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マテラとデート?

17話 マテラとデート?


 まさか霧島が、いきなりスマホで告ってくるとは。

 べつに嫌いじゃないけど。


 約束の駅近くに昔からある喫茶店「ベラミン」に。


 霧島は私服だ。いつもの見慣れた制服じゃない。校則では女子がリボンを付けようがネクタイをしめようが決まってない。霧島はいつもネクタイだ。そのスタイルはけっこう似合ってて好きだ。


 診療所の時も制服だった。

 一年の頃からクラスが一緒で、あまりしゃべらないボクに話しかけて来るのは霧島だけだった。

 いつも陽気で明るい。メガネ女子でショートカットの茶髪。ハッキリ言ってボクの好みとは違う。

 ましてボクをドーテーと呼ぶし。


「おーい。ドーテー聞いてる?」


 喫茶店の中でドーテーはやめろ。目の前にウェートレスが居る。


「あたしはアイスココア。あんたは?」

「ボクはホットのココアを」


 復唱して、ウェートレスはカウンターの方へ。 同僚らしい同じ年頃のウェートレスとボクらの方見て談笑してる。


「んでさぁ」


 霧島が声を大きくし。


「なんであの怪物が、いきなり現れたんだと思う」 


 とか聞かれてもホボクには。


「わからないよ」

「あれってネット上で誰かが作ったフェイク映像で世間を騒がして楽しんでるって話し説、知ってる?」

「ああ知ってるよ。それをワイドショーとかで面白おかしく取り上げて芸人とかが笑いにしてるけど。本当に被害があった農校とかは、笑えないよ」

「あの動画を農高が作ったとかデマも。あの動画でなんのメリットがあるのかしら。農高に」

 

 そういう話しをしに来たのか霧島?


「昨日観たテレビ番組でなんとかっていう妖怪研究家の女がアレは天変地異の前触れを告げに出現した黒い麒麟だって」


 これはなにかのかん違いかな。


「ウチの部員は皆、こういうのに乗っかちゃうのよね特にモデルちゃん。あ、山本よ。モモネもファンタジックなの好きだから」


 皆って妖怪は山本さんだけだろ。


「黒鉄とかは?」

「アレはダメ。ゴジラとかガメラみたいな怪獣しかわからないから問題外よ。あんたは他の連中と違うから」

「ボクも漫画描く人間だから、それほどみんなとは変わらないと思うけど」

「まーそうだけど。ドーテーはどうなの。あいつのことどう思う?」


 そこへウェートレスが。なんつータイミング。 


「アイスは?」

「あたし」


 品物を置いたウェートレスは、戻りまた同僚の子と談笑はじめた。多分なんか誤解されてる。



「付き合ってって、そういう話」

「えっナニ……ドーテーなんだと思ったの? ええ……ウソォ」


 言ってから霧島が少し赤くなった。ほっぺを両手で何度か叩き。


「まあいいわ。あのさ3Dフォノグラム説ってどう思う?」

「それは無理です。あんな事出来ませんって。線路沿いを高速で移動って何処に、ドコから映写するんです? 不可能だよ」

「ああいうの動画でしか見てない奴はねフェイクだ、なんだと」


 霧島はストローでアイスココアを飲み干して。


「あたしは、いきなり始まったこの不思議な出来事になにか裏があるんじゃないかと……」

「ウラ?」

「この大きなトリック使って裏でなにか儲けてるヤツがさ、いるんじやないかと」

「トリック……は難しそうだけどアレは」

「よく、手品とか見て『なんで?』とか言う人いるじゃない。まあ最近はネタ教えたりもするけど。なんでぇなんで言っちゃうトリック簡単に教えるプロはいないわ。プロのやっているトリックがあたしら素人に簡単にわかるはずないよね。『なんで?』とか言う人に手品だからと答える人もいるけど。正解よね」

「ボクら素人がわからないような何かトリックを使ってるってことか」

「まあホントに魔法や超能力使ってたらおしまいというかなんていうか、そんなの有り得ないよね」

「魔法ね……」


 ボクの頭の中にあの叔父の事が浮かんだ。


「大海田の魔道士」


            つづく

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