わるようにルウェーが現れたのだが…左腕がなくなっていた。


「…ジェバルと合流はできていたんだな。それにその様子だと色々と状況が読み込めない感じなんだろうな」


「お前…左腕が…」


「俺の腕のことは気にするな、必ず取り戻すから安心しろ。それより二人はどうした、一緒に行動していたはずだしここ二階だよな?中央しか二階に上がれる方法は無いのにどうしてだ?」


 目の前でポタポタと垂らしているのだがすぐ様回復魔法を掛けて止血するのだがポッカリと消えてしまった姿を見るが何もなさそうにするルウェーはどことなく落ち着いて見えた。ルウェーの疑問に答えるべく部屋を出て何も無い場所に手を伸ばし見えないドアノブを捻って開けると物凄い冷気が体に打ち付けた。腕を前に出して庇っていると奥の方から足元!と声が聞こえ足元を見ると小豆ほどの小さな粒が見えた。すぐ様変光星で叩きつけるのだが避けられ廊下にとんでもない速さで動いていた


「ジェバル君!足元に【血の権力者】が!」


 グリエさんの言葉が聞こえる前に体は動いていて真下に振り下げられていた変光星は自然と【起爆】しながら斬撃を飛ばしていた。避けられないと察したのか分からないが小豆程の大きさだった【血の権力者】はどんどんと大きくなっていき人のような形に変化して真っ赤な大剣を振るって相殺するとお返しと言うように血の斬撃を飛ばしてくるが【起爆】をしながら振るった変光星が焼き尽くすとこちらに届く頃にはパラパラと散らばった。


兄者(あにじゃ)が…動き始めて見つからないであろう部屋を見つけ出し奇襲を仕掛けたと言うのに反応できない程素早く氷の波が押し寄せてきたのは恐怖でしかなかったな』


「【血の権力者】が何を言っているのだか…ルウェー部屋にいるグリエさん達に現状を伝えてくれ。その間こいつが逃げないようにする」


「…分かった、気をつけろよ」


『はて…てっきり二人で勝負を仕掛けくるのかと思ったが一人で挑むとは無謀だな…人間とは本来人生を謳歌するだけの存在としていると言うのにいつからここまで強気にいられるようになったのやら』


 後ろにいたルウェーが部屋の中に入っていくのを見て目の前で喋り始めた【血の権力者】に【岩石弾】を撃ち込むが顔一つ変えずに床に立てていた大剣を軽く動かしただけで粉々にした。魔法に関してはあの赤い大剣で打ち消されるけどさっきの変光星の攻撃には色々と動いていたから魔法は意識を動かすために使うことにしよう。

 深呼吸をして自分を落ち着かせながら変光星に魔力を流し込みつつ首に掛けている〔秘華の炎導〕にも同様に魔力を流していると人型の【血の権力者】は不思議そうにこちらを見ると口を裂けながら嗤っていた。【血の権力者】の足元が瞬時に血のように真っ赤に染まったのを確認した瞬間足を踏み出して本当の戦闘は今始まった。


 動き始めた自分に向かって広がっていく血の池から無数の血の剣が飛び出すと取り敢えず当たれば良いのような形で攻撃が降り注いでいくが横に振り切った変光星にすぐに砕け動き続ける足をそのまま止めずに【血の権力者】に向かって走り続けると剣を砕くまで気付けなかったのが痛いが二本の槍が首を狙って近づいてきたが両方に【超煌弾】を撒いて破壊して本体に変光星を振るうが悪食が使っていた【透過】の星で空振りという結果になって逆にそれを狙ったかのような攻撃を【血の権力者】がするのだが【水槍】を飛ばして何とかしようとすると後退して攻撃を当たることはなかった。


『人間がここまで動けるとは面白いな…久々に楽しめそうな奴がいるとはな【縦横無尽の血刃衟斬(セヴェフリッテッド)】』


「こんなもんか【血の権力者】!お前よりも筋肉馬鹿と戦っている方が緊迫していたなぁ!」


 飛ばしてきた斬撃を再び【超煌弾】で打ち消した後に挑発的な言葉を掛けると筋肉馬鹿の鰭攻撃のような速さでぶつかってくるが変光星で防ぎ切り硬直状態に入る。至近距離で顔を見合えるようになったのだがどんどんと重くなっていく大剣から血の短剣が生み出されて身動きの取れない状況だったが【宝物庫】から短剣を飛ばして対処する。


『その挑発受け取ろう、原形など留められないようにしてやる』


「望むところよ」


 捨て台詞を吐いた後【宝物庫】から一つの鈴が飛び出し宙に浮くまでの間に鳴り響いた小さな音は近くにいた魔力を制し剣から放たれた炎が消え、大男の足元に垂れていた蠢いていた液体は全て大男に戻っていった。剣と剣をぶつけ合っている状態で起こった奇妙な現象に少し驚いていたのを他所に音が消えたのを合図に再度剣に炎を灯した後大剣を力一杯弾き返して大男の体に傷を付けたのだが飛び散った血が体の中に戻っていくと弾かれた大剣を叩きつけるように振り翳すのが見えてすぐに後退して様子を見る。


「守護者フィレグを取り込んだとは聞いたけど使える時間に制限があると見た、このまま攻め切る」


『簡単に決めつけるとは粋がるな…【血霧(ミストラッド)】』


 足元の血の池がどんどんと蒸発していくが次は何をしてくる…?変光星を構えて【血の権力者】の様子を窺う。

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