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まだ早かったですか……

剣を構え立ちはだかるナニーニを、男達はやはりフードの奥でニヤニヤとした笑みを浮かべながら見ていた。


まるで彼女を<値踏み>するかのように。


要するに、


『始末する前に楽しんでもいいだろう』


的な考えをよぎらせているのが分かる。


「……!」


ナニーニもそれを察してしまってたまらない嫌悪感に包まれた。


ちなみに<ORE-TUEEE!>はR15指定のアトラクションである。そのため、残虐描写や性描写についてはかなり制限されている。たとえ負けても、


『YOU LOSE』


と表示されるだけで、そこから先は描かれない。


とは言え、もしそこから先もあるとすればどんな目に遭うかは容易に想像できた。ナニーニも緊張している。


そんな彼女に、アリシアは、


「ここまででもうすでにあなたには基本的な部分については学んでもらってます。二対一の場合の対処法も伝えてあります。要はその通りにすればいいということです。落ち着いて、稽古の通りに動けるように心掛けてください」


緊迫した場面にはそぐわないほどに穏やかに声を掛ける。


さりとて、言った通りにすぐできれば誰も苦労はしない。確かに教わってはいるもののその通りにできるかどうかはやってみないと分からない。だからどうしても緊張はほぐれない。


手に汗が噴き出してくる。喉がカラカラに乾く。


『剣が、滑る……』


汗が多すぎて剣が滑りそうな気がして、ナニーニはそれを握り直そうとした。


けれど、男達はその隙を狙っていたようだ。


「!?」


掛け声すらなく、瞬間的にナニーニへと迫る。


だから反応が僅かに遅れてしまった。


「くっ…!」


遅れたものの、ナニーニは先に迫ってきていた男に対し、剣を突き出した。しかしこれは牽制である。本当の狙いは、続けて迫る男の方だった。一人目の攻撃を受け流し、体を翻して後ろの男にこそ必殺の一撃を加える。まずは敵の数を減らすのが狙いなのだ。それにより出鼻を挫くという意図もある。


しかし、ナニーニの視線は、近い方の男でなくその向こうの男に向けられていた。


それに男も気付いてしまった。これでは狙いがバレバレである。突きも甘い。さらには手汗が酷くて、男が自身の剣で彼女の剣を掃うと、それこそ落としそうになってしまった。


『さすがにまだ早かったですか……』


まったく稽古通りの動きができていないことを確認し、アリシアが動いた。


「な…っ!?」


自分に剣を突き出してきた<少女>の方はまったく動きがなってない素人であると確信して、


『どう痛め付けてやろうか……?』


などと考えていた男の前に、突然、離れて様子を見ていたはずの女が現れた。その有り得ない光景に、男の思考はパニックに陥ったのだった。



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