表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

1話:転生!

真っ暗闇だ。まぁ、転生ものの小説でみかける、腹の中のようなものだろう。熱い。体中が燃えるように熱い。

音は聞こえない。なんだ?自分が流されていくように感じる。流れからいくと出産なのだろう。すこし、親の顔がわくわくしてくる。美人なのか、それとも。


唐突に重さが消える。だが、手足を動かせるような状態ではない。何だ?体にまとっていた熱さが一気に冷える。産湯につかったんじゃないのか?自分の熱さで水が蒸発する。


ジュウウウウウ!


そこで俺は意識を確定する。俺は、一振りのクワの刃になっていた。

目の前にいるのはオッサン。見た目は40台だが。がっしりとした体格とハンマー。りっぱな鍛冶屋のおっさんである。


パニック状態のためか、声が出せない。出ることには出そうなのだ。だが、いろいろとマズい。こいつが、俺の生みの親である。これは、確定だけれども。


さらにゆっくりと目の前を見渡す。どうやら、意識を向けた方向180度が見えるらしい。ご丁寧に、前方90度くらいまではみえてもその周囲はぼやけるといった仕様にもなっている。


横には幼女。かわいい。しかし、大きなハンマーを物ともせず、ふるっている。怪力だ。かわいい。


幼女はこちらを見ると、なぜかじっと見つめてくる。なんでだろう。恥ずかしい。体をそむけようとして、気がつく。やっぱり体はうごかない。ちょっとだけうごいたきがするけど。


と、そのとき、俺は台座から落ちる。カラーンという音とともに。まぁ刃だけだから、しかたないだろ。


「なにやってんだ!リリーナ!」


おっさんが大声をあげると、幼女がびくっと体を震わせる。


「すいません!おやかた!」


かわいい声で全力で謝る。しっかり90度だ。しかし、いい尻をしているな・・・。


そんなことをおもっていると、ひょいと抱えあげられ、元の場所へ戻される。


「リリーナ、これはお前の作品なんだろ?もっと大事にあつかってやれ。」


親父さんがそう言ってくる。あんがいやさしいのかもしれない。


「わかりました、おやかた。でも、これ、ちょっと変な感じが・・・」


とこっちに向かって指をさしてくる。あ、なんかやばい?えーっと、無心、無心っと。・・・


「なんでぇ、ちょっと便利な能力もってるだけじゃねーか。こいつには、この能力がお似合いかもな。はっはっは」


「ッチ」


おっと、思わず舌打ちをしてしまった。


「ああん?リリーナ、今舌打ちしたか?」


「いえ、私はしていないですよ?」


普通に首をかしげるリリーナと呼ばれる幼女。もしかしなくとも、母親というわけである。こっちが本命か!やったね!


「さて、俺は自分の持ち場に戻るが、それに柄をつけときな。これで、ようやくスタートラインだぜ?」


「はい!親方!」


と、いうわけで、俺に柄がついて、ちゃんとした道具になった。そういえば、パニックになっていて、気がつかなかったが

ステータスを表示しようとおもう。いけ!ステータス!



魔鉄のクワ(you)粗悪品


Lv1


HP:なし

MP:10/10


スキル

 なまくら

 クズ鉄

 頑丈

 大地操作

 

 

隠しスキル

 言語、閲覧機能

 ステータス

 自動回復



おお?しゃべれるのは隠れてるのか?HPがないのはわかるとして、MPはあるのか。ひょっとすると成長できるかも。いや、Lvがあるんだから、成長できるんだろう。


しかし、粗悪品とは。しかもなんだ?クズ鉄とかなまくらってのは。


「ねぇ。あなた。」


はっとして、きがつく。こちらに話しかけている。いや、武器に話しかける人もいるだろう。


「あなたは私の始めての作品。すべての見本。大事にするね。」


といってチュっとしてきた。やわらかな感触。いや、すばらしい。しかし、こちらには気がついてないだろう。やはり、こちらから声をかけないといけないが、今はまだ、だまっておく。


急にしゃべって、捨てられたらこまるのだ。彼女は、俺を部屋へもっていくらしい。とおりがけの通路を見るが、洞窟だ。洞窟住まい?


洞窟住まい、幼女、おっさん、鍛冶師・・・・ドワーフ?俺のイメージしているドワーフにそっくりである。そうかードワーフかー。


そんなこんな考えていると、部屋らしきものが見える。木でできたドアだ。彼女があける。


中は、あまり装飾のない部屋であったが、本棚と、ベット、机のほかに、かわいらしいフリルのついたハンカチが壁にたてかけられた木のボードに飾られている。

土がつくのをきらったためであろう。天井、地面、壁。すべてが土や岩で構成されている。しかし梁や日用雑貨は木のものが大半だ。気温や湿度は快適なのではないだろうか。


温度もすこしはわかる。抱えられているときや今さっきキスをされたときはあたたかかった。意識をもどそう。そして彼女は俺を壁にたてかけ、刃が地面へつかないようにおいてあった台座へと運ぶ。こうみると、何かの神器のように思えるが。


実際は粗悪品のダメダメなクワである。おもいきって声をかけてみようとおもうが、所詮コミュニティ障害である。話しかけられない。正直、こわいのだ。自分が異質の存在であることが。


しかし、同時にわくわくもする。魔法が使える。・・・使える?使われるのかもしれないけど。あとはファンタジーの世界を見ることができる。これは、すごいことなのだろう。


あと、わかったことだが、道具として機能している以上、さきほど木の棒がついたが、ここにも多少の感覚がある。なるほど、手足のようなものなのかもしれない。ひょっとしたら、手足をつけてもらったら思い通り動くかも。

まぁしばらくは、それはないだろう。お、彼女が部屋から出て行った。


さて、何からやるかな。俺はもぞもぞっと前のように動く。案の定、がたがたと揺れて、倒れることができた。地面は案外硬く、ささらない。これがなまくらの性か。しかし、地面に突き立つような形をとっている。

形だけだが。


まぁ、なんとでもなるだろう。と大地操作を行おうとしてみる。できない。なぜだろうか。しかし、体の中になにかがあるのはわかる。臓器も何もないわけだから、きっとこれが魔力なんだろう。そうおもいたい。


まずはこれを動かす努力をしてみよう。念じてみる。うごかない。もっとがんばってみなくては。と、すこしでも動かそうとすると疲れる。パラメーターを見てみると



魔鉄のクワ(you)粗悪品


Lv1


HP:なし

MP:9/10


スキル

 なまくら

 クズ鉄

 頑丈

 大地操作

 

 

隠しスキル

 言語、閲覧機能

 ステータス

 自動回復


おお?魔力が減ってる。ということは・・・がんばって動かせば、魔力が動くようになるかも?

よし!


そんなことをしているうちに、時間が過ぎていく。最初は動かなかった塊が自分のMPが5をきったあたりで少しづつ動かせるようになってきた。よしよし。

のこり1の時点で、かなり動くようになっていた。そして最後の1回。


「ふぬぬぬぬ!」


声を押し殺すことなくおもいっきり動かす。とうとうクワ先のでっぱってる棒あたりまででてきた。しかし、問題が発生する。

どうすれば、MPって回復するんだ?


しまった。忘れていた。思い出したところでどうしようもないが、とにかく、時間経過を待つしかないだろう。俺は、ぼーっと待つことにする。


3時間くらいたったか。幸い、この部屋には不恰好な壁掛け時計がある。これで時間をはかることができるだろう。


6時間たった。外でとおりかかった人に話し声が聞こえるきがする。何を言っているかわからない。


9時間が経過した。暇である。寝ることができない。MPは回復をしない。

・・・・・



さらに体感時間で1日ほどが経過した。リリーナちゃんは帰ってきていないらしい。暇だ。MPは自然回復をしないし、どうしようもない。

こっそりつぶやいてみるか・・・


「羊が1匹、羊が二匹・・・」


とすると、すばやくドアが開いた。


「だれ!?」


リリーナちゃんである。かわいい。

あたりを用心深くさぐると、こちらに寄ってくる。


「あれ?倒れてる・・・ちゃんと立てかけておいたはずなのに。」


心の中で俺は、いやー自分から倒れただけなんだけどね。とつぶやいておく。

まぁいいじゃないか。泥棒なんかいるわけないし。


「うーん。さて、疲れたからもう寝ましょ!ねっ!」


え?一緒に寝るの?あぶなくない?怪我的な意味で。

ああ、もう。俺を抱えて寝てしまった。さて、俺もぼーっとしますか。

さて、1話ですが、どうだったでしょうか。不慣れなところもあるとおもいますが、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ