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プレイヤーの本音

「アリシア様はどんな修行をなさったんですか?」


ナニーニは馬車の中で子供のような表情で問い掛けてくる。リティーレよりは十歳以上年上のはずだが、精神年齢は実は大差ないどころか幼いかもしれない。


「修行、と言うか、ファリ=ファールに付き合ってるうちに自然と強くなっただけですね」


アリシアは微笑みながら、そういう<設定>なのでそのまま応える。まあ普通に考えれば、『何をどうすればそんなに強くなれるのか?』というくらいに常識はずれな強さなので、現実では有り得ないものの、強いて言うなら完全に、


『持って生まれたものが違う』


という話なのだろう。はっきり言って『考えるだけ無駄』である。


なのにナニーニは、


「じゃあ、ファリ=ファールさんも強いんですか!? 村にいた時は綺麗な女性だなとは思いましたけど、強いっていう印象はそんなになかった気が……」


首をかしげる。


それに対しては、


「そうですね。彼女は一見するとすごくフェミニンな女性で、とてもそうは見えないものの、<天才>っていうのは彼女のことを指すんだと思います。私はこれまで一度も彼女に勝てたことがありません」


改めて、宿角(すくすみ)らから提供された資料を基に答えた。


アリシアの言う通り、実はファリ=ファールの方が<魔法>を自在に使いこなし、しかもその魔法で肉体を強化することもできるため、普通の<腕自慢>な冒険者や闘士といった者達では触れることもできない女性だった。


さらに彼女は<祝福>も受けているので、いわゆる魔法を使うためのポイント、<MP>が途轍もない勢いで回復し、ほぼほぼ無尽蔵で魔法を使い放題というキャラだった。


なので、最後のボス戦においては、先に彼女と合流しパーティに加えると攻略が楽になり、敢えて難易度を上げたい場合はボスを倒してから合流するというやり方もできる。どちらを選ぶかはプレイヤー次第なものの、ログを確認する限り、八割以上が、


『合流してからボス戦』


という形なのだという。この点からも、<やり込みプレイ>をする者も一部にはいるものの、基本的には気軽に楽しめることが求められているという証拠と見られていた。


なお、<ORE-TUEEE!>においても、他のプレイヤーと交流を図ったり協力プレイを行えるモードもありつつも、それの利用率も四割に届かないのだとか。


『アトラクションの中でまで他人に気を遣いたくない』というプレイヤーの本音が垣間見える。


ちなみに、ボス戦まで行かずに延々とアトラクション内でいわゆる<スローライフ>を楽しんでいるプレイヤーも、一割程度ではあるもののいたりするのだった。



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