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転生したら幽閉王子でした~これどうすんの?  作者: サクラ近衛将監
第三章 貴族として

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3ー16 イフリートの報告と対処

 ハーゲン王国とサルバドル王国にあるデスマルス教団及びその系列の組織を壊滅してから一月ほど経って、イフリートからジーゼル大陸の様子が報告されて、状況が見えて来た。

 シーゼル大陸北部にあるクリフランド王国が既にシーゼル大陸の八割の領域に手を伸ばしており、いずれも麻薬を用いて中毒患者を増やしているようだ。


 シーゼル大陸のいずれの国でも、麻薬の蔓延に手を焼いているが、有効な手立てを持っていないようだ。

 しかも王族の中にも中毒患者が出ていることから、放置すれば、シーゼル大陸の全ての国がデスマルス教団の支配下に置かれることになるだろう。


 報告を聞いて、ヴォーラ大陸以外の地域にも出張る必要が出て来たわけだ。

 人を殺害することは妖精にとっては、禁忌ではが非常に難しいことらしい。


 一方で精霊は人を殺害することも可能らしいが、余り殺人を続けると狂気の闇に落ちるらしい。

 従って、イフリートやサラマンダーに任せるわけには行かない。


 僕がシーゼル大陸へ行くことにしたよ。

 但し、足がないんだよねぇ。


 空間転移はできるけれど、流石に大陸間移動は能力的に地点把握がきついんだ。

 妖精を目当てに跳ぶことができないわけじゃないんだが、特定の妖精を目標とすること自体が遠距離では難しい。


 テレパスぐらいならどこに居ても問題なくできるけれど、・・・。

 うーん、妖精を使ってGPSみたいな位置測定が可能であればよいんだけれど、今度、錬金術で何か魔導具を考えてみよう。


 取り敢えず今動くとすれば船が必要かな?

 で、十日ほどかけて秘密裏に作り上げたのが小型潜水艇。


 こいつは水中を時速約60ノット(時速110キロ超)で走り回れる。

 一秒間に30mほども進むから障害物に注意しなければならないんだけれど、僕の空間把握により障害物を避ける最適コースを選べるから大丈夫と思う。


 駆動機関は、水中のジェット推進機関だね。

 前方から吸い込んだ水又は海水を、加熱室で急激に熱して水蒸気を造り後部から排出する仕組みの魔導機関だ。


 こいつの欠点は、水蒸気を後部から大量に吐き出すから水深が浅いところではその航跡が残ることかな。

 但し、魔導機関の出力を絞って速力を落とせば、深度が10m以上であれば目立たなくなる。


 形状は、前世にあったステルス爆撃機のF―117によく似ているね。

 双発の魔導機関を備え、F―117と違って、乗員は一人だけど、スペース的にはもう一人乗れるようにはなっている。


 大きさは全高1.76m、全幅7.9m、全長11.7mで、Fー117に比べるとかなり小さいね。

 Fー117はステルス機能のために角ばっているけれど、僕の作った潜水艇「トリトン」は水中抵抗の減少のために流線形状をしているんだよ。


 潜水艇「トリトン」内部は、狭いけれど、操縦席、休憩席兼ベッド、DK、洗面トイレユニットになっており、まぁ、宿泊も可能なキャンピングカーの潜水艇版だと思えば良いかもしれないね。

 試運転を兼ねて、エレーズランドの海岸線からトリトンを動かすに当たり、クラウディアや執事長のマイクとメイド長のシェリア、それに王都別邸の警護騎士団長ケインズにも行先を明示しないまま不在とすることを通知した。


 一応、四日以内に王都別邸に帰宅する予定なので仮に五日目になって戻らない場合は、王宮に相談しろと言い置いてある。

 診療所もその間は弟子にお任せになるね。


 クラウディアも従者達も一様に不安を隠さなかったが、間違いなく戻ると言って説得したよ。

 一応これまでの言動で僕をかなり信用してくれているから一応その場は収まったけれど、時として信用は一気に崩れるから、この信用を大事にしなけりゃね。


 因みにヴォーラ大陸とシーゼル大陸間の最短距離は、およそなんだけれど3000マイル、つまりは60ノットの速力でも丸々二日はかかるということだ。

 実際のところ、エレーズランド港からクリフランド王国の港町クルスクまでだと、さらに700マイルほど遠くなるんだ。


 だから最短でも足掛け三日の旅路になるね。

 一旦、向こうに上陸してしまえば、その地点を記憶して、王都別邸やブラッセルマン公爵領から何時でも転移できることになるので、今回はすぐに戻るつもりでいる。


 足がかりができたなら、後は夜間に密かに動くことになるね。

 うん、僕って夜行性の盗賊?


 いやいや、人のために尽くしているんだから、悪くても義賊だよね。

 そう思っていなければ、こんなことやってられないもの。


 でも、公爵と言う立場と家庭を持つとだんだん秘密の行動ができなくなるんだよね。

 こういう時は、秘密の仲間がいると良いのかな?


 いずれにしろ、某日夕刻、僕は単身で王都別邸を出て、人気のないところで姿を消して、王家直轄領にあるエレーズランドの郊外に現れた。

 トリトンは僕の亜空間倉庫に収まっている。


 陽が落ちてから、人気のない海岸でトリトンを出してそれに乗り込み、浮遊させて海面へ運んだ。

 それから低速で沖に進み水深が深くなったら潜行を開始した。


 取り敢えず、低速航行は問題ない。

 潜水でも漏水等の問題は生じなかった。


 取り敢えずは潜航試験で200mほどまでは潜ってみる。

 一応のラフな計算では、水深2万mでも艇体は大丈夫なはずなんだけれど、今回そこまでテストをするつもりは無いよ。


 推進200mまでの耐圧テストでも問題が無かったので次は速力試験と操縦試験だね。

 操縦は、特段難しいものじゃない。


 セスナ機の操縦ハンドルのようなものが有って、左に回せば左旋回、右に回せば右旋回をして、この際は自動的に水深を保ってくれる。

 また、操縦ハンドルを押し込めば下降し、手前に引けば上昇することになるが、その場合でも艇体は最大10度に傾くだけになるように調整してある。


 速力は左手にあるスロットルレバーで調整するし、微妙な操船が必要な場合はジョイスティックで操縦も可能なんだ。

 但し、宙返り的な動作は輸送用の潜水艇には必要が無いから省いているよ。


 仮にこれで戦闘艇を考えるならばその時に操縦系や武器も検討しよう。

 いずれにしろ操縦系にも支障がなく、徐々に速度を上げて最高速力で64.2ノットをマークした。


 うーん、流線形状が効いたのかな。

 想定よりも速度が大だったね。


 この推進機関は水中若しくは海中で使うからオーバーヒートは起こり得ない。

 あるとしたならガス欠だけれど、駆動装置は魔石を使った魔導具だから、魔石の消費が過大にならない限りは大丈夫だ。


 取り敢えずの最大速度での計測データから見ると、現在装填している魔石だけで、少なくとも一万五千マイル以上を64.2ノットで突っ走れると思うよ。

 トリトンには予備の魔石四個が搭載してあるから、おそらくは7万マイル以上を航走できることになるけれど、残念ながら乗員の方が持たないかもしれないね。


 一応三日分の食料と、保存食料7日分は備蓄しているんだけれどね。

 暗い海中に一人で暮らしているのは、精神衛生上良くないよね。


 きっと暴走族でもしないと思うな。

 尤も前世で随分と昔に、ヨットに乗って太平洋を三か月以上もかけて一人ぼっちで渡った青年がいたけれど、・・・。


 まぁ、タフじゃなければできないだろうね。

 それはともかく試験は終了して、いよいよ南の大陸であるシーゼル大陸へフルスロットルで深度100mを驀進中だ。


 この深さなら水上を走っている船にはぶつからない。

 でかい魚とか海中生物がいたなら衝突の可能性もあるけれど、この艇体は頑丈だからね。


 最高速度で岩礁に衝突しても、艇体には傷もつかないはずだし、重力魔法の応用で慣性力中和の魔導具が搭載されているから、例えば飲んでいるカップ入りお茶の表面がさざ波も立てないだろうね。

 わざわざその実証実験はしないよ。


 無駄に魔石が消費されるのを防ぐためでもあるんだよ。

 いずれにしろ、イフリートから得た情報を元に海図に落として、そこに航路を描いて、自動的に追従させるようにしているんだ。


 GPSのように現在位置がわかるわけじゃないから、飽くまで推測航法の延長に過ぎないんだけれど、イフリートの世界観から得た海図が正しければ、多少海流に流されてもほぼシゼール大陸のクリフランド王国の港町には到達できるはず。

 一応、衝突予防装置を設置しているので、一定以上の大きさの障害物がある場合、警告音を発して自動的に避航するようになっているよ。


 このため、航行中はほぼ自動操縦で、夜間は僕も操縦席の後ろにあるソファー兼ベッドで寝ることにしている。

 コースは略南だけれど、磁針方位では188度方向なんだよね。


 一応、大圏コースの最短距離のはずなんだけれど、シーゼル大陸に着いてみないと、データに間違いがないかどうかわからない部分もあるね。

 因みに、航行中は空間ソナーの魔導具を使って、海底の地階図を測量しているので、トリトンが航行したコースを中心に詳細な海図が作成できることになるんだ。


 帰りは、もちろん空間転移で帰ってしまうけれど、この次にトリトンを使う場合にも海図を作成することにするつもりだよ。

 いずれは僕の作った海図が海洋航行に役立つかもしれないね。


 日没時にエレーズランドを出て、二時間ほど試験航海を行い、走り始めてから三日目の朝、目的地のシーゼル大陸北岸が見える位置に着いたよ。

 海流の影響なのかな。

 

 東へ少しずれたけれど、クリフランド王国の港町から5キロほど東の海浜近くだった。

 人気が無いことを確認しで海岸部に接近、浮遊させて近くの密林の中へトリトンを移動し、そこで安全を確認してから僕が外に出て、亜空間にトリトンを収容、それから王都別邸に跳んだよ。


 王都別邸に着いたならすぐにクラウディアや執事長のマイクに連絡して、僕が無事に王都別邸に戻ったことを従者や警護騎士団にも連絡してほしいと頼んだ。

 この後の作業は、日中は王都別邸で普段通り過ごし、夜になったら身代わりのゴーレムをベッドに寝かせて僕はお出かけだ。


 今夜一日では済まないかもしれないが、少なくともクリフランド王国の王都にあるデスマルス教団本部とそこにいる関係者は殲滅しておきたいと考えている。

 末端の組織がどれほどあるかは現場に行って確認しないとわからない部分もあるけれど、少なくともイフリートの調べでは教団支部がシーゼル大陸だけでも70カ所以上、教団の息のかかった商会が160以上、関係する地元組織が300以上存在するらしい。


 有象無象を含めてその全てを一斉に殲滅する方が楽なんだけれど、一応周辺事情を僕自身が確認してから処分を決定するつもりなんだ。


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…一国の優秀な【特殊部隊】並の行動力ですにゃ。 未来の銀河帝国の【大佐だった人】の率いた部隊みたいな事をたった一人で(⌒-⌒; )。お手伝いするにゃby猫 主人公「(⌒-⌒; )いや、確かに猫の手も…
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