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転生したら幽閉王子でした~これどうすんの?  作者: サクラ近衛将監
第三章 貴族として

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3―7 嫁を迎えるために その五

 食器では、他にもこの世界の飲み物用の食器は金属製のゴブレットが普遍的なのだが、何となく物足りないので、この世界では珍しいガラス製のグラスを自作した。

 ゴブレット以外に、ワイン用、カクテル用、シャンパン用、シェリー用、サワー用と分けたグラスを200セット用意した。


 ナイフとフォークについても、こちらの世界では余り種類が多くないようなので、前世の知識をもとに色々な物を用意してみた。

 但し、その使い分けとそれに見合う料理を料理人たちに教えるのが結構大変だったね。


 雇い入れた料理人達の特訓をしたんだ。

 ついでに、我が家の厨房には大きな冷蔵庫も備えてあり、食品も長持ちするし、冷製食品も保存しておけるので、料理人の中の若い二人には、パティシェになってもらって、美味しいデザートを造れるように訓練中なんだ。


 料理人とは別に、若手の従者二人には、カクテルの作り方を教えた。

 カクテルに必要なジン、ウォッカ 、ラム 、テキーラ などのベースや各種リキュールは、個別人入手したり新たに僕が錬金術を駆使して造ったりした。


 僕の場合、一応は成人にはなっているんだけれど、アルコール類はできるだけ飲まないようにしているよ。

 但し、どんな酒やカクテルやワインが良いのか確認もできないことから、飲み込まずに味を確認する程度のことはしているよ。


 用意する品の吟味もできないようなホストでは、及第点を貰えないからね。

 特に、こちらの世界のワインは、熟成が足りないのか、製法が悪いのか、僕としては余り品質が良くないと思われたので、僕が加工して、新たな製品を生み出しているんだ。


 更に、この世界のワインには、白もローゼもないので、これも錬金術で新たに造り、自作のガラス瓶に詰めなおした。

 因みに、この世界ではガラス瓶はあまり普及しておらず、ワインなどは樽詰めや陶器の壺で輸送されているのが普通である。


 そんなこんなで、色々とあれやこれやと手を付けながら、バタバタしているけれど、何とか期日までには間に合わせるつもりだよ。

 王宮でのお披露目では無かったけれど、我が家でのお披露目では、楽団付きで舞踏会も催さねばならないんだ。


 取り敢えず、開会の辞に際してクラウディア嬢との結婚も集まったお客達に報告するから、最初のダンスは、僕と招待客で最も高い爵位を有する人物の二人が、それぞれのパートナーと踊ることになる。

 未だ、最終的な集計はできていないんだが、今のところでは、ハンブリー公爵自身が出席を表明しているようなので、ハンブリー公爵夫妻と、僕とクラウディア嬢の二組が、最初のダンスを踊ることになりそうだ。


 そのために、クラウディア嬢とは、比較的頻繁に会ってダンスの練習もしているよ。

 練習に楽団の演奏は無いけれど、予め他所(よそ)の舞踏会等で演奏されていたものを、内緒で僕の作った魔導具で録音しておいて練習をしているんだ。


 これ以外にも、叙爵や陞爵の披露宴における慣例では、イベントとしてホストやホステスの趣味を披露する機会が時折あるらしい。

 そのために、招待客に請われた際に応えられるよう、念のため、クラウディア嬢は『ギーゲ』と呼ばれるバイオリンに似た三絃の楽器を練習しているし、僕も『クラーベ』というピアノの前身であるチェンバロに似た楽器の演奏の練習を行っている。


 前世の僕は、趣味でピアノやエレクトーンを弾いたりしていたので、チェンバロよりもさらに小型のクラーベでは、何となく音色がおもちゃのようで物足りないんだよね。

 そこで、ちょっとした思い付きで、エレクトーンを何とか魔導具で作れないかとやってみました。


 音を出す魔導具を生み出すのが大変でしたけれど、一旦、できるようになると、後は、その音の変化形だけなので、思っていた以上にうまく進みましたね。

 披露宴の三日前には、独演で前世の交響曲(耳コピーと言うか、記憶にあるものをできるだけ再現した?)を演奏できるまでになりましたよ。


 勿論、()()()()()()()()がたくさんの楽器の音色は出せるとはいっても、二本の腕と二本の脚以外には動かせない(魔法を使えばもう少し可能だけれど、人前で操作するのは一台が限度かな?)から、一度に多数の音を出すために鍵盤を操作するのは無理なんだ。

 そのため、事前に一部記憶装置に貯めこんだ演奏を流しながら、一緒に演奏するやり方になるんだ。


 この方法だと、仮に()()()()()()()()が一度に出せる音源は少なくても、後でいくらでも音を重ねることができるから、百の楽器の異なる音色も一緒に出すことができるんだ。


 ◇◇◇◇


 いずれにしろ披露宴の準備を進めつつ、騎士と従者の面接をもこなしており、これまでの従者28名に加え、何とか従者22名、料理人8名、騎士72名、ロジの従卒兵12名を集めることができたよ。

 従者50名と料理人6名を束ねるのは、執事長のマイクだし、さらにその中のメイドを束ねるのはシェリア、コックを束ねるのは料理長のレギンズだ。


 因みに、普段は従者であるけれど、披露宴の際にカクテルなどを提供するバーマン(バーテンダー)二名については、その時だけは料理長が監督することになっている。

 調度品については、その半分をマイクとシェリア達に揃えて貰ったが、その大半は壁にかける絵画など美術品の類である。


 僕がそういうものを揃えられたなら良かったのだが、生憎と僕に絵心は無いと言ってよいだろうね。

 とは言いながらも、前世の趣味の一つとしてカメラに凝っていたから、魔導具で()()()()()を造り、朝と夕の二回、王都や王都近郊の名所旧跡の場所をあちらこちらと訪ねつつ、転移魔法で跳んで、風景の写真を撮った。


 で、屋敷のいたるところに、A2程度の大きさの風景写真を飾っている。

 ()()()()()()()()()()()()()も冒険者稼業と診療所経営の傍らで必要に迫られて(??)作った代物だ。


 写真を飾る額については、この世界の凝った額縁は不要と判断して、アクリル板にも似た透明な錬成樹脂からなる二枚の板に写真を挟んで壁にかけるようにしている。

 絵画と違って、これまでになく写実的なものだから、初めて見る人は大いに興味を惹かれるのじゃないかとは思う。


 そのほかの調度品で僕が造ったのは、壁時計や大時計、それに飾り棚かな。

 時計はこの世界では非常に珍しい代物だ。


 ゼンマイ仕掛けの時計や振り子式の大時計も一応は有るけれど、とても精度が低いので、毎日時刻整合をしなければならないのと、故障しやすいんだよね。

 また、その時刻の整合元になる教会の鐘の音が必ずしも正確なものとは言い難い。


 単純に言って、日の出、日の入りを基準にして水時計でおおよその時刻を知らせる方式だから、季節によって違うし、前世で言えば24時間を図っているものじゃないんだ。

 単純に言えば、お日様が出ている時間をおおよそ十二分割したものだ。


 だから、僕はこの世界の一日を24分割して1時間を割り出し、精密な時計を造ったよ。

 魔導具でクオーツを作り出し、その共振周波数から割り出したものを基準にしているから年間誤差で100分の1秒ほどじゃないかな?


 そうした時計が、屋敷の各部屋にあるから、時刻を確認するのにはとても便利なはずだ。

 こいつも領地の特産品にする計画は考えている。


 おそらくは、クオーツの魔法陣を造るのは僕で、それを利用した時計を造るのが職人と言うことになるだろうね。

 一方で、飾り棚については、アンティークの飾り棚は探せば購入できるんだが、ガラス戸の無い本当に棚だけの代物なので、中に置いた調度品の類が埃等で汚れる可能性が有る。


 まぁ、そのために、僕の作った屋敷には空調設備と空気清浄機を整備しており、定期的な手入れをすれば、室内の空気を浄化してくれるようになっているけれどね。

 妖精sの情報により、他の貴族の王都別邸を参考にする限り、メイドや執事で浄化魔法の使い手が、各部屋の掃除をしているようなんだけれど、流石に除菌まではしてくれないし、意外と抜けが多いようなんだ。


 特に、照明が比較的暗い屋敷では、天井部分にどうしても汚れが残ってしまうようだ。

 そもそも浄化魔法が意外と難しく、熟練者であれば非常に綺麗になるのだが、保有魔力の少ない術者だと魔法の範囲指定が曖昧となる上に、魔法そのものの効果も人によって強弱が有るために、場合により細かい汚れが残ってしまうようだ。


 尤も、術者の目に留まり、その部分に特に浄化の強度を上げれば綺麗にすることも可能らしいのだが、そもそもそうした従者の保有魔力の関係で何度も繰り返せないところに問題があるようだ。

 我が家のメイドにも浄化魔法の使い手は居るようだが、所謂魔法師と比べると保有魔力量は十分の一程度だから、以前の侯爵邸よりはかなり大きくなった屋敷全ての部屋を念入りに浄化するためには、早くても七日から十日ほどはかかるようだ。


 空調設備と空気浄化設備は、そうした労力の軽減を図るものだし、掃除用に手軽な魔導掃除機等も作ってあげたよ。

 そのほかの日用生活品についても、思いつく範囲でいろいろ作っている。


 この世界では、紙は羊皮紙が主流で貴重品なんだけれど、植物繊維由来の紙を錬金術で造り、それを複製して大量に保管していたから、それを事務等に使うようマイク達に渡しているほか、トイレ用のロール紙も大量に地下倉庫に保管している。

 トイレットペーパーだけなら、おそらく一年分ぐらいは優にあるんじゃないかな。


 当然に、ティッシュペーパーも多数用意しているよ。

 地下には食糧保管庫もあり、万が一の場合に備えて、500名が半年ほど籠城できるほどの糧食が入っているし、厨房とは別に大きな冷蔵室と冷凍室も備えてある。


 ◇◇◇◇


 叙爵のための披露宴は、基本的には立食パーティなんだけれど、大ホールの壁際に沢山のテーブルを並べ、そこに料理を並べるバイキング方式になる。

 料理を食べたい人は、それぞれの料理を置いてあるテーブルに行き、食べたいものを希望すれば、執事やメイドが給仕サービスをしてくれるので、立ったままで食べるか、若しくは、最寄りの小テーブルと椅子のセット(四人用)で食べることになる。


 この辺は、王宮での披露宴でも同じ方式だったが、我が家の披露宴では、料理の品種が非常に多くなる。

 美食家が多い貴族であっても、これまで食べたことのない料理が多数並ぶことになるはずだ。


 実のところ、披露宴で出される予定の料理の半数は異世界の料理を再現したものだし、使っている調味料も当然に異なるから、誰も食べたことのない代物が多いんだ。

 我が家のシェフ達が頑張って、彩りよい異世界料理と、この世界の伝統料理も並べられることになっている。


 そんな中でも、一番、招待客の興味が引かれるのは多分、デザートなんじゃないかと思う。

 砂糖大根(ビート)とは違うけれど、この世界には『ズーネッセ』というヤシの実に似た大きな木の実があり、この皮を剥いて、粉砕し、煮詰めて、精製すると砂糖を取り出せることを僕が見つけたんだ。


 この世界にも、南方の島国から輸入される砂糖はあるんだけれど、そもそも生産量が少なく、非常に高価なんだ。

 おまけに精製方法が、甘味を有する『シニィバジレ』という植物の茎を()いたり、すり潰したりすることで甘味液を抽出し、それを煮詰めたり、太陽で乾燥させるなどして、砂利のように見える甘い固体を造るようだ。


 僕も少量手に入れて口にしてみたが、雑味(ざつみ)の多い濃い茶色の黒糖だね。

 おまけに、運送途上の品物の管理を妖精sに教えられて、衛生的には非常に危ないかもしれないなと思っている。


 それでも加熱するような料理には何とか使えるから、金持ち連中はいろいろ工夫して使っているようだが、雑味が多いためにデザートの菓子にするにはもう一工夫が必要みたいなんだ。

 当該、南国産の『シニィバジレ』から白い砂糖結晶を精製することはできると思うけれど、僕は手近の『ズーネッセ』から精製することにした。


 これなら王都の近郊でも見つけられるし、僕の拝領した王家直轄領だったブルームランドの山中にも自生しているようだ(妖精sの情報)から、領地経営に際しては砂糖の生産を行っても良いかなと考えているんだ。

 そのために、パティシェを養成して、王都で甘いデザートを披露したいと考えたわけだ。


 砂糖は、既にトン単位で保有しているから、必要に応じて調整しながら放出することもできる。



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