表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風鈴の音。  作者: 椎羅儀 経
44/87

一騎当千のバケモノ。

最初はこっちを呆れているのか目を瞑って見ていなかったものの、

途中で目を開き私たちの状況を見て頭にはてなマークを浮かべた。



「あ、綾瀬さんっ...、」


私が誤ろうとした時だった私の前にしゃがんでいた兄が

立ち上がり綾瀬さんの前に行く。


「オイお前、凛火のことを呼び捨てにしてるようだが、

 お前は凛火のなんだよ、あぁ゛?」



ガラの悪い不良のように綾瀬さんの胸倉を掴む兄。


「えー...、凛火、さん?

ちょっ、コイツ、この人なんだよ、」



呆れたような困ったかのような顔をして敵意が無いですよと

言わんばかりに兄に小さく両手を上げ、

私に助けを求める綾瀬さん。


この前の天音ちゃんと加奈ちゃんを思い出しザマァと思ってしまった。


「あーあー、お兄ちゃんその人はそういうのじゃないからっ」



間に割って入ろうとする私に兄はムスッとした顔をする。



「もしかしたらコイツにはそうゆう気があるかも__」



「おにーちゃんー」


「でもッ__」


「お兄ちゃん?」



「はい...。」



やっと大人しくなったか、と思っているとさっきの見たことない男の子が声を上げた。



「おーッ!!流石一騎当千のバケモノと言われた宮野先輩だッ

一瞬で年上を黙らせたッ!!」



ワクワクとしたキラキラの瞳で私を見つめる男の子。


「...何のことだ?」


男の子の意味深な言葉に首を傾げる綾瀬さん。


「イヤイヤイヤっ待ったッ違くてッ!!」


「ふふんっ知らないのかっ!

宮野先輩なッ俺の地元でも有名な真の不良だったんだッ!

その強さはそこらの不良とは別格ッ

一人で50人の男を拳で倒したと伝説になるほどなんだぞッ!!」



そうペラペラと語ってくれる男の子に全身の力が抜けた、

他の私の"元そういう仲間"の男女も呆れた表情をし黙り込んだ。


「え?何?お前元ヤン?」



確かに思ってみればピアスの穴数多いよな軟骨も。

そう言ってまじまじと私の髪を手ですくい、

耳をガン見してくる。


「ッ...ハァー。」


普通女子の私終了のお知らせだ。



*



「えっ?秘密だったんすかっ?」


私や他の数名から話を聞いて今度はキョトンする私の一個下の後輩らしい男の子。


名前は玲央(れお)と今時な名前だ。



「凛火はもう暴れるのは辞めたってさっき言ったばっかじゃねーかッ。」


「アンタが一度見てみたいって言ったから大学まで行って広樹さんにお願いしたのに。」


そう言うモデルにもいそうな綺麗な顔をした茶髪の男の方が(ひかる)

金髪ロングのお姉さんのような方が愛華(まなか)


あと3人は(たく)(せい)の双子のそっくりな兄弟と切れ長な目が印象の優美(ゆみ)だ。


「でもッやっとの思いで皆の憧れの宮野先輩と同じ高校入ったのにッ

肝心の先輩は転校した後だったんすよーッ!!

だから今日は楽しみにしてきたのにッ」


話が何故かそれ始める玲央くん。


普通になろうとしてそうゆうことから足洗って、

家はそのままだったが知り合いがいない近くの学校に転校したなと思い出した。


「オーラはヤバいけどッ、なに普通の人になっちゃってんすかーッ!」


涙目で訴えられる私になんか可哀そうなものでも見るような目を向ける綾瀬さんを含めた友たち。


「あははー、なんかごめんね。」


「でも心はあの時のままっすよねッ!」


「尖ってはないなー...。」


そんなキラキラした目で見ないで少年よ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ