表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/45

マリリンとデート

9話 マリリンとデート


「マリリンさん、こんにちは」


「やあマリリン。いい天気だね」


「マリリンおネエちゃんだ。ハーイ!」


 町の人たちがスレ違うとマリリンに声をかける。

マリリンは、この町では人気者なのだな。


 いつもは黒い帽子に黒いサングラス、そして黒いスーツの私だが、さすがにそのかっこうではと。

 今日は麦わらの中折れ帽に、サングラスはそのまま。黒メインのラメが入ったヤシの木柄のアロハに青い半ズボン。靴はいづもの革靴を履いている。

 まだちょっと寒いが、こんなかっこうでないとマリリンとはつりあわない。

 マリリンのブラは今日は赤だ。


「あっ うそ〜マリリンさんだ」


 女子高校生くらいだろう。茶髪のショートカットで縁無しのメガネをかけたちょっと色黒な女の子。ハーフぽい顔立ちだ。




 開校記念日の休日、最近出来たショピングモールへ買い物に行こうと徒歩で家を出た。

 ショピングモールまでは歩いて15分程度、学校より近い。


 コンビニの駐車場でマリリンを見かけた。

 ん、今日は連れがいる。しかもマリリンみたいな真夏ファッション。

 でも履いている靴が。まあそれなりにあってなくもない。

 誰かしら。まさか診療所の。


「あっ うそ〜マリリンさんだ」


 ぶりっ子して手をふってしまった。なぜだかマリリンに会えてうれしかった。


「あ、えーとキリガクレ・マタラ」

「キリシマ・マテラですマリリンさん。今日は博士とお散歩ですか?」

「ハカセ、違う」

「あ、私はマリリンの仕事関係の者で久々の休暇で。君は?」

「ちょっとした知り合いです」

「そうですか。マリリンはこの町に知り合いが多いですよねアハハ」

「グリュッウ!」


 と意味不明の言葉を発したマリリンは今日は楽しそうだ。デートかな? 邪魔しちゃ悪いのですぐに別れよう。

 

「アレはナンダ?」


 とマリリンが空を指さした。

 ん、この頃の空には。


「アレが噂のU・F・O」


 アロハの男はサングラスを下げ裸眼で見上げた。 おお、意外にキレイな大きな目。


 ちょっと肌寒いが快晴の青空にクラゲのようなのが浮いてる。あたしはスマホを取り出し動画モードにし、撮影しはじめた。


「大きい!」


 なんか前より大きく見えるのはアレが近いのか?

 クラゲの下部から数本の触手のような物がたれさがっていた。 


「なにか釣ってる」


 マリリンには釣りに見えるの? 

 上にあがる触手のような物に何か動くも物がからまっていた。


「アレはネコ? かしら……」

「マテラ、あいつネコ食べた」


 触手状の物が、クラゲの中に生き物を入れている。あれは生き物を捕食しているの?


 触手のような物をゆらゆらさせながらクラゲは移動はじめた。


「霧島ぁああ」


 雑木林の方から自転車で走って来るドーテーが見えた。

 あたしのそばまで来たドーテーがハアハア言いながら。


「UFOがぁ。 ハァハァ見たから、追って来たハァハァハァ」

「ええ、まだ見えるわ、あっちに移動はじめた」

「あっち……この先には農高の」


 農高とはこの町にもう一校ある大海田農業高校だ。この道路の先、クラゲが向かった先には農高の家畜ファームなある。まさかあいつ。


「ドーテー、後ろ乗せて!」

 

 あたしはドーテーの自転車にまたがった。


「追って!」


            つづく



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ