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絶望と家路
一瞬の無の後から、どこからともなく光の粒子が弾けて湧き出す。刺すように、あるいは包み込むように、空間をくまなく埋め尽くす。デブリは死ぬと、置き土産とばかりに目一杯に爆ぜる。奴らは一人でに粉々になって自らの死を祝福する。
黒より深く、無限に濁る赤の粒。際限なく透き通り、虚ろを晒す青の粒。血から出でて醜く、血を超えて美しい、二色の死の証。拒みつつ混じり、混じりつつ拒み、所々に斑を残す淡い紫が、あまねく広がり満たしていく。奴らの血であり肉でもあり心でもあり、あるいはそのどれとも違う。薄く香る紫を思わず大きく吸い込む。
これがノヴァ。
「でっかいなあ」
結構たくさん見てきたが、今日のは格別だ。思わず頰が緩む。
こんなにでかいノヴァならば、空の青も、大地の赤も、今に醜く歪めてしまうことだろう。
えっちらおっちらと、さっきまでの戦いぶりが嘘のように頼りなく体を揺らす。血の戦士も一仕事終えて力が抜けたらしい。歩けるのが不思議なくらい。破裂しそうなくらい疲れがからだに込み上げてきている。
異形の体はいつの間にかほぐれて、溶けていってしまった。取り残されたかように、ゴロリと腰にベルト状のものが巻き付いている。
今日は血を浴びすぎた。とっとと風呂に入ろう。
早く帰ろう。助手ちゃんが待ってる。




