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where is happiness  作者: 白水 幸
第1章 eternity 永遠の…
12/16

10

それから一週間が経ちました。

花瓶の花は少しずつ萎れていき、赤ずきんは溜息をつきました。


ある日のこと、赤ずきんはお母さんに頼まれてお使いに行くことになりました。

おばあさんのお見舞いです。

森の中にあるおばあさんの家に行くのは、少年との約束を破ることになってしまいますが、病気のおばあさんを放っておくわけにはいきません。

パンと果物、葡萄酒が入った籠を持って赤ずきんは久々に森へ向かいました。


赤ずきんが森の中を歩いていくと、いつか少年と行った花畑を通りがかりました。

其処はあの日と変わらず、四季の花が咲いています。

赤ずきんはしゃがみこみ、一輪の花を手折りました。

橙の花を籠に入れ、赤ずきんは立ち上がりました。


「さぁ、早く行かなくちゃ。おばあさんが待ってるんだもの」


コンコンコン。

たどり着いた森の中の家の戸を叩きます。


「こんにちは、おばあさん

赤ずきんよ。お見舞いに来たの」


「おやおや、こんな所まで来たのですか?お入りなさい、赤ずきん」


ドアを開けて部屋に入った赤ずきんは、あちこちに違和感を感じました。


「おばあさん?おばあさんの耳はずいぶんと 大きいのね」


「そうですとも、お前の言う事が、よく聞こえる様にね」


「それに目が大きくて、光っている。おばあさんの目って紅色だったかしら?」


「怖がる事はないのです。可愛いお前を、よく見る為なのだから 」


「それから何と言っても、その大きなお口。おばあさんのお口があんまり大きいので、びっくりしちゃったわ」


「そうですとも。大きくなくては、お前を食べられないからね!」


そう言った狼は瞳を紅く輝かせ、赤ずきんに牙を剥きました。


「馬鹿な娘ですね。わざわざ遠ざけてられてもやってくるなんて

…まぁ、こちらとしては好都合。逃げないでくださいね?赤ずきん

これでやっと、あの生意気な若を倒せるのですから」



「嫌よ!あなたの言うことなんて聞かないわ!」


「おやおや…威勢のいい事で。食べ甲斐がありそうです」


何処か遠くから、狼の遠吠えが響きました。

丁度その方向は―――赤ずきんの住む村があったような。


「久々の柔肉。皆喜んで食べるでしょうね?

さて、私もお腹が空きましたね…

餌として役立たないなら、食べてしまいましょう」


「嫌っ助けて!レオ!!」


「トワに触れるな!」


迫る牙に赤ずきんが自分のさいごを思った瞬間に、橙の声が響きました。



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