一巡して
美麗さんが、こそこそと私のところへ相談にきた。
どうやら、オカルト板の『霊能者と結界師だけど質問ある? 2霊視目』がまとめサイトで話題になっているのを知り、読んでしまったらしい。
彼女は少しショックを受けたような顔で質問してくる。
「あの……書き込んでいる『狭間さん』という方は、ひょっとして秀青さんじゃないかしら? そして『Rickさん』は陸様で……」
「それに、私が買ったお土産が、まさか悪魔が封印してあった物だなんて……本当にごめんなさい……」
心底すまなさそうに言うので、私は律様の言葉をそのまま伝えた。
「律様によれば、今回の悪魔騒ぎは『あの世の計画』だったそうですよ。あの悪魔は良い方向へ浄化されるべきだったから、美麗さんと私たちお役目候補は神様に使われただけだって。……私も含めて、みんなそう思ってますから」
そして、私は彼女に一つだけお願いをした。
「あのね、美麗さんの中では未だに『月島秀青さん』のイメージが残っていると思うんだけど……ハザマ様はもう、以前の秀青さんではないの。すっかりインドア派だし、一日の活動限界も四〜五時間しかないし、あの爽やかさは消え失せてエッチな方に振り切ってるから」
「それに、あの匿名掲示板での活動が今の楽しみみたいなの。美麗さんに特定されたと知ったら絶対に恥ずかしがるから、気づかないフリをしてあげて。そうすれば、ハザマ様も自由に動けると思う」
「わかったわ。気づかないフリをして見守ってみる」
そう納得してくれたあと、美麗さんはとてももじもじしながら、小声で聞いてきた。
「そ、それで、ちょっと恥ずかしい話なんだけど……。初音さん……夜のあれって……一晩で何回するのが普通なの?」
「え? 私達は一回か二回かな? どうして?」
彼女は両手で口を押さえ、顔を真っ赤にして呟いた。
「やっぱり……回数、多いんだ……」
(あー……これは、私の『Amazun』の購入履歴が、ますます清らかでなくなってしまうパターンだわ——)
*****
その日の午後の休憩時間。私が御影様のお部屋でくつろいでいると、ハザマ様がこっそり訪ねてきた。
「初音、また例のブツを取り揃えてくれ」
「またですか!? 私のAmazunの購入履歴が流出したら、もの凄く淫乱な女だと誤解されちゃうじゃないですか!」
「私は巫覡であり、神に仕える聖職者だぞ! もし私の購入履歴が流出した場合、イメージダウンが半端ないだろうが!」
「聖職者!? いや『生殖者』の間違いでは——」
たまらず私がツッコミを入れたその瞬間、黙って聞いていた御影様が冷ややかな声で口を挟んだ。
「お前ら、外で口喧嘩してくれ。……祓い清めたばかりの俺の部屋が穢れる」
余次元住まいのハザマ様! ― 初音 編― <完>
To be continued. →
余次元住まいのハザマ様!part4 短編




