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ありがちな婚約破棄のはずだった

そんなん一国の王子がすることか!?国を背負っている自覚のない王子様……みんながみんな“運命”に肯定的だと思うなよ!


ここまでがタイトル(笑)長い!!

それでは、以下から本編スタートです!


ふんわり設定。そうはならんやろ世界でお送りします。




 「リアール帝国第一皇女エリザベス・リアール!

  私、ユメール王国第一王子リベラ・ユメールはここに宣言する!」



 ザワザワザワァ



 「この度和平により結ばれた婚約を破棄させてもらおう」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 俺はユメール王国筆頭公爵家嫡男の第一子ランドルフ・エヴァリーヌ。

 王国で王家の次に偉いとされているエヴァリーヌ公爵家の子息というわけだ。

 王位継承権も要らないのに、まだ持ったままにされている不憫枠がこの俺ってわけ。


 俺の父上はこの国の国王陛下の弟として生まれて、自慢なんだがかなり優秀なお人だ。

 だからこそ、宰相の話を蹴って外交官になった変わり者なんて言われることもあるけれど、ただ未来の国の在り方みたいなのを考えているだけなんだ。アプローチの仕方が違うだけ。まぁ、昔何度か留学したことがあるらしいし、外国が好きになったっていうのはもちろんあるんだろうけど。


 そんな父上を俺は尊敬しているし、跡継ぎとして相応しくあれるように努力してきた。


 その未来が絶たれようとしているみたいだ。バカな従兄弟のせいで……。

 下手すりゃ、今まさに帝国にいる陛下と父上の首が飛んでしまう。そんなのダメだ!!


 どうする?どうすればいい……俺に何ができる。

 いや、やるんだ。この国一番の外交手腕を持つ父上の息子だろ!!




 すー はー すー はー




 とりあえず、会話が終わるまでは入れる空気じゃないか……。



 陛下も父上も外面だけがいい王太子をちょーっと不安視していたみたいでさ。

 陛下と父上がいないとしても、流石に和平の親睦パーティーで何かをする度胸はないだろうから、とりあえず国のトップが不在でも何とか接待はできるはず……ということで、皇帝陛下から招待を受けていたこともあって、今回は後継たちに任せてみようと思ってくれたんだ。


 何のために必死で学んできたと思っているんだ!!今まで上手くいっていたんだがなぁこのバカ王子!

 影はどうした!?あんな女がいたという報告も受けていないんだけど!?


 

 本当、何でこんな時にやらかすんだよ!泣きたい……。



 ほらみろ!皇女殿下が怒りで震えてるじゃないか……あー、終わったな。これは。絶望。





 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 「殿下。この婚約の意味がわかっていて、おっしゃっているのですよね?

  国王陛下が直々に、帝国の父である皇帝陛下のもとへと和平のため訪問中なのですよ。

  あなたの本日の勤めは、私たち帝国の使いと親睦を深めることのはず。」


 「国王、いや、父上が不在の今だからこそ、私自身の気持ちを伝えようと思ったのだ」


 「国王陛下がお聞きになったら、さぞかし嘆かれることでしょうね。

  あなたのおかげで、王国は窮地に陥る可能性が出てきてしまうのですから」


 「帝国の力無くしても、この王国は安泰さ。

  私が国王となり、そして私の運命でもあるアレーナ嬢がいるのだからな」


 「そこの女はどなたかと思っていましたが、やはり部外者でしたか。

  もしくは、不貞の証拠……かしらね?」


 「なにを言っている!不貞などしておらんわ」


 「国王陛下はご存じですの?」


 「知るはずないだろう!何のため部下を影にいれたと思っている」



 いやいやいや、待て。影を所有物化しちゃったのこの王子!?

 自分の部下ならまぁ……ってそいつもバカか。やばいことしてるってわかるだろう普通……。

 わかんないから、今こんなことになっているのか。

 

 頭いたい……。



 「殿下。あなたは今、あなたとそこの女のせいで、平和な王国が戦地へと変わる可能性があることを自覚なさって言葉を発しなさい。あなたはこの国の王太子でしょう」


 「うるさい!!そんなことどうでもいいわ!!

  運命と結ばれることこそが、祝福されるべきことだろう」


 「それは、私どもの愛する帝国への宣戦布告と受け取ってもよろしくて?」


 「何を言っているんだ。こんな婚約ごときで和平に繋がるはずないだろう?

  今までもうまくやっていたではないか」


 「それは、国王陛下とエヴァリーヌ公爵様が尽力されてきたからですわ」


 「私はそんなこと承諾しておらん!帝国の人質なんぞになってたまるか!!」



 ……この場合、たしかに人質ではないかもしれないが、身を差し出してくれているのは皇女殿下だろう。

 王太子はこのまま国王になるはずだったんだから。何故そうなる。



 「たしか、この国にはもうお一方王位継承権をお持ちの御令息がいらっしゃったわよね?」


 「……それがどうした」


 「いえ、あなたではお話にならないと思いましたので」




 ……そろそろいけるか?俺。


 「皇女殿下並びに帝国の使者の方々。突然このようなことになってしまい、申し訳ございません。

  現在事実確認を進めておりますが、王太子殿下の御乱心のようでございます。」


 「せっかくのお食事も冷めてしましたので、如何でしょう?

  別室をご用意いたしましたので、本日はそちらでお楽しみ頂ければと。

  王国自慢のスィーツもご用意しております。」


 「おい!王太子の言葉を遮って何勝手なことを!」


 「近衛たち、王太子殿下の御乱心だ。

  直ちにお部屋へ連れていってください。そして、陛下が帰城されるまで出さないように」


 「そして、そこの誰とも知らぬ女は一応令嬢らしいからな。

  それなりの牢へ連れて行け。絶対に外に出さぬよう」


 ハッ!!!


 「それでは皇女殿下。まいりましょうか。

  恐れながら、お手をどうぞ。エスコートの栄誉を私にいただけますでしょうか?」


 「もちろんよろしくてよ!」


 

 いまからの時間を考えると、胃が痛い……。



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